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なろうラジオ大賞2 • 3 • 4 • 5 • 6参加作品

大魔王城の最終兵器


(いにしえ)からの約定により大魔王軍に保護されている、大魔王城に続く長い階段の前にある寒村を山々の彼方に太陽が顔を覗かせる前に出立した勇者の一行は、数千メートルの山の頂きにある大魔王城に続く階段を登り始めた。


数万段ある階段の一段一段の奥行きは狭く腰かけて休む事は出来るが、寝転んでの休息は取れない。


勇者の一行は数千段登る都度に聖女からヒーリングを掛けてもらい疲れを取る。


階段の左右にゴブリンやコボルトが屯しているが、階段下の寒村と同じく(いにしえ)の約定により攻撃しては来ない。


山々の彼方に太陽が沈む頃、勇者の一行は大魔王城の門前に辿り着いた。


大魔王城の門は開け放たれていて、細長い通路の先の玉座の上でふんぞり返っている大魔王が見える。


大魔王が勇者の一行を挑発しているのか、お出でお出でするように手を振っていた。


聖女に最後のヒーリングを掛けて貰った一行は、大魔王に向けて駆け出す。


ダダダダダダダダダダダダダダ


ハア、ハア、ハア、ハア、ハア、ハア。


ダダダダダダダダダダダダダダ


ハア、ハア、ハア、ハア、ハア、ハア。


門から玉座まで100メートル程しか無いのに幾ら走っても辿り着けない。


ダダダダダダダダダダダダダダ


ハア、ハア、ハア、ハア、あ!


修道女姿の聖女が自身のスカートを踏みつけて転び、魔法使いや騎士を巻き添えにして入って来た門の方へ運ばれ門から放り出された。


「「「キャアアアアアアァァァァァァーーー!!!」」」


階段を転がり落ちて行く仲間の悲鳴が勇者の耳を打つ。


あと少し、あと少しで大魔王の下に辿り着く、一太刀、一太刀でも大魔王に切りつけたい。


大魔王は勇者を指差しながら笑っている。


ダダダダダダダダダダダダダダ


疲れはてた勇者の足が縺れ倒れ込む。


勇者も仲間達と同じく門の方へ運ばれ門から放り出された。


階段から転がり落ち血塗れの勇者一行は、階段の左右に屯していたコボルトやゴブリン達に身ぐるみ剥がされた後、階段下の寒村に住む人間に引き渡される。


此れも(いにしえ)からの約定だった。


ゴブリンやコボルト達から勇者の一行が身に付けていた聖剣等を受け取った大魔王は、スピードを自在にコントロール出来る門の方へ動いている動く歩道のスイッチを切るのであった。




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