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〜閑話〜アリシア?(後半)

大通りを探しても見当たらないので裏通りをしらみ潰しに探しました。

そしていくつかの通りを覗いていると。


「貴女!見つけたわよ!!よくも逃げてくれ......たわ.......ね.........?」


私は怒りのあまりマコトしか見えていませんでした。

マコトの周りには男達が取り囲んでいました。

私が叫んだ瞬間、駆け寄った男にあっという間に口を塞がれました。


私は縛られ、麻袋を被せられ、そのまま何処かに連れて行かれます。


思い出しました!確か、美少女ばかりを狙う誘拐団が最近街で噂になっていた事を。

これがその誘拐団なのでは?私が美少女なばかりにマコトまで巻き込んでしまいました。

領主の娘として私がなんとかしなくては!


暫く移動した後に麻袋からやっと脱する事が出来ました。

どうやら此処は何処か貴族の邸宅の地下室みたいです。

二十畳程の部屋の隅には、捕まっていたのであろう十人ほどの女の子達が膝を抱えて、身を寄せ合っていました。


「マコトちゃん?」


捕まっていた女の子の中から一人の子が私と一緒に捕まって拘束を解かれたばかりのマコトに駆け寄りました。

確かあの子は海辺の喫茶店の娘、リサと言ったかしら?二人は知り合いなのかしら?

何やら二人で話し込んでる様です。


部屋には此処に連れて来た男達の他に見張りで残っていたのだろう男達と五人の男達が固まって何やら話し込んでいます。

それにしても、この男達は、か弱い女の子達になんて非道な行いをするのでしょうか。

私は男達を睨み付け口を開きます。


「貴方達!こんな事は犯罪よ!私達をどうするつもりなの!?」


男達はすぐさま此方に振り向くとニヤニヤとイヤラシイ笑いを浮かべ口を開きます。


「どうもしないさ、俺たちは金を貰うだけだからな!まぁ、もっとも金を払ってくれる貴族様は、お前達をどうするかは知らないが、これだけ見目の良い娘達を集めてるんだ、さぞかし可愛がってくれるんじゃないか?へへへ」


そんな事は許されません、しかし何も言えません、護衛さえついていたならこんな事にはならなかったのに。

何も言い返す事も出来ず、口惜しさに唇を噛みます。

家の者に黙って、こっそりマグダル様を見に行った浅はかな自分の行動が今になって悔やまれます。

とは言え、私が家に戻らなけれれば、お父様はすぐに捜索をギルドに依頼するはずです。

大人しく待っていれば、この様な者達などすぐに捕らえられる訳ですから、領主の娘として落ち着いて他の娘達の心を慰めるのが私の使命なのではないでしょうか。


そんな事を考えていた矢先に一人の男がマコトに近づき顎に手をかけ言いました。


「それにしてもコイツは上玉だな!俺が味見してやってもいいか?へへへ」


マコトは物凄く怖いのでしょう、涙目でプルプルと身体を震わせています。

男は怯えるマコトの様子にゲスい笑みを深めて首筋へと指先を這わせました。


助けなければ!


たとえ私にマコトが不遜な態度を取っていたとしても、こんな男が美少女に手をかける姿を見過ごす訳にはいきません!

立ち上がりかけたその時、別の男から怒号が飛びました。


「おい!売りもんに手ぇ出すんじゃねぇ!」


誘拐団のリーダーでしょうか?マコトに手を出そうとしていた男は「チッ」と舌打ちをしてマコトから離れました。

すかさず私はマコトに駆け寄りそっと抱きしめます。


「大丈夫、きっと助けは来るから!泣かないで........取り敢えずみんなの所に行きましょうか?」


何故だかポカーンとした表情のマコトをそっと立ち上がらせて他の娘達の所へ、すると他の子達もマコトに寄り添う様に集まりマコトに声をかけます。

今は、それが少しでもマコトの慰めになればと思います。


そうこうしていると、ひとりの男が階段を上がっていき、程なくして上から話し声が聞こえて来ました。


「今回は特段に見目の良いのを用意しております」


「ほぅ、其れは楽しみだ」


そして数人の階段を降りる音、階段から降りて来たのは先程の男と身なりの良い年嵩の小太りの男とそれに面差しの似たこれまた太った若い男、背後には黒いマントにフードを被って顔は見えませんが、男達は貴族の様です。王都で見た事がある様な気もします。


年嵩の貴族の男は、部屋の隅で固まって居る女の子達を値踏みする様に目を細めて見回し、マコトと目が合うと途端に驚愕の表情を浮かべ、口を開こうとするが言葉が出てこない様子。


マコトは、暫し逡巡したのかと思いきや、突然、目にも止まらぬ速さで男に切りかかりました。

何故か胸には赤く光る魔石が有ります。それに加えて、何処からあの剣は現れたのでしょうか?


しかし、貴族の背後にいた黒マントの男が背中から黒刀を抜きながら前へ。


ギィん!貴族の顔前でマコトの剣は黒マントの黒刀によって止められました。

目の前で起こった斬撃に貴族の親子はヘナヘナとへたり込みワナワナと震えています。

しかし直ぐにハッと我に帰った貴族の男は、いきなり始まった剣戟に、立ちすくんだままの誘拐犯の男達に叫びました。


「おっ、お前たち何をしている!早く女共を運び出せ!」


男達はわらわらと動き出し、マコトは男と切り結んだ状態で身動きが取れない様子。

私はどうしたものかと思っていると階段の上からドタドタと足音がして冒険者風の男達が駆け降りてきました。


「キースさん!?」


「マコちゃん!大丈夫か!?」


「僕は大丈夫だから!女の子達の保護!お願い!」


「わかった!任せてくれ!」


マコトと簡単に会話を交わした冒険者の一人は私達に近づく男達に剣を構えて向かって来ました。


少しホッとしたのも束の間、黒マントと切り結んでいたマコトが、


「魔族?!」と声を上げました。


同時に部屋にいた全員が男に対して驚愕の目を向け動きが止まりました。

魔族?本当にあの、魔族なのでしょうか?私を含め、そこにいる皆がマコトと黒マントの男を見つめます。

ただ貴族の男だけは違っていました。


「マルファズ!早く!早くコイツらを殺せ!もう女も構わん!全員殺せ!早く!」


この男は、なんて事を言うのでしょう!マルファズと呼ばれた魔族の男は後ろに飛び退きマコトと距離を取ると少し考える素振りを見せた後チラリとマコトの顔を見ながら、貴族の男に向かって言い放ちました。


「想定外だ、まさかこの場にマコファールがいるとは考えられない事態だ.......契約は終わらせて貰う」


そう言った魔族の足元から煙の様に男の体が霧散して行きます。


「待て!裏切るつもりか!?」


叫ぶ貴族の男を無視して、マコトは魔族の男に斬りかかり剣を振るうのですが、剣は空を切り煙を霧散させるだけ、そしてその煙さえも解ける様に消え、その場には魔族がいた気配さえも消えてしまいました。


----------


誘拐犯の捕縛を終えた冒険者の方達は囚われていた私達の元へ立ち上がる様、手を貸しに近付いて来ました。

私の元へは最初に飛び込んで来た冒険者、ん?でもこの方、やけに物腰が柔らかで見た目もかなり....と言うか騎士然としていてカッコ良いですわね。

貴族でも三男坊以下は騎士や冒険者となる者もいると聞きますし、元騎士なのかしら?

それにしても、こんな出会い!囚われた私を救う騎士様!緊張が解れた解放感に吊り橋効果と言うのかしら?どうでも良いですけれど、恋愛テンションが上がってきますわね。


他の冒険者の方に促されて階段を上がりながら、騎士様に視線を送っていると。

マコトと騎士様が親しげに話をしていました。

なんなのかしら?マコトは、可愛らしい顔をして、いかにも儚げな令嬢風?なのに先程の剣戟。

普通の娘では有りませんわね?それから.......騎士様に近づくな!


帰りにはギルドから馬車の用意がされていて、先程の騎士様と同じ馬車に!なんと言う幸運!馬車の中で少しお話し出来ましたわ。


騎士様の名前はキース様、王都で「龍を屠る者」と言う冒険者パーティなのだとか、思った通り貴族家の三男坊で、元騎士。貴族家の1人娘として婿取り必須の私には願ったり叶ったりの物件!

ん?「龍を屠る者」?もしかして王都でドラゴンを狩った勇者様って.....

お招きしなくては!是非!我が家へ!

勢い勇んで自宅に帰りましたが、なんと、お父様が王都の勇者様を自宅に招く事になったとの事。

あぁコレは運命!またキース様に会える!


巡ってきましたわ!私にもチャンスが!恋愛テンションMAXですわ!!


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