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アジト?

暫く担がれた後、ドサリと何か木の板のような物の上に乗せられる。

結構扱い方が雑、もっと丁寧に扱って欲しい、腰打っちゃったよ!

心の中で悪態を吐く間にソレはゴトゴトと動き出した。

どうやら荷馬車に乗せられたみたい?横ではゴソゴソと動く気配がするのでアリシアも同じ荷馬車に乗せられてるみたいだ。


荷馬車は一時間程走った所で止められ、またもや僕が入っている袋は誰かに抱えられ運ばれる。

階段を降りる雰囲気がして、そしてゴトリと木の床に置かれた後、麻袋から出されて、転がされたまま猿轡と手足の紐は男によって外される。

横では、アリシアも同じ様に拘束を解かれていた。


自由になったので身体を起こし周りを見ると、ニ十畳程の窓も扉も無い部屋、薄暗い魔道具の灯りがひとつと階段が有る。

地下室みたいな所だろうか?部屋の隅には僕と歳の頃は変わらない、捕まった十人の女の子達が膝を抱えて身を寄せ合っている。

僕達を連れて来た三人の男達の他にも見張り役だろう二人の男も居る。


「マコトちゃん?」


不意に女の子の中から声が上がり、其方を向くと。


「リサ.......さん?」


なんと、捕まった女の子達の中には海岸通りの喫茶店のリサの姿が有った。

おじさん!彼氏の家じゃ無かったよ!良かったね!まぁ、この状況が良いとも言えないけど。


リサは立ち上がり、僕の所に駆け寄り、跪いて視線を合わせる。

そして一度、男達をチラリと見ると口元に手を当てコソコソと話しかけて来る。


「なんでマコトちゃんが捕まってるの?マコトちゃんって王都でド!?ムグ!........」


僕は慌ててリサの口を押さえて唇に人差し指を当てる。

此処で潜入がバレる訳にはいかないもん!リサは口を押さえられたまま、僕が此処に居る意味を悟った様でコクコクと頷く。


アリシアは縛られていた手足を暫く指すっていたが、男達をキッと睨み付け口を開いた。


「貴方達!こんな事は犯罪よ!私達をどうするつもりなの!?」


腕を組み立ったまま話し込んでいた男達はパッとアリシアの方を振り向き、一人の男がニヤリと嫌な笑みを浮かべて口を開く。


「どうもしないさ、俺たちは金を貰うだけだからな!まぁ、もっとも金を払ってくれる貴族様は、お前達をどうするかは知らないが、これだけ見目の良い娘達を集めてるんだ、さぞかし可愛がってくれるんじゃないか?へへへ」


男がそう言って笑うと他の男達もニヤニヤしながら一緒になって笑い出す。

女の子達はみんな無言になり俯き、シクシクと泣き出す者もいる。

アリシアはキュとスカートを握りしめて悔しそうに唇を噛む。

対照的にリサは僕が来た事で安心したのだろうか、平然とした顔でキョロキョロと、他の女の子達を見回した後、僕に目を向けた。

僕がコクリと頷くとニコリと微笑む。


それよりも今、貴族って言ってたね?やっぱり貴族が絡んでるんだね。

GPS的な魔術具のネックレスは首にかけてる、サーニャさんの言う事を信じれば、応援の冒険者が、きっと僕の事を追って来てるはず、後は関わってる貴族を確認して踏み込んで貰えば万事解決!


そんな計画を頭の中で思い描いていると、男達の内の一人が座っている僕の所まで歩み寄る。

そして僕の前でしゃがみ込み、僕の顎にスッと指を添えクィっと顔をあげられる。

必然的に嫌でも男と目が合う。

男はニヤリと目を細めて言った。


「それにしてもコイツは上玉だな!俺が味見してやってもいいか?へへへ」


ゲスい笑い声にイラッとして思わず指輪から剣に変えそうになるけれど、我慢ガマン!!囮役を引き受けたとは言え、こんな女の子扱いは腹が立つ!抑えていても怒りでワナワナと身体は震える。


男は何を勘違いしたのか、更にイヤラシイ笑みを深めてせせら笑う様に言う。


「おおぅ?びびってんのか?震えてんじゃないか、こりゃ、そそるじゃねえかよ」


そう言いながら男は僕の顎に掛けた指を首筋をなぞる様に下へと下ろして行く。

あまりの気持ちの悪るさと手を出せない悔しさに涙が滲む。


「おい!売りもんに手ぇ出すんじゃねぇ!」


一番ガタイの良い男が口を挟んできた、「チッ」舌打ちをして男は首筋に這わせた指を離し立ち上がる。

男が離れた所でアリシアが僕に駆け寄り、そっと僕を抱きしめて耳元で呟く。


「大丈夫、きっと助けは来るから!泣かないで........取り敢えずみんなの所に行こうか?」


いや、僕が助けるんだけど?と、言いたい所だけど、此処はグッと飲み込んでコクリと頷き身を寄せる様に固まる女の子達の輪に入り膝を抱える。

みんな!もうちょっとの辛抱だからね!頑張ろう!心の中で呟くと、さっきまで泣いていた女の子が僕の手をキュッと握った。


「貴女みたいな子が怖いのをガマンしてるんだよね!私も頑張るよ!」


その声を呼び水に他の女の子達も次々と僕に声をかける。


「大丈夫!私、貴女を守るから!」「きっと助けは来るから!来なくても貴女だけは何とかして逃してあげる!」「貴女みたいな可愛らしい子が貴族の毒牙にかかるのは許せないよ!」


もしかして僕、励まされてる?ヒクヒクと引き攣った笑みで「あっありがとう.......」と言葉を絞り出すと女の子達は一斉に僕の手を取り目を潤ませる。

あっ、これは完全に、か弱い女の子扱いされてるよ.........


僕は女の子達に手を取られたまま項垂れた。


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