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白猫ランド?(後半)

「現れたな白猫仮面!今日こそお前の最後だ!」


「黒猫魔王!姫に不埒な真似は許さないぞ!」


「白猫仮面め!そんな事を言っていられるのも今の内だ!」


えぇ〜と、僕はどうすれば良いの?目の前で繰り広げられる下手な三文芝居を戦闘員に両脇を抑えられてボーっと眺めていたら、突然両脇の戦闘員の手に力が篭る。

あれ?と呆気に取られている僕に魔王は不敵な笑みを浮かべ、僕の前にしゃがみ込みスカートの裾に手を掛けた。


僕は反射的にスカートを押さえるが両脇の戦闘員が更に力を込めて僕の腕をスカートから引き剥がそうとし、魔王はジリジリとスカートの裾をたくし上げる。


「ほれほれ、白猫仮面!大人しくしないと姫のパンツが見えちゃうぞー見えちゃうぞ!」


言われた白猫仮面は、大人しくスカートの行先を見守り、魔王はさっきまでの大根役者は何処へやら?ゲスい感じが上手い名演技。


「!ねぇ?ちょっと!コレって演技でしょ?演技だよね?白猫仮面助けてー!.........助けてよ!!」


白猫仮面に助けを求めたものの、全く動こうとしない。

むしろ他の戦闘員と一緒になってスカートを見つめる。

その間にも魔王はスカートをたくし上げる手を止めない、僕は必死でスカートを押さえる。

司会のお姉さんも、観客、ちびっ子達も固唾を飲んでステージを見つめてる。


「本当止めて!ちびっ子見てるからね!アウトだから!本当、こんな事良いと思ってるの?いい加減にして!!」


こんな辱めを受けるなんて!

もう、いい加減、頭に来た!コレ、演技と違う!なんか目が血走ってるし!

僕は身体に魔力を巡らせ、抑えつける両脇の戦闘員を先ずは振り払い、しゃがみ込んでスカートにかけた魔王の手を跳ね除けながら、思い切り魔王の顔面を蹴り上げる!


「グゥふぅ!!」


魔王は吹っ飛び白猫仮面と数名の戦闘員を巻き込みなぎ倒す。

続け様に僕を両脇で抑えてた戦闘員に回し蹴り。

魔王は顔を押さえフラフラと立ち上がり、呻きながら「姫を....姫を取り押さえろ!!!」と叫んだ。

戦闘員達は僕を取り押さえるべく飛びかかって来る!

なんで白猫仮面も加わってるの?ヒーローでしょ?!


「使わないつもりだったのに!知らないからね?ステージ上だけで.....エリアスタン!」


「ゴォん!!」と空を破る様な轟音と共に一閃の稲光がステージを襲う。

ステージの直上で枝分かれしたそれが魔王含め戦闘員、白猫仮面を穿つとその場でバタバタと倒れ込んだ。

ステージに立つのは僕だけ。


ポカーンと成り行きを見ていた司会のお姉さんは、ハッと我に帰り叫ぶ。


「あっ、悪は姫様の手によって倒されました!みんな拍手!!!」


「ワー!姫様強い!」「姫様、カッコいい!」「姫様、可愛い!」


ちびっ子達は一斉に歓声をあげる。

えぇ〜?!こんな終わり方?こんなんで良いの?取り敢えずニコリと微笑んで手を振って舞台袖に逃げ込む。

ステージで倒れてる悪役の皆さん(白猫仮面含む)は係の人に舞台袖に引き摺られて行った。


-----------------


「調子に乗りすぎました、大変申し訳ございませんでした!!!!」


悪役の皆さん(なんでか白猫仮面含む)は全員で僕の前に土下座する。

横からオズオズと司会のお姉さんが恐縮顔でお詫びを述べる。


「本当にすみませんでした、お姫様があまりにも可愛いらしいのでみんな張り切っちゃったんですよ」


「姫って........そもそも僕、男の子なんだけど!」


僕の一言に土下座で地面に頭を擦り付けていた全員がガバっと顔を上げ言い募る。


「嘘だ!」「そんな訳あるか!」「証拠見せろ!」「そうだ、証拠だー!スカートめくって見せろ!」「そうだそうだ!みせろー!」「みーせーろー!」


「嫌だよ.......見せる訳無いじゃん!何言ってんの?」


僕と悪役の皆さん(白猫含む)とのやり取りに司会のお姉さんもオズオズと問いかける。


「あの?なんかの冗談ですか?そもそも男の子なら、なんでそんな可愛らしい格好.......」


「お金がないから.......貧乏だから........」


「はぁ?」


丁度そこにクリスが舞台裏に入ってきた。


「マコちゃん、終わった?」


「あっ!クリス丁度良いところに!この人達、僕が男の子だって言ってるのに信じてくれない!」


「あー、まぁ信じないだろうね、普通.....でも、マコちゃんは男の子だよ?」


「「「「!!!!嘘ん........」」」」


一通りみんな固まり、沈黙が流れた所で、司会のお姉さんが口を開く。


「すみませんがそろそろ握手会を行いますので、この辺で.....黒猫魔王と白猫仮面は観客席の方、握手会に急いで!あっそう言えばこれ記念品です」


そう言ってお姉さんは僕とクリスに白猫のお面を渡し、足早に魔王と白猫仮面を追って観客席に走っていく。

せっかく貰ったので白猫のお面を横被りして舞台裏から観客席の方にクリスと出て行く。


黒猫魔王と白猫仮面は子供達と握手会をしてるのかな?ヒーローショーでは定番だしね。

写真も撮るのがセットなんだろうけど、この世界、写真は無いし。


と、黒猫魔王と白猫仮面の方を見てみると、あれ?子供達いない?


「「「「わー!お姫様来たー!」」」」


一斉に走り寄ってくる子供達は僕の前に整列する。

グッズで買ったのだろう、白猫のお面を横に被り一番前に並んだ女の子が手を差し出して言い募る。


「私、大きくなったら、お姫様みたいに強くなる!握手してくださーい!」


あれ?僕、出演者じゃ無いんだけど?

満面の笑顔で背伸びして手を差し出す子供に嫌とは言えない。

キュッと女の子の手を握り「勉強も大事だよ!頑張ってね!」と微笑むと「うん!」と女の子は笑顔を深める。


そんな子供達の様子を見ていると、ぽわんと温かい気持ちが湧き上がり、握った手に温かい魔力が流れた.........様な気がする。

並んだ子供達に次々と握手をし、一人一人に声をかける。

子供達は一様に幸せそうな顔をして、将来の目標を述べていく。

こんな僕が子供達の目標になったり、将来の夢の一助になれる事にホッコリとした気持ちでチラリと黒猫魔王と白猫仮面を見ると、二人とも沈んだ表情で僕と子供達を見てる。

自業自得!


僕とクリスは集まった子供達みんなと握手を交わした後、笑顔でお礼を言う子供達に手を振りイベントステージの広場を後にした。


この日、僕と握手をした子供達は将来、大魔導師となり、白猫のお面を付けた白猫の団を結成。

この世界に多大な功績を残す事になるのだが、それはまた別のお話。

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