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船遊びの受難?

並んで手を繋ぎ部屋を出る。


クリスは袖付きオフショルの切り替えミモレ丈の薄水色のワンピ、今回ばかりはヒールの有るサンダルで背丈が誤魔化せるかと思っていたのだけれどクリスもヒールの有るサンダルだった、ショック.....


「ねぇクリス?スカートがスースーしてずっと落ち着かないんだけど?」


「あぁ、いつもはパニエが有るからね?直ぐ慣れるよ!」


「僕もせめてミモレの方が良いんだけど?なんで何時もショートなの?」


「えーだってマコちゃん足綺麗じゃん?ショートの方が似合うよ?」


あまりの言われ様にちょっとムッすりしているとエレベーターの前の案内板でクリスが立ち止まる。


「ロビーの上がイベントホールで食堂はその上だね?マコちゃん!プール有るよ!ご飯食べたらプールに行かない?」


「えー水着着るの?ちょっとヤなんだけど.......」


「マコちゃんお待ちかねのショーパン出してあげるから!それにどっちにしてもゼップに行ったら着るでしょ?」


「まぁスカートよりは良いけどさ!どっちにしても着なきゃ行けない訳だけど.....」


「じゃあ決定!お昼からプール!」


「もう!しょうがないからプールで良いよ.........」


諦めて項垂れながらエレベーターに乗る、程なくして目的の食堂の有る階に着き扉が開くと広い食堂スペースが広がる、スペースの真ん中は下に吹き抜けてる。


どうやら下のイベントスペースが二階層分吹き抜けでイベントスペースの周りを取り囲むテラスの様に食堂のスペースとなってるみたい、食堂からイベントスペースが見渡せる様になってる訳だ、丁度イベントスペースでは楽団が音楽を奏でていた。


僕達に直ぐ気付いてウエイトレスさんがやってくる。


「いらっしゃいませ!お席にご案内致します」


まだ時間的にはお昼前なので食堂の客は少ない、空いてる席の中で一番良い席をウエイトレスさんは案内してくれたのだろう、中央に位置する楽団が良く見える席だった。


「こちらが今の時間帯のメニュー表になります、お決まりになりましたらテーブル上のベルでお呼び下さいませ」


ウエイトレスさんは一礼して一旦立ち去った。

メニューは数種類のランチセットにパスタやピラフなんかのカフェぽいメニューになってる。


「クリスは何にする?」


「私、アラビアータにしようかな?」


「じゃあ僕もパスタが良いかな?んっとカルボナーラにする!飲み物は?」


「マコちゃんはアイスコーヒーだよね?私も同じで良いよ?」


メニューが決まってベルでウエイトレスさんを呼び注文する。

注文をしている内に演奏される曲が変わり、なんとなく聞いていると料理が運ばれてきた。

クリスはタバスコをドバドバとかけて平然とした様子で食べ始める、辛く無いのかな?そう言えば宿屋でも辛い料理は無かったしこっちの料理は辛く無いのかも知れない。

僕はクリスのお皿を指差し言った。


「ねぇ?それ辛く無いの?」


「ん?そんな事無いけど?食べてみる?」


そう言ってクリスは一口分のパスタをフォークに巻きつけて僕の目の前に差し出す。

色は毒々しいくらいに赤い、パスタそのものも赤い?でもクリスは平気で食べてるし。

「じゃあ頂きます....」と言いながらパクリ!


「ん!美味し..............かっ!辛い!!って言うか!痛い!痛い痛い!おっおみじゅ!!」


汗がぷわーっと吹き出す感覚、僕は慌ててテーブルの上のお水を飲み干す、それでも辛さが消えなくてクリスの分のお水も貰って飲み干す。

舌はヒリヒリジンジンする。


「そんなに言うほど辛く無いと思うんだけど?」


「いや!おかしいって!辛さの現度超えてる!」


クリスはなんとも無い風に激辛パスタを口に入れる。

知らなかった、クリスがこんな舌馬鹿だったなんて..........


僕は唖然としながら目の前のカルボナーラに手を付ける、ん!美味し!

食事も終わりアイスコーヒーを飲みながら音楽を聴いてまったりとしていると丁度曲が終わるのと同時にクリスは席を立つ。


「さて!マコちゃん、そろそろお楽しみのプールに行こうか?」


「そう言う話しだったね、じゃあ行く?」


「行こう!お部屋で着替えよ!」


--------------------


部屋に戻りクリスはバックから水着を取り出す、黒のビキニにデニムショーパン、オフショルの花柄ゆるふわピンクのトップス。


「あのさ?クリス、僕、ブラいらなく無い?って言うかトップスも要らないよね?」


「.........マコちゃん?ここまで来て言う事じゃ無いけどさ?もうちょっと自覚しようよ?もしマコちゃんが上、着ないで出て行ったらどうなると思う?」


「どっどうなるの?」


「大変な事になるよ!」


.........自覚がない訳じゃ無いけれど.......少しはそうかも?とは思う........


「そうなのかな?着ないとまずいかな?」


「そうだよ!当たり前だよ!それにそのゆるふわトップスは重要な役割があるんだよ!」


「何?役割って?」


「........寂しいのが目立たない........」


「えっ.......じゃあクリスもこれ着るの?」


「.........どう言う意味?」


「え?いや.......なんでも無いです」


結局クリスもショーパンに僕と色違いの紺のトップスにしたみたい。

クリスが部屋で着替えるので洗面室で着替える、水着は一緒には着替えられない。

着替えて鏡を見てみると、お腹も晒した上にショーパンの露出の多さに少し心許なく感じる。これならスカートの方が防御力が高い様な気がするよ?色々恥ずかしい。


「クリス、着替えた?」


「私はOKだよ!」


洗面室の扉を開けるとクリスがビーサンとバスタオルを渡してくれる。

それぞれ日焼け止めを塗ったり、髪を纏めたりした後に出発!プールは船の最上階、エレベーターに乗って行く。


エレベーターの扉が開くとそこはもう外、船の屋上デッキになってる、幾つかのプールと水着の人達、そして鉄塔が。


「あれ、なんだろ?ウォータースライダー?」


今まで見たことも無い物、鉄塔のてっぺんにウォータースライダーの様な管が船の外に突き出してる。

滑って外に飛び出すの?普通滑ってプールにばしゃーん!じゃ無いの?外に飛び出したら落ちて死ぬよ?

もしかしてスカイダイビングみたいな?でも降りたら船に戻れないだろうし、バンジー?紐でも付けるの?


「マコちゃん!ここ書いてるよ!『世界初マジカルスライダー!体験した事ない浮遊感!』だって!あっ!丁度誰かやるみたいだよ?」


カップルが今からやってみるみたい、鉄塔の階段をゴムボートを抱えて登ってる、登りきって透明の管の前で準備を始めた、ボートの前に女の人が、男の人がその後ろに乗って二人一緒に乗るみたい。

え!?いきなり滑った!紐とかまだ付けてないよ?事故?事故なの?!

二人が乗ったボートはそのまま船の外に飛び出し、落ちる!

っと思ったら、まるで見えないレールでも有るかの様に船の外で回ったりしながら滑空してる。

そして船の方に戻って来ると手近に有るプールにバシャーン!と派手な水飛沫を上げながら着水した。


「ふぁー!マジカル!」


「面白そう!マコちゃん!やってみようよ!ボートはあそこで貸してるね?あと、泳げない人は禁止!って有るけどマコちゃんは大丈夫?泳げるよね?」


「えっ?多分大丈夫.........」泳いだ事は無いけれど........たぶん。


ボートを借りて鉄塔の階段を二人で登る。

登って行くにつれて船の外が良く見える、船の高さも結構有るのに、此処はさらに空の上、細い手摺りしかない階段を登るのは心許なくて恐ろしさは半端じゃ無い、足が竦む。


びびりながらも天辺までたどり着くと係のお兄さんが、持って上がったボートをスタート位置にセットして僕に声をかける。


「小さい方のお嬢ちゃんが前ね」


小さい方?僕の事?クリスよりは小さいけれど、お嬢ちゃん?この格好だもの仕方ないかな?渋々とボートに前の方に乗ると直ぐにクリスも後ろに乗ってきた。

そして係のお兄さんは少しボート押すとボートも体も斜めになる、視界は船の外。


「ちょっと!コレヤバイ!僕やっぱり階段で降りる!」


「マコちゃん!ここまで来てそれは無いよ?大丈夫!大丈夫!」


「いや!無理ムリ無理無理!」


「ハイ!スタートでーす!」


「ちょ!ま!イヤ!イヤーーーーー!!!」


僕は必死でボートにしがみ付くが、無情にもボートはあっという間に船の外!空の上!


「落ちるー!死ぬ!イヤーーーーー!」


ボートは回転したりスピードを上げたりしながら空の上を進み、目を見開いて恐怖の時間を必死で耐える。

ひとしきり空の上を滑空したボートはやっと船の方に戻りプールに着水する。


「ひゃー気持ち良かったー!」


「..............」


クリスは歓声を挙げるが、僕はあまりの事に声も出ない、抜け殻の様にぼーっとクリスに寄りかかる様にボートに身を預けてプールに浮かぶ。


「楽しかった!マコちゃん!もう一回やろう?」


僕はクリスに振り向き必死で首を横に振った。


「むっ無理..........怖い.........無理.........」


脱力してしまって力が入らない、きっと今の僕は目が死んでる、取り敢えずボートから降りよう。

足を水につけてボートからプールに降りる。


えっ!深い?全然足がつかない、思わずパニックになって手足をバタつかせる。


「マコちゃん!!なに?もしかして泳げないの?えー!」


叫ぶクリスに手を伸ばそうとするけれど、バタついたせいでボートから離れて届かない、体はどんどん沈んでいく。

ヤバイ!息が出来ない!水上のボートで手を必死の形相で伸ばし、何かを叫ぶクリスが見える、だんだん意識が遠のいて行く.........

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