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エミナとの初戦闘?

物語はエルリースとエミナの出会いの物語、

幼い頃のエルリース視点で話は進みます。

ダンジョン!と意気込んで入ってみたは良いものの普通の洞窟と何も変わらない、五分程歩いたけれど、未だ魔物のまの字も出てこない。

エミナが灯した光の魔法に辺りは明るくなってはいるが進む洞窟の先は世界が消えてしまったかのように暗く音も無い、この先進んでも何者にも出会さない気がする。


「エミナ様?本当に魔物いるんですか?」


「ん〜おかしいなぁ?前は弱っちいのがウジャウジャいたんだけど?」


「ん?エミナ様、何か聞こえません?」


何かカサカサと擦るような音が微かに聴こえる、次第に大きく、近付いてる!

暗く何も見えない深淵から不意に影が伸びるかのように細長い何かが、次第にそれはおぞましい全体の姿を現した。


「くっクモ!」


ただのクモと呼ぶにはあまりにも巨大で脚は大人の足ほど太く身体自体がクマ並みの大きさ、黄色と黒の毒々しい縞模様。


「おー!ビースパイダーだねーいきなりのボーナスチャレンジだよ!火魔法とは相性良いしね!」


「エミナ様!何、呑気な事言ってるんですか!無理でしょ!あんな大きなの!早く逃げなきゃ!」


「えー何言ってんの?エルが倒すんだよ?」


そう言ってエミナは私の肩を掴んでグイッと私をビースパイダーの方に押しやる。ビースパイダーの真っ黒の目が私をジッと見てるような気がする。


「むっ!無理ムリ無理ムリ無理むりーーー!!!」


肩を掴んで離さないエミナに、私は涙目になりながら訴えるが全く聞き入れてくれない、ビースパイダーはカサカサと脚を擦る音をたてながら確実にこちらに近付いて来る。


「ホラ!こっち来た!早くファィヤー撃って!ほらほら!」


もう、ヤケクソだ!このままじゃ確実に魔物の餌になる!私は覚悟を決めようとしたその時ビースパイダーはさっき迄とは比較にならないスピードで襲いかかって来た。


「いっギャー来ないでー!!!ファィヤーボール!ファィヤーボール!ファィヤーボール!ファィヤーーー!!!!」


突き出した指先から目の前に迫るビースパイダー目掛けて火の玉が立て続けに飛び出し爆散して燃え上がる!ギー!と言う叫びと共にビースパイダーは身体中に燃え広がった炎にのたうち回り、そして次第にその動きを止める。

炎はその身体を飲み込むように一度激しく燃え上がりビースパイダーと一緒に消えた。


「おー!凄い凄い!これは経験値美味しいよー!」


「私......倒した?倒した!凄い........」


エミナに掴まれている肩が熱い、エミナが私に魔力を送ってる事が嫌でも分かる。

そうでなければこんなに凄い魔法は私には使えない。


「この調子でドンドン倒せばエルの魔力の器は大きくなって私の補助無しで魔法が使えるようになるから!さあ!次々行ってみよう!」


エミナは私の肩を掴んだままさらに洞窟の奥へと分け入っていく、私はビースパイダーを倒して自信が出た事とエミナに掴まれた肩に何となくの安心感を感じ大人しく先に進む。


進む先にもビースパイダーは何匹か襲い掛かって来たが一度倒した魔物、人間経験は大事だと思う、ファィヤーボールの要領を覚えた私は難なく倒してどんどん先に進む、そして五匹目のスパイダーを倒した瞬間、エミナから掴まれて熱かった肩がフッと熱を感じ無くなった。

その事にエミナも気付いたのか、思わず顔を見合わせる。


「エル、レベルが上がった!」


「レベル?強くなったって事ですかね?所でエミナ様、少し休憩しませんか?」


私は教会でベルから貰ったお菓子の事を思い出しバックを漁る。

二つの小箱を取り出しエミナに一つ渡す。


「これ、何?」


「友達から貰ったんですよ、新しいお菓子だそうです」


「へーあっ!これ、さくらんぼのお餅じゃん!懐かしい!」


「エミナ様、これ知ってるんですか?」


「うん!私の元居た世界にもあったよー、何処の世界でも同じような事考える人が居るもんだね?」


そう言ってエミナは小箱に一緒に入っていた楊枝でピンクの一粒を口に放り込む、私も真似をして楊枝で食べてみた。

ん!ちょっと酸っぱくてムニムニしてる。


少し休憩を入れて改めて洞窟の奥に進む、その後もスパイダーしか出て来なかったけれど魔法の威力が上がったみたい、炎の大きさが大きくなって一撃で倒せるようになってきた。

七匹のスパイダーを倒した後、エミナのお腹がキュウっと鳴った。


「エル、そろそろ今日は終わりにしようか?」


「そうですね、お腹も空きましたし」


私はそれほどお腹が空いた訳では無いけれど此処はエミナのお腹に配慮してあげるべきだろう。


「じゃあ帰ろうか!」


エミナは私の手を取り魔法陣から来る時に使った巻物を取り出し広げた。

視界が光に包まれ、エミナのテントが有る湖の畔に戻って来た、いつの間にかもう日が沈みかけている、早く家に帰らないとお父さん達も帰って来ちゃう。


「エミナ様、もう私帰らないと」


「そうだね!気を付けて帰んなよ?それから明日も特訓するからね?」


「はい!明日は早く来れます、エミナ様も起きてて下さいよ?」


「あーそこは善処してみるよ......じゃあまた明日ね!」


「はい!また明日!」


そうして私は小走りで家路を急いだ。

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