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帰宅?

エルリースが座っている、お茶の席に着きメイドさんが入れ替えてくれたお茶を一口頂き一息ついていると、話し合っていたクリスとミリアも戻ってくる。


「お姉ちゃん、私達そろそろ帰ろうと思うんだけど?」


「えー!もう1日泊まっていこうよ?マコちゃんとミリアちゃんもね?ね?」


僕は泊まる気はさらさら無いけれどクリスも完全に逃げの体制に入ったみたいで切り札を持ち出した。


「お姉ちゃん、仕事あるよね?ロイフォートさんに言うよ?」


「うぅぅ、クリスの意地悪!お姉ちゃん泣くよ!うぅぅ」


「泣マネしてもダメ!帰るから!」


「解ったわよぉ!今日は諦める、じゃあ、お父さん達によろしく言っといてね?暇が出来たら帰るから、マコちゃんとミリアちゃんもまた遊びに来てね」


「分かった、お姉ちゃんも周りの人困らせるような事ばっかりしてないでね?」


「してないわよ?失礼ね!クリスこそマコちゃんを困らせ無いようにね?それとマコちゃん、その魔術付与の衣装マコちゃんにあげるわ、これから冒険もする事もあるだろうし」


「.......まぁ頂けるのなら頂いておきます」


「なんだか不服そうね?」


「だって僕は男の子ですよ?おかしいでしょう?」


「似合ってるからいいんじゃないかな?ね?」


クリスとミリアに同意を求め二人は頷く。


「.........」


そうして挨拶を交わし席を立つ、去り際に手を振るエルリースは少し寂しそうにしてた。

もうお昼も過ぎたかと言う時間、城の入り口まで来ると外で馬車が待ってた、ミリアの家の馬車だ。


「マコト達も乗って行きますか?家まで送りますよ?」


ミリアが馬車の前まで来て言う、僕はスクーターがあるのでどうしようか迷ってクリスに尋ねる。


「クリス、送ってくれるって、どうする?」


「私はスクーターで帰りたいな」


「スクーター?ってなんですの?」


ミリアが首を傾げながら尋ねてくるが現物見ないとわかんないよね?僕はエルリースから貰ったシュシュの魔石に手をかざしスクーターを取り出す。

目の前に現れたスクーターにミリアはキョトンとした表情を浮かべ周りをキョロキョロ見回してから僕に問いかける。


「マコト?馬は?」


「え?なんで馬?」


「何故って馬が引くのでは無いのですか?でも、これ車輪が二つで倒れません?」


「こうやって乗るものなんだけど?」


僕はスクーターに跨り周りを3周ほど回るとミリアが唖然とした表情になる。


「なっ!なんですかこれは?魔力で動いてるのですか?私も!私もこれで帰ります!」


「えっ?無理だよ、二人しか乗れないよ?」


「ミリアは馬車があるじゃん!馬車で帰んなよ!」


そう言うクリスにミリアはアッサリと。


「まあ、二人しか乗れないのであればしょうがないですね、今日の所は大人しく馬車で帰ります、今度乗せてくださいませ、それからクリス!約束忘れないでくださいね?」


「分かってるわよ!」


「なんの話?」


クリスとミリアは一体なんの約束をしたのか?気になって尋ねたのだが。


「マコちゃんには内緒!」

「マコトには言いませんわ!」


二人から直ぐに拒否された、まぁ、女の子同士の話に男の子の僕が首突っ込む訳にはいかないよね?この二人の約束事なんて碌な事は無いような気もするし。


僕はシート下から二つの半キャップを出してクリスに一つ渡すとクリスは自分で顎紐まで締める、それを見て僕も半キャップを被ってスクーターに跨るとクリスも後ろに横乗りで座る。


「じゃあミリアまたね!」


そう言ってアクセルを捻るとスクーターはゆっくり走り出した。

そんな僕たちを見送るようにミリアは馬車に乗り込みながら手を振った。


スクーターは自転車程の速度で広い道を進む、一応明日の事、クリスに断って置かないとね?


「ねぇクリス?明日の事なんだけど?」


「デートに行くんでしょ?」


「え?何言ってるの!男の子同士だよ?デートとは言わないでしょ?」


「フーン?どうだか?マコちゃんはチョロいんだからちょっと優しくされるとホイホイ何処にでも付いて行きそうで、あんまり行かせたくは無いんだけど?」


「チョロいって 何?僕はチョロくないよ!」


「そう思ってるのはマコちゃんだけだからね?」


そんな事は無いと思うんだけど?クリスは一体何を心配してるの?

そんな会話をしながらゆっくり走って来たつもりだったけど、あっと言う間に宿屋に着いてしまった。


久し振りの宿屋、一週間も出掛けていた訳では無いけれどやっと帰って来たって気持ちになる。

スクーターをシュシュに戻して扉を押し開き中に入る。

お客さんは一人もいない、おばさんが厨房から出てきて笑顔で迎えてくれる。


「お帰り、二人とも早かったねぇ、お昼まだだろう?用意してくるから座ってな」


そう言っておばさんは厨房に入って行く、僕とクリスは端の方のテーブルに座る。

程なくして二つのランチが乗ったトレーを持ったおばさんが厨房から出て来て僕たちのテーブルにトレーを置いてクリスの隣にそのまま座った。


「「頂きます」」と言って僕とクリスはランチのスープに手を付ける。

今日のランチメニューだろう献立はチキンカツとエビフライ、添えに野菜サラダ、クロワッサンにコーンポタージュスープ。


スープを一口飲み「ほぅ」と息をつく、久し振りのおじさんの料理になんだかホッとする、なんとなく宿屋のご飯がオフクロの味?になりつつある。

僕とクリスが美味しそうに食べてる様子をおばさんはニコニコしながら見つめる。


「所でエリスは元気にしてたかい?」


「お姉ちゃんは相変わらずだね」


エルリースはおばさんから「エリスって呼ばれてるんだ?「クリス」と「エリス」姉妹だね、なんとなくエルリースの此処での暮らしが想像付かなかったけれど、やっぱり家族なんだね。


「お城の人達に迷惑かけてたりしてなかったかい?」


「「.......」」


僕もクリスも手が止まり、おばさんはその様子にため息を吐く、けれど直ぐにニコリと微笑んで「まぁ、変わり無しって事なんだろうね」そう言って立ち上がり厨房に戻っていった。


食事も終わり、クリスの部屋にアリス制服に着替えに行く、クリスもアリス制服だから一応合わせとかないとね。

着替えて戻ってくると、ギルドのサーニャさんが食堂のテーブルでコーヒーを飲みながら僕を待っていた。


「サーニャさんどうしたんですか?食事ですか?」


「いえ、マコトさんに用がありました、明後日なのですがギルド.....仮設のギルドに朝から来て頂けますか?ドラゴンの褒賞をお渡ししなければいけませんので」


「明後日ですか?行きます!行きます!」


「それで、その日はそのまま、お城に行きますのでエルリース様から渡されてると思うのですが、魔法付与された衣装で来てください」


「え?なんで?」


「冒険者の正装と言う事ですね、お城は王からの呼び出しです、何かお渡しされる物があるとか.......」


「はぁ、とりあえず明後日ギルドに行けば良いんですね?」


「では、明後日、宜しくお願いします」


そう言ってサーニャさんはコーヒー代のコインをテーブルに置いて帰って行った。

褒賞が貰える!やっと洋服や下着が買える!これで女の子の格好ともオサラバだ!そっとクリスに目をやるとなんとも無い風な顔をしてコーヒーを飲んでる。


「マコちゃんも飲む?」


「うん」


クリスは報酬で洋服を買おうとしてる事、気付いてるかな?何にも言わない?それはそれで何か企んでるみたいで怖いんだけど?

お客さんもいないのでのんびりしてるといつのまにかテーブルで居眠りしてたみたい。

此の所、色々あってバタバタしたから疲れてたのかな?

外はもう夕暮れ時そろそろ宿泊や夕食を食べに来るお客さんが来る時間。

そう思っているうちにお客さんがまばらにやって来る、いつもより少ない。


少ないながらも注文を取ったり料理を運んだりしてると宿泊のお客さんでよく見かける若い冒険者のお兄さんが料理を持って行った時に話しかけて来た。


「マコちゃん?昨日、街に来たドラゴンをマコちゃんが倒したんだよね?」


「え?見てたんですか?」


「見ては無いけど知り合いのギルド職員から聞いたんだ、街に戻って来た時にギルドの建物があんな事になってたからね、ドラゴンの死体を引き摺り出すのも手伝わされたし、結構、街中で騒ぎになってるよ、美少女冒険者がドラゴンを倒したって」


「なんですか?美少女?僕、男の子なのに」


「そりゃあ、此処に泊まってる連中は、お風呂事件があったから分かってても、マコちゃんは.......それに、その格好を見てたらね、男の子とは思わないよ似合い過ぎてて」


騒ぎになってるんだ?でも女の子だと思われてるのは嫌だな、早く褒賞を貰ってカッコイイ服を買わなきゃ!あっ!そう言えば明日マーサと会う時の服はどうしよう?


---------------


今日はお客さんも少なかったので賄いも早めに頂き、お風呂も早く入れた、お風呂からクリスの部屋に戻ると先にお風呂から上がってたクリスが丁度魔道具のドライヤーで髪を乾かし終えていた所、そのまま僕の髪を乾かしてくれる。


「ねぇマコちゃん?明日どんな格好で行くつもり?」


「僕、私服はエル様から貰ったのかゴスロリしか無いから、どちらか選べばやっぱりエル様から貰ったのかなぁ?」


「そうだよねぇ」


そう言って僕の髪を乾かし終えたクリスはクローゼットを開ける。

ドライヤーを片付け、そのままクローゼットの中の服をブツブツ言いながら物色して何かを取り出し僕に渡した。


「明日、コレ着て行く?」


渡されたのは、赤のフレアーのキュロットに白のオフショルダーで袖がレースの透かしになってるチェニック。


「え?これキュロット?クリス、こんなの持ってたの?」


「着てみたら?」


クリスに勧められて早速キュロットを穿いてみる、スカートには無い安心感!なんで今までこれをクリスは出してくれなかったの?たとえ女の子物だとしてもスカートより絶大にこっちの方が良いに決まってる。

チェニックまで着て手を広げ、ドヤ顔でクリスに見せる。


「どう?クリス?少しは男の子らしく見える?」


「.......」


無言でクリスは頭を抱える。


「なんでマコちゃんは、どんな服を着ても可愛くなっちゃうのよ?」


「なっ!スカートよりマシでしょう?ついでに髪も短く切っちゃおうか?」


「それはダメ!」


「なんでよ!」


「.......異世界から来たマコちゃんは知らないかもだけど、この世界では髪を切るとバチが当たるよ!」


「.......嘘だ!」


クリスは目を逸らしながら「そう言う決まり事があったような気がする.......」


「.......今、作ったでしょ?無いよね?そんな決まり事?」


「とにかく!ダメなものはダメなの!!」


逆ギレだ!もう寝る前だし髪を切るのは諦めるとして、キュロットがとても嬉しい!こんな事で喜ぶ僕もどうかしてるのかもしれないけれど。


とにかく明日はこの服でマーサに会いに行こう。

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