クリスのキャッスルナイト?(後半)
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前回に引き続きクリス視点です。
「エルリース様、お呼びでしょうか?」
真っ赤なストレートの髪を腰まで伸ばし、スレンダーで背の高い女性がお姉ちゃんの前で跪く、確か歳は私より三つ上だった筈、やって来たのはローザだ。
ローザは五人いる女性ばかりのお姉ちゃんの親衛隊の一人だ、お姉ちゃんの趣味らしい、可愛らしくて揃いの魔術付与がされた真っ白なドレスアーマーを着て腰には全員が国から貸与された魔剣を装備し、お姉ちゃんから剣術と魔法を鍛えられた精鋭揃いの親衛隊。
実力は折り紙付き、だけど
顔を上げたローザと目が合う。
「クリス様!いらしていたのですね!ローザが参りましたよ!!」
そう言って手を伸ばし私に躙り寄ろうとした、その時。
「くぅりしゅ!」
「うぐぅ!」
マコちゃんが背後から弾丸のように抱きついて来た!思わずよろけてマコちゃんに抱きつかれたままローザの目の前まで歩み寄るとローザが目を見開き両手を頬に当てワナワナと震えている。
「こっ、こっ、此方のお嬢様は.......どっ、どちら様?」
マコちゃんは私に抱きついたまま不思議そうに私からローザに視線を移し答える。
「マコトらよぉ、お姉ちゃんは、らあれ?」
「はぅぅ!!」
ローザは突然胸を押さえて身悶えたかと思うとギラリとした視線をマコちゃんに送り、ヨロヨロと立ち上がる。
そこから素早い動作でマコちゃんの腕を掴み引き寄せ、ガバ!と抱きついた!
「はぁん!マコト様ぁ!素晴らしい!素晴らしいです!こんな!こんな愛らしいお嬢様がこの世に存在するなんて!天使!まさに天使!もう、離しません!」
「くふぅ、くしゅぐったいよ」
「何をしているのですか!この変態騎士は!!」
ローザは抱きついたままマコちゃんの首筋に顔を摺り寄せる、慌ててミリアが引き剥がしに掛かるが、いくらスレンダーでも騎士は騎士、全く歯が立たない。
「ん!所であの屍の山は何なのでしょうか?」
ローザはマコちゃんの後ろで屍となった.....死んでは無いけど.....闘いに敗れた者たちの山に気付いたみたい。
「マコちゃんに求婚して戦って負けた人達だよ」
「はぁ?」
ローザはマコちゃんの顔を見て、屍の山を見ると私に顔を向けて私に問いかける。
「クリス様、まさかドラゴンを倒した少女と言うのは.......」
「マコちゃんだよ」
ローザはマジマジとマコちゃんの顔をみた後、お姉ちゃんの方を向き確認するようにオズオズと尋ねる。
「エルリース様?」
「勇者だね、ローザ、悪いんだけどマコちゃんを、お部屋に運んでくれる?」
「畏まりました、失礼します、マコト様」
そう言ってローザはマコちゃんの脹脛と背中に手を添えてそっと持ち上げた、姫抱っこ?!やりたかったシチュ!私にはマコちゃんは持ち上げられないけど。
「クリスとミリアちゃんも一緒に、お部屋に下がっても良いわよ?」
お姉ちゃんがそう言うので遠慮なく下がらせて貰う。
ミリアとマコちゃんを抱っこしたローザと一緒に王様の前まで行く。
「国王様、本日はお招き頂き、ありがとうございました、宴もたけなわではございますが場を辞する事をお許しくださいませ」
「マコト共々、今日は城でゆっくりと休むと良い、ローザ、頼んだぞ」
「「ありがとうございます」」
「お任せ下さい」
ミリアと一緒にカーテシーをし、ローザがマコちゃんを抱っこしたまま、頭を下げた。
マコちゃんは分かっているのか、いないのか?手を振っている、それに対して王も手を振り返す。
そのまま、沢山の貴族達の視線を感じながらザワザワした会場から退出する。
廊下に出てローザを先頭にお姉ちゃんの客室に向かって歩く、分かれ道まで来ると、さも当たり前のように客室とは反対の方へローザは向かおうとする。
「ちょっとローザ!何処に行くつもり?」
「寮の私の自室ですが?何か?」
「何か?じゃあ、無いわよ!マコちゃん連れて行って何しようとしてるのよ!」
「そうですわ!貴方、飛んだ変態騎士ですわね!」
マコちゃんも「はやくぅお部屋いこお」とローザに抱えられ足をブラブラさせながら言うとローザは溜息を吐いて渋々といった風に行き先を変える。
「致し方ありませんね、不本意ですが客室にお連れ致します」
客室はお姉ちゃんの部屋の入り口から入るが部屋の前で二人のメイドが既に待ち構えていた、部屋の扉を開けながら訪ねてくる。
「クリス様、浴室の準備は出来ておりますがどうなさいますか?」
「ありがとうございます、すぐに入りますね」
そのまま客室に入りローザはマコちゃんをベットの上に座らせる。
マコちゃんが先にお風呂に入って欲しい所だけれど、この酔っ払い状態のマコちゃんをどうしようかな?と思っているとローザがマコちゃんの服に手をかけた。
「さあ!マコト様お風呂ですよ、脱ぎぬぎしますよー」
「みんな一緒にお風呂はいるぅ」
「「え!!」」
思わずミリアと顔を見合わせたが、ふと考える、酔っ払ってるし一人で入らせるのは危ないよね?これはしょうがない事よ!ミリアも同じ考えに至ったのか目と目で納得し合う。
ローザはマコちゃんの服を器用に脱がせて下着を脱がせかけて手が止まる。
「クリス様?マコト様の股間に邪悪な物があるのですが?どう言う事でしょうか?」
「どうも、こうも、男の子だもの?」
「マコトは男の子ですよ?貴方は何をおっしゃているの?」
「.....気付きませんでした、コレは切り落としてもよろしいでしょうか?」
「何を馬鹿な事言ってるの?バスタオル巻いてあげて」
ローザは全裸のマコちゃんにバスタオルを巻く、私とミリアも少し恥ずかしい気持ちもあり服を脱ぎバスタオルを体に巻くとローザがドレスアーマーを脱ぎ出した。
「なんでローザまで脱いでるのよ?」
「マコト様をお風呂に入れますので」
「そこまで頼まれてないでしょう?もう戻りなよ?」
「クリス様、お気遣いなく、私がマコト様をお風呂に入れます」
もう、入る気満々で全裸になったローザに溜息を吐きつつ諦めてマコちゃんの背中を押して浴室に入る、お姉ちゃんの部屋の浴室は四人で入っても広い、浴室だけなら家の食堂ぐらいの広さはある、ミリアも「家の浴室より広いですわ」と関心している。
「さあ!マコト様お背中流しましょう!」
洗い場でローザが手で石鹸を泡立てて椅子を用意してマコちゃんを呼ぶ、マコちゃんは相変わらず千鳥足でローザに言われるままに椅子に腰掛けてバスタオルを前で抱えた。
ローザは鼻歌を歌いながら手でマコちゃんの背中を流し始めたので私とミリアも体を洗う。
「では、失礼して前の方を」
「ちょっとローザ!調子に乗らないで!マコちゃん、前は自分で洗って!」
「チッ」
ローザは小さく舌打ちしながら諦めて自分の体を洗い始める。
マコちゃんは自分で体を洗い終わり頭を洗おうとしていたので私が声をかける。
「マコちゃん?頭洗ってあげようか?」
「うん!くりしゅ洗って」
私はマコちゃんの後ろに椅子を持ってきて座り、髪ゴムを外す、結った長い髪はサラサラと簡単に解けた、ツルツルとした感触を楽しみながら髪を洗っていく、マコちゃんは髪を洗われるのが気持ちよかったのか、うつらうつらと船を漕ぎだした、ついでにメイクも落としてあげる。
「ほら、マコちゃん湯船に入ろう?」
「うん」
マコちゃんは目を擦りながら湯船にフラフラと歩いていく。
湯船に浸かってほぅっと息を吐く、マコちゃんはバスタオルを巻いたまま湯船に浸かった自分と私を見て一人納得したように呟いた。
「おんしぇんばんぐみみたいらね」
「おんしぇんばんぐみってなぁに?」
私の疑問に湯船に入ってきたミリアが答える。
「温泉ではないですか?ばんぐみ、が何かは分かりませんが、観光地になってるゼップの街にありますよ、地下から温水が湧き出しているのですよ」
「へー!ミリアは行ったことがあるの?」
「学園に入学する前に一度、兄と行きました、屋外にお風呂があってとても気持ちが良いのですよ」
「ぼくもろてんぶりょいきたいねぇー」
「そうそう!外にあるお風呂の事を露天風呂と呼んでましたわ!マコトは行った事が有るのですか?」
「しょうがっこうのときにいったりよぉ?ミコトもいたりょ?あれ?ミコトいたっけ?アレ?アレ?」
なんだかマコちゃん混乱してる?元いた世界の話かな?「しょうがっこう」って何だろう?あと、ミコト?私が尋ねるのを躊躇しているとミリアはあっさりマコちゃんに尋ねる。
「マコト?しょうがっこうとはなんですの?ミコトとは人の名前ですの?」
「ミコトは幼馴染だりよぉ?みいあも学校行ってるりよぉ〜」
「私が行ってる?学園の事かしら?ん?マコトは学園に通っていたのですか?一体何処の国の?やっぱりマコトは貴族ですの?」
「ぼくは貴族じゃないりょ?おとうしゃんの行ってた学校に行きたくてぇ勉強したにょ!」
「はぁ、そうですか」
ミリアはイマイチ要領を得ないマコちゃんの返事に尋問を諦めたみたい、私は幼馴染と言うミコト?が気になった、男の子なのかな?
「何の話をされているのですか?」
「温泉の話だよ」
体を洗い終えたローザが湯船に浸かる、バスタオルも纏ってないローザは細身なのに一部が大きい、なんか腹立つ、そういえばお姉ちゃんも割と有る方だし私もその内、大きくなるのかな?そんな事を考えながらチラリとマコちゃんの方を見ると頭からお湯の中に浸かってる?プクプクと泡を口から吐きながら。
「え?!マコちゃん!」
「まっマコト?!」
「マコト様?!」。




