表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/84

お姉ちゃん?

ベンチでクリスと手を繋いで見つめ合う。

心臓の鼓動が聞こえて来るくらいドキドキして顔も赤くなる。

クリスもきっと同じ気持ち?どうしよう?女の子とこんな雰囲気になるなんて考えた事も無いよ!緊張しながらどうすれば良いのか頭をぐるぐるさせていたその時。


「クーリースちゃん!!」


「「ひゃ!」」


突然ベンチの後ろから声をかけられ、ビックリしてクリスと手を離す。


「おっおっお姉ちゃん!!」


クリスは叫んだ、お姉ちゃん?振り向くとクリスと似た色の金髪を宝石の付いたシュシュで横に束ねて、何となく高価そうなケープスリーブのブラウスにロングのフレアスカートの女性が立っていた。顔立ちもなんとなくクリスに似ている。

トウコさんと同じくらいの年齢だろうか?姉妹にしては歳が離れてる?その後ろには二人のメイドさんが控えるように立ってる。


叫んだクリスの方に目をやると「シマッタ!」という顔をして目を泳がせている。

女性はクリスと僕を交互に見た後、ニヤリとして言い募る。


「もー!こんな公衆の面前で、マコちゃんとラブラブしちゃってー!良いけどさ!良いけどさ!全然私に逢いに来てくれなくてお姉ちゃん寂しかったのにー!マコちゃんとラブラブするのに忙しかったんだねー?良いけどさ!寂しかったんだよー!あっ!マコちゃんは初めましてだねぇー!私ね!エルリース!エルって呼んでね!お姉ちゃんって呼んでくれても良いよー!もうークリスちゃん!!」


そう言い終わる前にエルリースはガバッとクリスに抱きつく。

クリスは突然の抱擁に白眼をむいて固まった。

エルリースはひとしきりクリスとの抱擁に満足したのかクリスを解放して僕に目を向け、口を開く。


「わぁ!マコちゃん着てくれたんだねー!作った甲斐があったよー!私の見立て通り似合ってるよね!ね!可愛い!可愛い!可愛い!」


作った?えっ.......もしかしてエルリース?エル......様?トウコさんやクリスが口を濁してたエル様って!繋がった!口を濁す理由も察しがつく、面倒くさい!本当に面倒くさい人だよ。


「あの、エル様?」


僕は、あの?エル様と確信して呼びかけ、クリスをチラリと見るとクリスはコクリと頷いた。

やっぱりか!僕をこの格好にしたのはこの人だ!そうと分かって脱力して項垂れる。

そんな僕を同じ様な顔で、表情でクリスとエルリースが同じ方向に小首を傾げる。

姉妹だよ.......間違い無く。


エルリースはそんな僕には御構い無しにクリスと僕の手を掴んで言い募る。


「せっかく来てくれたんだから私の部屋に行こう?ね?ね?」


そう言って強引に引っ張って行こうとするのでクリスは慌てて「お姉ちゃんに逢いに来た訳じゃ無いから!仕事があるから!帰るから!」必死の形相で引かれる手に抗う。


そんなクリスにエルリースは涼しい顔で「そんな寂しい事言わないで、お姉ちゃん泣くよ?それに今、お家暇だよねー?お姉ちゃん知ってるんだから!お父さんとお母さんにはちゃんと連絡してあげるから!」と、全く取り合わない。


僕も乗ってきたスクーターをこんな所には放置出来ないので「ちょ!ちょっと待って!スクーターが!」と指差して叫ぶ。

エルリースは僕が指差したスクーターに興味を持ったみたいで、手を離し立ち止まりスクーターの廻りを廻りながら見回す、そして指差して。


「マコちゃん?コレはなぁに?」


「スクーターって言う乗り物なんですけど......」


「乗り物!ちょっと、どうやって乗るの?見せて!見せて!見せて!」


取り敢えず実演でもしないとうるさそうなので、スクーターに跨って廻りをクルクル三周ぐらい回ってみる。


「こんな感じなんですけど?」


「凄い!凄い!なんで倒れないの?魔力で動くの?どうやって作ったの?」


「倒れないのはコツです、たぶん魔力で動いてます、魔力が流れる感じがするので、後、僕が作った訳じゃ無いです、魔術具店で魔石と交換しました」


「魔術具店ってディアナの所?」


「そうですけど」


「そうなんだ!こんなの隠し持ってたなんて!じゃあマコちゃんはコレ持って行ければ遊べるね?」


そう言ってエルリースは髪を留めていたシュシュを外してスクーターに翳すと吸い込まれる様にスクーターが消えた。


「え?スクーターは?」


「はい、コレあげる!マジックバックの改良型で試しに作ってみたから入るのはこれが限度かなぁ?」


そう言ってエルリースからシュシュを渡された。

マジックバックの機能が付いたシュシュ!しかも今持っているバックより入るみたい!クリスから貰ったバックも手に入らない物だと聞いた、エルリースがきっと作ったんだ!


「良いんですか?貰っても?」


「良いよー!その代わり......」


なんだかエルリースがニヤリと笑い「今日は帰さないよー!」と言いながら抱きついてきた。

エルリースの方が背が高く胸元に顔が来る様な形になり、然も胸が大きい為に埋もれる様になる。


「ちょっと!苦しい!離して!」


必死にもがいているとクリスが「お姉ちゃん辞めて!」と言って僕の腕を引っ張って引き剥がす。


「あっヤキモチー?ゴメンねぇクリスちゃん!」と言いながらエルリースは僕とクリスの腕を掴んで城の方に引っ張って行く。


城の大きな入り口の前には甲冑を付けた騎士が二人立っていて、エルリースに礼をする。

メイドさんも二人付いてくるし偉い人なのかな?小声でクリスの耳元に問いかける。


「ねぇクリス?お姉ちゃんって何者?偉い人?」


「エミーナ国王の第2夫人、一般には公にされてないから周りに言わないでね」


僕は驚きと共に納得もして小さく頷く。

不思議に思ってた、クリスの家はそんなに大きな宿屋では無い、なのにクリスはお小遣いを貰い、洋服を沢山買ってるみたいでクローゼットの中は沢山の洋服が詰まってるし僕も居候させて貰ってる、おじさんとおばさんも別の仕事をしてる風でも無いのに割と裕福そうで宿屋ってそんなに儲かるの?と疑問に思ってた。

第2夫人の実家だから国からお金が出てるかもしれないし、仕送りして貰ってるのかもしれない。


そこでまた疑問が生まれる。

クリスは確かに綺麗な子だ、多分貴族の令嬢とかの中に混ざってても違和感なく、エルリースも姉妹だけあってとても綺麗だ、でもクリスの家は普通の平民の家庭だよね?

僕が疑問を抱いて難しい顔をしてるのを察してかクリスが小声で囁く。


「エミナ様に魔法を教えて貰ったのがお姉ちゃん、それで特待生で学園に通ってる時に現国王に見初められたの、それ以前に国王はアストリアの姫と婚約してたから第2夫人になってるの」


えっ!国で勝てる人がいないって言う魔法使いってエルリースの事なの?勇者と直に会ってるって事だよね?

そんな事を考えていると城の中の様子にふと気付く。

床も壁も大理石だろうか?真っ白な上に天井も高い、スケールの大きさに圧倒されていると、外が見える回廊に出る。

外では芝生の内庭で宮廷騎士だろうか20人程が剣術の稽古をしている。

その内の一人がこちらに走って来る。


「エルリース様お待ち下さい!」


騎士は近くに来てクリスと僕に気付いて軽く会釈をする。

騎士は二十代前半くらいで背も高く細マッチョという印象、結構イケメン?僕のゲームのキャラクターに少し似てる、こんな感じになりたかったな。


「今日はクリストファー様がいらしてたのですね、そちらのお嬢様は?」


エルリースは殊更、面倒そうに騎士に向かって答える。


「マコトちゃん、クリスの友達よ、所で何の用なのアレク?」


「はっ、実は街にドラゴンが現れ冒険者が直ぐに討伐したと報告がありまして......」


「それやったの、この子よ?」


そう言ってエルリースは僕に視線を送る、もう情報が廻ってるんだ!流石第2夫人!エルリースの視線を追ってアレクは怪訝そうな顔を僕に向け再度エルリースに問いかける。


「冒険者は何名いたのかご存知なのですか?一人の冒険者との報告なのですが、間違いですよね?」


「合ってるわ、この子一人よ」


「あの?褒賞に関わるので正確な情報が欲しいのですが?」


そこでクリスが口を開いた。


「信じられないのは分かるけど、本当にマコちゃん一人で倒したんですけど?疑うならギルドのサーニャに聴くと良いよ?その場に居たから」


「.......本当に?サーニャですか?えっとマコト様と仰いましたね?本当にこんなお嬢さんが?冒険者?」


あっ!この人お嬢さんとか言った?ちょっと疑い過ぎじゃない?


「あの?僕男の子なんですけど?」


「は?いやいやなんの冗談を?あっ!申し遅れました私、アレクサーシス・アシュレイと申します、アレクと呼んで頂けると、宮廷騎士団の団長を務めさせて頂いております、所でマコトさんはお付き合いされてる男性はおられるのでしょうか?」


「だから男の子だって!」


「しかしこんな美しいお嬢さんを知らなかったとは!お恥ずかしい」


「だから!」


「こんなお嬢さんと知り合う事が出来るなんて今日は付いてる」


「.......ねぇ?人の話聞いてる?もう、判らないなら実力で示すしか無いよね?勝負しよう!」


「失礼、余りに貴方が美しいので、でも何を怒って.....」


「いいから!」


とことん面倒くさい、それに女の子扱いされるのも腹が立つ!こう言うのは叩きのめして判らせる。

僕は指輪を剣に変え切っ先をアレクに向ける。

アレクは一瞬驚いた表情をしたがヤレヤレという感じで返して来た。


「顔に似合わずお転婆なのですね?そう言う所も可愛らしいですけれど、でも幾ら可愛いからと言って誰も彼も手加減してくれるとは限らないんですよ?宜しいですかエルリース様?」


事の成り行きをポカーンとして見守っていたエルリースとクリスはハッとして口を開く。


「え?負けても知らないよ?」


「試合は構わないけれど、どうなっても知らないわよ?」


「怪我はさせないように気をつけてお相手致しますので、こう言ったお嬢さんには騎士の力強さを教えて差し上げてお付き合いのキッカケに、それにこの中庭なら魔道具で大きな怪我をしないようになっていますし、今の内に少々痛い目を見ないとお嬢さん自身が危険な目に会いかねませんので、さあマコトさんどうぞこちらに」


そう言ってアレクは中庭の中心まで行くと別の騎士が剣を持ってきて渡され、アレクは力を抜いた感じで構える。

僕は相対するように正面に立ち剣を下段に構えるとアレクが声を掛けてくる。


「さっきも言った様に魔道具が有りますので大きな怪我はしませんが当たれば痛いので、僕も気を付けて打ち込みますので思いっきり実力を出し切ってくださいね、いつでもどうぞ」


完全に舐めてるね?潰し甲斐があるよ!こんな試合はゲーム以来だからちょっとワクワクする、さて、大層な事を言ってる騎士団長さんの実力はどんなもんなの?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=84547103&si
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ