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調査1日目?(後半)

布団に潜り込んでひと時もたたない頃、僕がウツラウツラ眠りに落ちようとしてる時、何だか誰かが呼んでるような気がする。

「マコちゃん、マコちゃん」そして肩を揺すられる。

僕は半分寝ぼけながらも調査に来ている事を思い出し、ガバッと布団を跳ね除け起き上がる。

揺すっていたのはルミだったみたい。

ランタンの灯りだけがある薄暗い部屋でトウコさんとアサギさんも起きていて既に皆んな着替えていた。


「ルミさんどうしたの?なにかあった?」


「なんか外が騒がしいんす!魔物が出たのかも」


僕は魔物と聞いて慌ててバルコニーに出る、他の三人も続いて出てくる。

外は真っ暗、月さえも出ていない。


これが日本ならこんな時間でも店は開いていて街灯もある、王都でさえも宿屋の前の大通りは、魔術具の街灯が灯ってる、全く灯りの無い闇夜は生まれて初めての経験。


「こんな中で戦えるの?」


「マコちゃん!あれ、見るっす!」


ルミの指差す方を見ると闇の中、牧草地だろうと思われる辺りに松明だろう灯りがポツポツ揺れていて怒声が聞こえる。


僕は調査の買い物の時に試しに作った光の玉を思い出し、手を空に掲げて光の玉を作って放る。

すると光の玉はぐんぐん空へ登っていき同時に野球のナイター球場のイメージで光を強くするように念じた。


光の玉はパッと光が強まり辺りを一気に照らす。

トウコさんとアサギさんが目を丸くして僕に振り向く。


牧草地の冒険者達の驚いた顔が見えるようになる、魔物はシルバーウルフだ、12頭いる。

ウルフも突然の眩しい灯りに面食らったようで、冒険者達と距離を取り睨み合いの状態になっていた。


近くでガヤガヤと、声がしてきた、光に驚いたのは村人達もだったようで、十数人の若い男性の村人がナタや鎌を持って村長宅前の道に集まりだした。


取り敢えず灯りさえあれば冒険者達は今回の調査の為に選りすぐられたメンバーばかりだ、12頭のウルフぐらいなら任せておいて大丈夫だろうと少し安堵した時、僕の背中に悪寒が走った。


牧草地の先、森の方から何かが飛び出して来た。

黒い塊、大きい!冒険者達と戦っているウルフと比べて倍以上。


「ブラックウルフ?!」


トウコさんアサギさん、ルミも僕の目線の先に目を向ける。


「なんなの黒い!あんなウルフ見たこと無いわよ!」


トウコさんが呟いた、僕だってゲームの時でも一回しか見たことが無いレア魔物、こんな所でまたお目にかかるとは思っても見なかった。


ブラックウルフは冒険者達をヒラリヒラリとかわしながらこちらの方へ走ってくる。

不味い!そう思った瞬間、剣に触れた時に感じた魔力の流れを感じる。

魔力は僕の体の隅々まで行き渡るように浸透していく、直感的に行けると思うと同時にバルコニーの手すりを飛び越えていて、集まる村人達の近くに着地する。

バルコニーからルミが何か叫んでいるけどそれどころじゃ無い。

牧草地の方角を見るとブラックウルフがこちらをめがけて一直線に走って来るのが見える、早い!


村人達は突然飛び降りて来た僕の目線を追って迫り来るブラックウルフを見つけ逃げ惑い始めた。

そんな村人とウルフの間に立つように移動しながら「アイスランス」と唱え氷の槍をウルフに向けて飛ばす、避けた!ウルフはステップを踏むように横に飛んで槍を回避した。

そして足を止めて僕を睨み低い唸り声を上げる。


睨み合い、しかし牧草地の方から冒険者が数人走って来るのが見えた。

ブラックウルフは僕が一瞬視線を逸らしたのを見逃さなかった。牙を剥き一気に僕に襲いかかる!


一瞬の判断だった。


僕は魔法を、と思ったがゲーム中にブラックウルフに魔法が効かなかった事を思い出し、左手に指輪を剣に変えて握り込む。

もう目の前まで迫るブラックウルフの牙を避けながら剣を横薙ぎに振り抜く!


ガチ!ブラックウルフの肉を断つような感触は全く無い、切っ先が魔石に当たった感触だけがしてウルフは解けるように消えていく、後には真っ二つに割れた黒い大きな魔石が落ちていた。


ふぅ.....と息を吐き剣を指輪に戻すと、走ってきた冒険者が足を止めて僕をジッと見てる。

何人かは、顔を赤くして視線を逸らした、村人達も同じ反応.....何?


ルミが手にタオルケットらしき布切れを持って走って来るのが見える。

恐る恐る自分の格好を見た。


「にゃあーーーーーーー!!!」


僕は変な叫びを上げながら膝を抱えるようにしゃがみ込む。

下着のままだった!着替えずにバルコニー飛び降りて来てた!おまけに裸足.......


「見ないで!恥ずかしいから!!あっち向いてて!!!」


「マコちゃん!何やってんすか!痴女っすか!」


ルミにそう言われて益々恥ずかしくなり小さく丸くなる。

ルミはタオルケットを頭から被せてくれた、僕は慌てて体に巻きつけるようにして体を隠す。


周りは顔を赤くしながらもチラチラ見てる。

そうしてる内にダームさんがこちらにやって来た、向こうのウルフも片付いたようだ。


ダームさんは集まった人たちを見て、僕を見て何か察したみたい。

一度ため息を吐いて「終わりだ終わり!散れ散れ!」と言って解散させる。

僕とルミも部屋に戻る。


部屋で引き攣った笑顔のトウコさんに清浄魔法をかけてもらい綺麗にしてもらってベットに潜り込んだ。


その夜は恥ずかしさのあまり悶々として眠れなかった。

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