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〜閑話〜トウコとアサギとエルリース?

私はトウコ、アサギとは共に筆頭宮廷魔道士として宮廷魔術師の指導や魔術の研究をしながら城に勤めているわ。


時々.....いえ、よく市井に降りて冒険者達から情報を集めているのだけれどやはり宿屋の『雅』に通っている有力な冒険者達の情報が一番信頼出来るわね。

だから『雅』にはよく通うの、決して食事が美味しいからでは無いのよ。


そしてなにより最近通わなければ行けなくなった理由の多くは突然現れたあの子、マコト、アサギが言うには膨大な魔力を隠してる、て言うのだけれどそうは見え無いわ。


魔力感知に優れたアサギが言うのだから間違いないのでしょうけれど。

クリスが魔法でウルフを倒したとも言っていたし。

素性を探っても全く過去が出てこない、本当に突然現れたとしか言いようが無い。

それにあの容姿、他国のお姫様と言われた方が納得してしまう。

あの容姿で男性を篭絡させて情報を得る、他国の間諜かもと疑ってもみたけれど、今の所そんな素振りも見せ無いし、油断を誘ってるのかも知れない。


今日は城に大事な.....面倒な用事が有ってアサギと城に来ているのだけれど。


「あらー!トウコとアサギじゃない!こんな時間に城にいるなんて!どうしたの?」


「「エルリース様!!」」


小走りでやって来たのは透き通る様な金髪で美しい見た目の今日の用事の相手、エルリースだ。


「もうーエルって呼んでよ!昔からの友達なのに!」


「いえ、そうお呼びする訳には.....それに今日はお願いがありまして」


「もう!私の部屋に行こう?堅苦しいもの!」


私たちはエルリースの私室に腕を掴まれ引きずって行かれた。

扉を閉めてエルリースは「此処ならいいでしょ!」と言ってソファーに座る様に促す。


私とアサギは同じ村の出身で、その村は多くの有力な魔術師を輩出している事で有名だった、その中にあっても私達二人の魔力は幼い頃から絶大で、将来を有望視されていた。

エミーナ学園に特待生として迎えられるのも当然、この国に、いやこの世界に私達に敵うものはいない、学園も首席で卒業する、そう思っていた。


「貴方に出会うまではね.....」


「なあに?なんの話し?」


「なんでもない.....」


エルリースは紅茶を淹れ、私達の前に運んできて、今度は自分の分の紅茶を取りに行く、そして自分のカップを持ったままチェアーに腰掛ける、その様子を見てアサギが口を開いた。


「行儀が悪い」


「いいでしょ!」


「要領も悪い」


「もう!アサギはうるさい!で、お願いってなんなの?」


アサギの小言から抜け出そうと私に助けを求めている事は分かっている。

学園に通ってた時と何一つ変わってない。

私はエルリースへのお願い事を切り出す。


「お願いはクリスからなの.....」


「えー!クリスのお願いなんて、珍しいわねー!なんでも聞いちゃう!なになに?」


「マジックバックが欲しいんですって」


「.....それってプレゼント?」


「なんでそう思うの?」


「だってー私見ちゃったもん!エミカで!あの子でしょ!噂のマコちゃん!もークリスとスッゴイ、ラブい感じだった!」


「あんた、また行ったの?」


「いいでしょ!隠蔽魔法使ってたし!第一私がオーナーだよ!」


「代理がいるから行かなくてもいいでしょ?それに報告だとケーキに夢中だったって、どこにラブい要素あったのよ?」


「あの二人はラブい」


私は否定したのにアサギから肯定された、アサギにもあの二人はラブラブに見えてるのかしら?

私には、一方的にクリスがマコトを弄ってる様にしか見えないのだけど。

エルリースはアサギの意見に乗って、更に変なフィルターがかかってる様なことを言う。


「トウコ!それにね!時々見つめ合ったりとかしてるのよ〜あっ!バックはお揃いの物にしなくちゃね!それとマコちゃんにあの衣装!絶対に着て貰えるようにしてよ!」


「貴方本当に着せるの?私、恨まれそうなんだけど」


「絶対着せて!誰も着てくれないし、マコちゃんしか似合う人いないから!絶対!」


最近頭を痛めていた問題だ、なんとか着せる方向に事態は動いてはいるけれど、マコトから恨まれる未来しか見えない。

そんな事を考えているとエルリースは恋する乙女の様に目を潤ませ、ほぅと溜息を吐いて呟く。


「運命の出会いよね、クリスは運命の出会いを果たしたのよ!」


「なぁに?エミナ様の話し?勇者様と同じ名前なんて胡散臭いと思うんだけど」


「なによ!私のお師匠様を馬鹿にしないで!」


「人と人の出会いは運命、此処に私が立っている事さえも全てが決められた事、だっけ?」


「私は信じてるわ!そして私が出会ったのも本物の勇者様だったって事も!」


そんな訳はない、勇者様なんて神話の話だ。

そんな事を考えながら私は紅茶に手を付けた。

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