出発!魔物調査?
朝起きてみると外は快晴、魔物調査日和?
早速メイド服に着替え食堂に行く、朝食を食べてモーニングの準備をしていると冒険者達が降りて来る。
いつもより冒険者の装備や荷物が多い、調査に行く人達だろうね。
モーニングセットを配膳している途中何人かの冒険者から声をかけられた。
「マコちゃん今日、同行するの?」「俺が魔物仕留める所よく見ててよ!」「マコちゃんは俺が守るから」「いや!俺が守る!」「俺と付き合って!」
一人変なのが混じってたけどスルーして「足手纏いにはならないように頑張ります!」と言っておいた。
冒険者達が出かけて行き入れ替わりにトウコさんとアサギさんが入って来た。
トウコさんが僕に紙袋を渡して「私たちモーニング食べてるから着替えて来て、一式入ってるから」と言うので紙袋を持って部屋へ行き紙袋から中身を取り出す。
「!..........」
言葉にならない。
入っていたのは、魔法少女?日曜の朝からテレビでやってた女児向けアニメの主人公が着てたようなリボン沢山、パニエが付いた短いスカートのピンクメインに白色が入った衣装。
ピンクで羽飾りの付いたショートブーツ、白のニーソとリボンと宝石のあしらわれたブレスレット、アンクレット、チョーカー。
愕然としながらも時間が無いので着替える、付属品も全て付けた。
昨日の夜クリスが用意した下着がベアトップと脚口をリボンで縛れるドロワーズだった理由が今にして分かった。
しかもクリスから貰ったバックを下げると衣装にバックが妙に似合ってる、クリスはこの事知ってたの?昨日の温かい気持ちが色褪せる。
あまりの事に眩暈を覚えながらフラフラと食堂に行くと。
「「可愛い!!」」「似合う」クリスとトウコさんは目をキラキラさせて、アサギさんは拍手をしている。
トウコさんは一通り僕の装備を見回しウンウン頷きながら言った。
「ちゃんと全部装備してるね、全部装備しないと魔法付与効かないからね!」
「魔法付与?」
「物理、魔法攻撃防御、状態異常キャンセル、運動能力強化、魔力回復促進、かなりチートアイテムだからね!」
「え!なんで、そんなチートアイテム誰も使わないんですか?」
トウコさんはツィーと視線を逸らし「着れる人がいなかった.....」と呟いた。
「着れるでしょ?サイズ合う人ぐらいいるでしょう?!」
「いや!そのデザイン無理.....マコちゃんは似合けど.....少なくとも私は無理!」
「無理って.....そんなの僕に着せるの?」
「「マコちゃんは良いの!可愛いから!」」
何故かクリスまで拳を握って力説する、トウコさんはクリスに「髪やってあげて」と言いクリスは髪ゴムとブラシを持ってきて僕の髪をサイドテールに仕上げ、リボンの付いた髪留めで留める、トウコさんは「因みにその髪留め、オートヒール付与されてるから」と僕に言った。
宿の扉近くにある姿見の前に立ってみる、どっからどう見ても魔法少女。
正直言って可愛い.....かもしれない、僕が男の子じゃ無かったら..........
「.....行かない.....」
「「「ん?」」」
「もう調査行かない!!!こんな格好で行ける訳ない!!!」
クリスとトウコさんは慌ててオロオロしている。
そんな中アサギさんは他の二人と違って落ち着いている、何時もの口調で呟いた。
「行かないのは困る、エル様に怒られる」
トウコさんは慌ててアサギさんの口を抑え誤魔化すように言葉を並べる。
「マコちゃん!そんな事言わないで!!それチートだから!行かないと困るから!!本当お願い!そっそうだ!お給料!お給料上乗せして貰うから!!」
ピクリ!お給料上乗せに思わず反応してしまった。
その事に気付いたトウコさんはニヤリとして僕の肩に手をかけてさっきとは別人の余裕の表情で「行かないとお給料出ないけどいいのかな?お洋服買いたいんだよね?」凄く悪い顔をして言う。
「う.....」
僕は返す言葉がない、項垂れながらトウコさんとクリスに手を引かれ重い足取りで集合場所の城門前の広場に向かう。
クリスは見送りに城門まで行くんだって。
城門前には30名程の冒険者達が偉いっぽい人から説明を受けていた。
男性ばかりの中、一番後ろで一人だけ高校生ぐらい?僕より少し年上な感じの金髪の綺麗な女性がいた。
金髪と言ってもクリスみたいに透き通る様な金髪ではなく茶色に近いウエーブがかった金髪。
赤と白の所々十字架の意匠が施された衣装、スリットが深く入ったロングスカート、所々に百合の花が刺繍されている。
持っているのは大きな魔石の付いた複雑な意匠の杖、なんとなく聖女!と言った佇まい。
「クレリック?」
僕が呟くとトウコさんが説明してくれた。
「あの子ね?ルミエールって言ってね、今回教会から派遣されて来たプリーストね、パーティの回復役だから私達と同じ後方支援になるわね」
説明を聞いている内にルミエールはこっちに気付いたみたいで僕たちの方に小走りで走り寄ってきた。
「チョリーす!トウコさん、アサギさん!そのコがマコちゃんっすか!うわっ可愛さパネエっす!あっウチの事ルミって呼んで欲しいっす!マコちゃんよろしくっす!」
えっ?!見た目と口調!合って無いんだけど!え!聖女は?え!ヤンキー?
僕があまりの衝撃に固まってるとルミは更に言い募る。
「トウコさん!聞いて下さいっす!うちのビショプ酷でーんすよ!ギリギリになって代わりに行くとか言い出して、ウチに行かせると教会の恥だ!とか言うんすよ!アッタマきたんで十字架に縛り付けて来たんすよ!教会で面倒い修行とかやってるよりこっちの方が良いっつってんのに!頭固いんすよ!」
ちょっと待って?何してんの、この人?仮にも聖職者だよね?縛り付けて、てビショップってプリーストの上級職じゃ無かったっけ?上司縛り付けたらマズイでしょ?
ルミは話足りないのか、色々な事に衝撃を受けて固まったままの僕をターゲットにして喋り続ける。
「それにしてもマコちゃん!チョー可愛いっす!なんすか!お人形っすか?顔ちっちぇー!睫毛長いっすね!もう!天使っすか?流石この衣装を絶対着せろってエルさま...ムグゥ」
慌ててアサギさんがルミの口を塞ぐ、さっきもアサギさんはエル様って言ってた!何者?
「..........エル様って誰?!」
そう聞いた瞬間、ルミ、トウコさん、アサギさん、クリスまでもが目をそらし無言になった。
無言になった一人一人の目を見回して行くと更に目は泳ぎ出す。
クリスも知ってるの?.....後で、一番口を割りそうなルミを問い詰める!
「あっ!出発だよ!そろそろ行こうか!」
トウコさんが話を逸らすつもりか慌てて言い募る、みると冒険者達は話も終わって門の方へ移動を始めていた。
早速移動しようと歩き始める僕にクリスが走り寄ってきて腕を掴み僕の頬に軽くキスをした。
「おまじない.....」
僕は顔が赤くなるのを感じる、クリスも赤くなってる、トウコさんアサギさんはニヤニヤしてる、他の冒険者達も足を止めてこっちを見入っている。
ルミは顔を赤くして「美少女同士の百合百合は絵になるっすね」と呟く。
僕はクリスに「大丈夫だよ!」と言って、恥ずかしさを振り払う様に冒険者達に「行きますよ!!」と言って歩き出す。
門を出る時いつもの衛兵に「マコちゃん気を付けて」と言われた。
クリスも衛兵の横に並んで「行ってらっしゃい」と言って他の衛兵達と一緒に手を振る。
冒険者やアサギさんトウコさんルミも歩きながら手を振って答える。
僕は「言ってきます!」と言って手を振った。




