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出発前夜?

宿屋に戻ると店の前には立派な馬車が止まっていて、その横にはカロンさんがいた。

僕達を見つけたカロンさんは慌てた様子でミリアに呼びかける。


「お嬢様!旦那様と奥様がお戻りになりますので急いでくださいませ!」


それを聞いてミリアは慌ててクリスの部屋へ行きメイド服からワンピースに着替えて荷物を持って出てきた。

馬車に乗り込む直前ミリアは、僕とクリスに振り向いて遠慮気味に言う。


「私、とても楽しかったです、また.....また遊んで頂けますか?」


クリスはニヤリと笑って。


「あんたが帰るとまたマコちゃんと二人だけでラブラブして過ごすから来なくて良いよ!」


「な!そんな事は許しません!絶対にまた来ます!」


ミリアの寂しそうな雰囲気も何処かに飛んで「絶対にまた泊まります!」と言って馬車に乗り込んだ、僕はクリスとラブラブしてるつもりは全く無いのだけどミリアは笑顔になったから別に良いのかな?

そして走り出した馬車にクリスと二人で「ミリアまたね!」と言って手を振って見送る。

馬車の窓を開け、ミリアは見えなくなるまで手を振っていた。


その日の夕食時、食事に来たトウコさん達にクリスは何か話しかけていたみたいだったけれど、丁度他のお客さんの注文を聞いていた所で、その時の話の内容を夜寝る前にクリスに聞くと、防具を出発の朝にトウコさんが持ってきてくれるのでそれから一緒に行こう、と言ってたそう。


そうなんだ?でも結構長く話してたみたいだけどそれだけなのかな?

そんな事を考えて眠りについた後から外は小雨が降り出した。


雨が降ると冒険者達は出かけない、必然的にお昼も宿泊客が居るので1日中宿の手伝いをする事になる。

雨は三日続いた、シトシトと大降りでは無いのだけど明日は出発の日、雨止むのかな?


そう思ってた夕食時雨は小降りになってきた、トウコさん達が食事に来てクリスに何か紙袋を渡していた。

そして僕を見つけてトウコさんが言った。


「あっマコちゃん!明日、朝から宜しくね!防具、朝から持って来るからね!そしたら一緒に行こうね!」


「トウコさん、アサギさん宜しくお願いします!雨が降ってても決行ですか?」


「そうだけど、今晩中に止むと思うよ」


そう言ってテーブルに付き食事を注文する。


------------------


お風呂から上がり部屋に戻るとベッドの上で先にお風呂から上がったクリスがミリアから貰ったドライヤーで髪を乾かしていたが丁度終わった所だったみたい、僕の髪を乾かしてくれる。

クリスは僕の髪を乾かしながら聞いてきた。


「マコちゃん、明日出発だね、気を付けてね、トウコ達の近くから離れちゃダメだよ?」


「クリス心配性だね!大丈夫だよ剣も手に入れたし!」


「剣はダメだよ!魔物の近くに近づくと危ないじゃん!」


「じゃあ魔法で倒す!」


そんな会話をしている内に僕の髪も乾いてクリスが「終わったよ!」と言ってドライヤーを片付ける為にクローゼットを開けてゴソゴソしてる、そして紙袋を取り出した。

夕方トウコさんからクリスが受け取っていた物だ。

それを僕に渡してクリスは言った。


「マコちゃんこれ私からのプレゼント!御守りだと思って持って行って!」


僕は紙袋を開けてみる、中に入っていたのはクリスが持っているのとお揃いの、可愛らしいマジックバックだった。

ミリアが製作者も不明でツテが無いと手に入らないと言ってた。

凄いレア物の筈だ。


「嬉しい!クリスありがとう!」僕は思わずクリスに抱きついた。

クリスは珍しく照れた顔をして言う。


「御守りだから、ちゃんと無事に帰って来てね!危ない事はしないように!」


「うん!ちゃんと帰って来るよ!ありがとうクリス!所でクリスはこれを作ってる人って知ってるの?」


「知ってはいるけど.....内緒!それとバックに中身も詰めておいたから準備は出来てるよ」


クリスは準備までしてくれていたんだ、きっとクリスはいい奥さんになるんだろうな。

その夜クリスは手を繋いで寝たいと言ったので手を繋いで眠る少し恥ずかしかったけれどクリスの手は温かくてなんだか心の中もほんわり温かい気持ちで眠りにつく。

眠りについた後、外の雨は完全に上がっていた。

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