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ミリア来襲?

取り敢えずトウコさんとアサギさんとの話が終わって、二人からランチセットの注文を受けた。

料理が出来上がったので運ぼうとすると四人分?


おばさんが、他にお客さんが殆どいないからトウコさん達と一緒に食べなさい、と用意してくれた。

お言葉に甘えて、トウコさん達に断りを入れ、一緒に6人掛けのテーブルで昼食にする。


今日のランチセットは、チキンのハーブ焼きサンドとフライドポテト、コーンスープとサラダにフルーツのミニ盛りとコーヒーのセット。


おじさんの料理はいつも美味しい。


調査に付いて行くことが決まったので、食べながらトウコさんに必要な物を尋ねる。

トウコさんはあれとそれと、と必要な物を数え挙げていく。

クリスはちょっと待って、と言って厨房からメモを取ってきてメモしてくれる。

洋服の事になると変になるけど、クリスはそういう所は気が効く。

そんなことを感心しながら聞いてると、結構色々買わなければいけない事に気付いた。


「お金足りるかな?お給料いつ貰えるのかクリスわかる?」


「結構良い額だったから充分足りると思うよ?それにすぐ用意するみたいにミリアが言ってたから、明日辺りカロンさんが持ってくるんじゃ無い?制服も返してもらわなきゃだし」


「そうなんだ?お給料出たら一緒に買い物ついて来てくれる?」


「良いよ!じゃあ二人で買い物デートだね」


クリスとそんな事を話していると宿の入り口からお客さんが入ってきた、ん?客?

入り口に立ってたのは不敵な笑みを浮かべたミリアだった。


「ミリア!どうしたの?」


「あんた!何しに来たのよ!」


僕とクリスの問い掛けが被った、クリスはなんだか苦虫を噛み潰したような表情をしている、ミリアはそんなクリスに向かって口を開く。


「何しに、とは失礼ね.....忘れ物を届けに来たのだけれど?」


「何よ!お貴族様は、そんな事の為にわざわざこんな庶民の生活の場まで出向かない物じゃないの?カロンさんでも寄越せば良かったじゃ無い!」


険悪な雰囲気の中それを気にもしない様子でトウコさんがミリアに声をかけた。


「ミリアちゃん、お久しぶりね?」


「お姉様!なぜお姉様がこちらに?」


「私達は美味しいから、食事によく此処来るのよね」


そう言われてミリアは、テーブルをチラッと見て無言で、さも当たり前のように空いている僕の隣、クリスの反対側の席に座りクリスに向かって、さっと手を軽く挙げて言う。


「メイドさん!私にもみなさんと同じ物を!」


「メイドはあんたの隣にもいるんだけど!だいたい、あんたに出すメニューは無いから!」


「クリス.....そんな意地悪言わないの、僕が行くよ」


そう言って僕は席を立って厨房に行き、おじさんにランチ1つ追加です、と言ってトーレを用意しスープを粧う、作って並べてあったサラダとフルーツをトレーに乗せサーバーからコーヒーを注いでいると、おじさんが出来立てのサンドとポテトの乗った皿をトレーに乗せてくれた。


トレーを持って席に戻りミリアの前にどうぞ、と言ってトレーを置いた。

ミリアはありがとうございますと言ってスープに手をつける。

そのミリアの様子をクリスは憮然とした様子で見ていたが、ふっと僕の方を見て言った。


「マコちゃん、そいつに優しくしたらダメ!ヤバイやつなんだから!」


それを聞いたミリアはスープを一口飲み、ほぉ、っと息を吐き顔を動かす事もなくクリスに答えた。


「ヤバイのはそちらでは?この破廉恥娘は何をおっしゃるのかしら?」


「何ですって!」


「僕は、どっちもヤバイと思うけど.....」


僕がぽろっと口走ると振り向いた二人の視線が痛い。


ちょうど食事を終えたお客さんが帰ろうとしていたので、僕はその視線から逃げるように会計の為席を立つ、会計してお客さんを見送ると食堂の中は僕達だけになった。

僕は席に戻り食事を再開した。


トウコさんは、お客さんが居なくなったのを見計らったようにミリアに問いかける。


「ミリアちゃん.....学園、休校になったんでしょ?」


「お姉様どうしてそれを?休校の理由は説明されなかったのですけれども」


「魔物の調査があるのは聞いてるわよね?」


「ええ、お父様から聞いておりますが」


トウコさんは一度、僕達三人を見て少し声を潜めて話し出した。


「此処からの話は他言無用でお願いね、王城関係者と一部の冒険者しか知らない話だから」


そう言って話し始めた話は、最近の魔物の増加で王城での対策会議が行われていた。


最初はすぐに収まるであろうと思われていたのが、一向に収まる気配もなく寧ろ増加傾向にあると言う。

しかも最近になって、数名の冒険者がワイバーンを見たとの報告があったと言う。


その報告を受けての今回の冒険者による調査となったのだが、本当にワイバーンがいたとした場合、冒険者の中には有力な魔法使いがいない為に撤退を余儀なくされる。


ワイバーンに対抗出来る措置として、また王都の防衛として宮廷魔法使いと学園に教師として派遣されている魔法使いが王城に待機するとの事。


「それで急に休校になったのですね、学園に戻る前に知らせが来て驚きましたもの」


「一般に伝わるとパニックになると困るから宜しくね、マコちゃんは調査の時に他の冒険者にも話さないように」


「マコトも調査に行くのですか?」


ミリアが聞いてくるのでトウコさんに誘われた話をミリアにしながら考えていた。


ワイバーン?そんなに大事なの?竜種とはいえ劣化版、魔法が使えないと飛んでいる時は手が出せないから魔法は必須だけど、僕は魔法を使えるし、トウコさん達も魔法使いだし撃ち落とせば良いだけ。

まあ一般の人は戦う術が無いから守らなきゃ、という事?


そんな話をしながら食事も終わり、ミリアからアリス制服を返してもらい、一緒にお給料も貰った。


「クリス明日お買い物行けるよ!」


「良かったね私も服でも見ようかな?ところでミリアは、これで用事も終わりね!バイバイ!」


そう言ってクリスは、ミリアを追い出しにかかるが、ミリアは何か言いたそうにモジモジしている、その様子を見てクリスは痺れを切らしたようにミリアに舌打ちすると。


「何なの?まだ何かあるの?」


「あの、お手伝いします」


「はぁ?何を?何も手伝ってもらう事無いんだけど?」


「とっ.....泊まらせてください」


「部屋空いてないわよ?何言ってんの?」


ミリアは泣きそうな顔で両手でスカートの前をキュッと握りしめて絞り出すように声を出す。


「お願いクリス、お手伝い、なんでもするから、クリスの部屋に泊まらせて」


「そんな三人も眠れないよ?あんたの家じゃ無いんだから!」


ミリアは俯いてしまった、それでも小さな声でクリスお願い、と繰り返す。


居た堪れない気持ちで僕も、トウコさんもアサギさんもクリスをジッと見つめる。

クリスはその視線を受け、一瞬、後ろめたさの篭ったような表情をして視線を逸らしたが、再度ミリアに向き直る。


「わかったわよ!泊まらせれば良いんでしょう!」


「クリスありがとう!お手伝い頑張るから!」


ミリアは満面の笑みで胸の前で指を組みクリスにお礼を言う。

クリスはミリアから視線を外して舌打ちした。


「今回だけだからね!絶対よ!」


「何とか纏まったみたいだし私達は帰るわ」


やれやれと言うふうにトウコさんはアサギさんと立ち上がる。

お会計をしにクリスはトウコさん達について行く。

僕は、何がミリアをこんな必至にさせたのかが分からず、かける言葉を探す。

出てきたのはありきたりな言葉だけ。


「よっ良かったねミリア」


ミリアは笑顔で無言のまま頷いた。

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