魔物調査?
朝、起きて今日もクリスからメイド服に着替えさせられた。
アリス制服は、ミリアの家に置いたままだから。
朝ごはんを食べて、起きて来た宿泊客達の朝食の配膳を始める。
そしてお客さん達を送り出したらまったりコーヒータイム。
今日は、おばさんから昨日帰りが遅かったバツとして一日中宿の手伝いをする事を命じられた。
クリスは宿の仕事は朝夕の食堂の手伝いしかしていない。
他の仕事は殆どおばさんがやっている、おばさん曰く「あんたがやると余計に時間がかかるから外にいて貰った方が良い」なんだって。
でも、僕にだけコソッと、おばさんが教えてくれたのは、外に出て良い男を見つけて貰う為なんだとか、おじさんとクリスには内緒!と言ってた。
クリス甘やかされてるな。
前の世界で僕は、お母さんがいなかった事もあって小学校までは家政婦のおばあちゃんが家に来てた、中学からは家の事は大体自分でやってた。
引き篭もってたから時間は沢山有ったしね。
しばらくマッタリしてから、おばさんの代わりに宿泊室のベットメイキングや掃除、洗濯。
普段おばさん一人でやっている事なので僕とクリスの二人でやると早く終わってしまった。
取り敢えずやる事も無いので食堂のテーブルで二人でコップ磨きをする。
そうこうしている内にお昼時、昼食を食べに数人のお客さんが入ってきた。
この国ではお昼はお弁当や働き先で出される賄いで済ませる人が殆どで何時もお昼の客は数えるほどしか居ない。
おばさん一人でも賄えるけれど今日は僕たちがいるのでおばさんはのんびりしてる。
クリスが注文を取り、僕が料理を運んでいると見知った顔が入ってきた。
魔法使いのトウコさんアサギさんだ。
二人は夕食を食べには来ているがお昼に来るのは珍しい。
クリスが早速注文を取りに行き話し始める、僕も手持ち無沙汰なので話に加わった。
「二人がお昼に来るの珍しいね、どうしたの?」
「クリスとマコちゃんこそ何で昼にいるの?」
「私達は昨日仕事に遅れたバツね、昨日は来てないでしょう?」
「昨日は城に行ってたのよね、貴方達、今日の格好も可愛いわね、新作?」
そう魔法使いの二人に聞かれ、イスドール家に行ってメイド服を手に入れた経緯にそれに伴う大剣の事を話した。
「へー!イスドールの剣そんな事になってたんだ!マコちゃん指輪見せて!」
言われて左手を見せるとトウコさんが僕の手を取りまじまじと指輪を見てるとアサギさんとクリスも身を乗り出して指輪を見つめる、アサギさんがポロっと呟いた。
「大剣と同じ魔力をまとっている.....」
「え?魔力わかるんですか?」
「これだけの魔力を纏っていれば魔力適性の低い者でも分かると思う、マコトは魔法を使えるよね?」
アサギさんの問いに答えられない、魔法は使えても魔力は見えない。
実際、魔力の存在を感じたのは剣に魔力を吸われたあの時が始めてだ。
答えられない僕をアサギさんは訝しそうに見つめるがクリスがこの緊張状態をぶった切る。
「私もみえないよーそんなの見えるの?真っ赤に燃える炎的な?」
トウコさんはクリスの間の抜けた答えに笑いながら答える。
「炎とは違うけど光がほんわり纏ってるって言うか、それと同じものをイスドールの剣にも纏ってたのね」
「トウコはイスドールの剣を見た事あるの?玄関の?」
「見たって言うかギルドの依頼で行ったのよイスドール家」
「ん?依頼で行ったってトウコさん達は、宮廷魔道士という事ですか?」
確かミリアがギルドに依頼して宮廷魔道士を呼んだと言っていた。
「そんな、おっぱい魔人が宮廷魔道士の訳無いじゃん」
「クリス!あんたね.....あっ僻んでるんだ?そうか?まだまだだもんねー」
トウコさんがクリスを弄りだし、クリスが反論する横でアサギさんが教えてくれた。
「私達は宮廷魔道士」
「へー二人とも凄いんですね、そういえばさっき城に行ってたって言ってましたよね?」
「凄く無い、会議があった、マコトの方が凄い、剣、封印が施されてた」
「封印?刺さっていただけじゃ無いんですか?」
「刺さっていただけなら力で抜ける、マコトは元の持ち主の血縁者?」
血縁者と言われてもそれは絶対にあり得ない、だって僕は異世界人だから。
この世界の人と血縁が有る訳が無い。
「そんな事は無いと思いますけど、どうして血縁者なんですか?」
「封印した本人の血縁者が封印に認証を受けることが稀にあるから」
急に僕とアサギさんが話してる横でクリスとヤイヤイ言っていたトウコさんが思い出したようにおばさんに声をかける。
「女将さーん!来週から一週間ぐらい宿暇になりますよ!」
それを聞いたおばさんがテーブルにやって来てトウコさんに尋ねる。
「何だい、トウコちゃん?暇って冒険者連中になにかあるのかい?今魔物が多くて繁盛してるんだけど」
「その増えてる事でね、城で会議が有ったのよ、有力な冒険者を集めて調査をする事になったの」
「それで家に泊まってる連中が駆り出されるって訳ね、まあ暫く忙しかったからやっと骨休め出来るかしらね、食材の注文を変えないとね、トウコちゃんありがとね教えてくれて」
そう言っておばさんは厨房に入って言った。
魔物調査か、行ってみたいな宿も暇になるみたいだしそれに国からの依頼みたいだし、お給料結構出るかも。
「あの、トウコさんその調査ってお給料出るんですか?」
「出るわよー国の仕事だから私達は特別出る訳じゃ無いけど、冒険者は結構歩合は良いみたいよ、何?マコちゃん行きたいの?」
「マコちゃんダメだよ!危ないよ!」
クリスが反対するが、そう来る事は分かっていたので対策してある。
「お給料出たら可愛い洋服買おうと思って」
どう?クリス!僕も流石に分かってきたよ、これなら反対しないでしょう?
と、思っていたがクリスの方が一枚上手だった。
「騙されないよ!どうせ可愛い男物の洋服ーとか考えてるんでしょ?マコちゃん甘いよ、それに防具無いよね?無理だよね?他にも野営したりする道具がいるから色々いるよ?」
「道具はミリアからのお給料で買えると思うし防具も」
「マコちゃんそんなに防具安くないからね?」
そこにトウコさんが割って入ってきた、なんかクリスにウインクした?
「防具だったら私が今回は用意してあげるよ城に使ってないのがあったよ!」
アサギさんがトウコさんを見て「あれか?あれなら貸し出せるな」と呟く。
何故かクリスも態度を変えてきた。
「しょうがないなートウコもアサギも行くんでしょ?なら危なく無いだろうし行って来ても良いよ!宿も暇になるしね」
「まあ私達も、剣の封印を解いたマコちゃんの実力を見てみたいし、確かシルバーウルフも倒したんだっけ?危なくなれば私達が守るし任せといて!」
「ありがとうクリス!トウコさんアサギさん宜しくお願いします!」
とは言った物のなんか引っかかる、クリスがすんなり許すなんて、モヤモヤとはするけど、このチャンス!貧乏脱出の一歩に頑張ろう!いつまでもクリスの良いようにはさせないから!




