その14 ふっ、藤原の事をどう思ってるかって?そ、それ今答えなきゃだめか…?by風見
くっだらない話に付き合ってくれてありがとうって思ったりして。はぁ…書かなきゃ書かなきゃとは思うんだけどねぇ…。
風見と藤原は結局昨日資料館にいけなかったので、二人で資料館に籠もっていた。
Turn "Narrator"
「…これは…」
秘密裏に行われている人体実験…。
人間の新たなる進化のためというが、実質はただの生体兵器の開発…。
「結局そういうことか…予想どおりといえば予想どおりだが…」
啓太は苛立っていた。
結局どこかでまた日向や自分と同じような事が行われていることに。
啓太は大きな音を立ててファイルを閉じた。
「…くそっ」
研究所の位置も把握した。後はあの目の前に姿を現わしたエレメンタラーをどうするか…。
…と、ここで啓太は気付いた。
「風見?」
棚が多くてまるで迷路のようになった資料館。そのせいか、啓太はいつのまにか風見とはぐれていた。
「…というか、よくここまで本を集めたな。世界中の本が集まっているんじゃないか?」
とにかく啓太は風見を探すことにした。
「…ええい!いくら何でもこれはおかしいだろ!」
もはや狙ってやっているとしか思えない本棚の配置。完璧に啓太は迷っていた。
「無闇に歩くべきでは無かったか…って!」
もはや本棚でもない、ただの木の箱がそこにあった。
「おいっ!!無理して迷路を作る必要はあるのか!?」
もう本棚を飛び越えてしまおうか。そう考えはじめた時だった。
「…〜…」
「ん?風見〜!いるのか〜!?」
「…藤原〜…どこだ〜…?」
「声が遠いな!どんだけ広く作ってるんだよ!」
足音が近づいてくる。
どうやら風見は走ってきているようだ。
「藤原!そこにいるのか?」
「ああ…とにかく合流しよう。俺は右に行くから風見は左に行ってくれ」
「わかった」
なんとか合流した二人だったが…。
「…まさか合流するのにこんな時間がかかるとは」
「朝九時から入って今は十一時…とにかくここから出なければ…」
「そうだな…」
もはや意気消沈の二人だった。
「風見、本棚の上には乗れないのか?人の家のだからといってやらなかったが、今はやむおえないだろう?」
「無理だ。トラップがはってある。風の刄で真っ二つになるぞ」
「やっかいな…」
結局。
出てこれたのは十二時で、陽美と優華と仲野に質問ぜめにあった。
「…本当に何もなかったんですね?」
口を三角形にして、明らかに不機嫌な顔をする優華。その手には紫色の妙な液体が入った注射器が握られている。
「なっ、何もない!何にもない!だからっ!それをしまえ〜!」
「ふぅ…まったく」
(何もない…か。確かに何もなかったが…せっかく二人きりになれたのに…って!いやいやいや!ちっ、違う!藤原はただのクラスメイト!そうだな私!?)
(…)
(なぜそこで黙る〜〜〜〜!!?)
現在の時刻12:49
エレメンタラーの襲撃まであと十二時間