その13の3 実は開校記念日で三連休って設定だったりして。by空倉葉
文章力、知識量、経験、時間、そして何よりも丁寧さが足りない!
夜。
Turn "AKURABA"
うぉっしゃ。
俺のターン!
つーわけで、夜なのでみんな静かに眠りに…
つくわけねーじゃん!
「…しかし、本当にやるのか?肝試しなんて…」
木造のボロボロになって放置されてた旅館(?)。
俺達はそこに来ていたわけで。
一応基本二人ペアでくまなく探索すること。
クジで決めた結果こうなっている。
啓太・風見。
仲野・優華・陽美。
空倉葉・日向。
…キタ。
…キタ〜〜〜〜!!
俺の時代キタ〜〜〜〜!!
「じゃあ行こうか空倉葉クン」
「ハイッ!」
「私はか弱い女子なんだから。ちゃんと守ってね?」
「もちろんですともっっ!!」
Turn "Narrator"
こちら、啓太・風見班。
「…しかし、どちらかというと崩壊するんじゃないかという恐怖の方が恐いな…」
「…」
「風見?」
「ひいぇぁっ!?」
驚いて飛び上がるというのはこのことか。そのまま地面に座り込んでしまった。
「ばっ、馬鹿ぁ!突然肩に手を乗せるなぁ!」
「す、すまん!」
今にも泣きそうな顔の風見と、いつもとは違う風見に戸惑う啓太。
そして…
「ふ、藤原…」
「…む?」
「…いや…」
腰が抜けた。
こちら、優華・仲野・陽美班。
「な、な、な、なんですか今の声〜〜…!」
「とりあえず落ち着きなさい仲野。さすがに慌てすぎだから」
「探険探険〜」
一名を抜き余裕。
こちら、空倉葉・日向班。
「しかし対したことないね〜」
「まぁ、実際心霊スポットとかでも無いッスからね〜」
特に無し。
風見は啓太におぶられて歩いていた。
「…まさか幽霊が苦手だとは知らなかった」
「辞退すればよかったんだけどね…恥ずかしいところを見せたな」
「いや、こんな不気味な場所だ。恐がらない方が変だ」
「…そういうものかな…」
静かで、ただ虫の音とギシギシという床の軋む音だけが耳に入る。
窓の多い二階の廊下に出ると、先程の暗く不気味な場所から一転、月明かりが照らす、なんともロマンチックな場所に出た。
「おお…」
「…綺麗…」
風見は啓太の背中から降りて、窓の方へ歩いていった。
「ここには入るなと言われてたから…こんなのはじめて見た…」
「…なんか、肝試しじゃないな」
「…そうね」二人はしばらく、月を眺めていた。…が、仲野の叫び声が聞こえて二人は同時に笑ってしまった。
「そろそろ行こう?」
「ああ…む?」
ギシギシと床の軋む音が近づいてくる。
空倉葉達か、それとも優華達か…
しかし、それはどちらてもなかった。
「…」
黒いフードを深く被った人間がそこにはいた。
「…誰だ」
「エレメンタラー。君たちは僕をそう呼ぶみたいだね」
「エレメンタラー…!」
啓太と風見は身構えた。
「君たちと今ここで戦う気は無いよ。今日は挨拶だけ…すぐに帰るよ」
「悪いが、そうもいかん」
「…そちらの事情もわかってるつもりだよ。他の仲間にもよろしく伝えておいてよ」
突然、エレメンタラーの体が足から崩れはじめた。
「今度また会いにくるよ。その時はしっかりと戦おう。それまでは…ね」