その13の2 魔法少女マジカルハルミン!…なーんてね。やりたいなぁ…by陽美
復活!菜ッ子復活!…色々ありました。他のサイトの小説更新したりして…ね。…これからもよろしくお願い致します。
とりあえず風見の家に到着…と言いたいところだったのだが、一つ問題が発生してしまった。
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「も〜う〜あ〜る〜け〜な〜い〜!」
階段に腰掛けて足をばたばたとさせる陽美。
「…まだあるんだがな…」
「陽美…つらいのはみんな一緒…」
「む〜!!」
階段が後ろにも前にも続いている。
風見の家に行くにはこの階段を上がるしかない…のだが、途中で陽美が根を上げてしまったのだ。
「まったく…そういえば空倉葉は?」
「む…気分が悪いと言って姉さんの肩を借りながら上がってきてるはず…」
階段は曲がりくねっている上に木が生い茂っているのでわからない。
「仕方ない。このままでいるわけにはいかんからな…陽美、おぶってやるから行くぞ」
「…お姫さま抱っこ」
「「ハァ!?」」
すごい剣幕で仲野と優華が叫んだ。
「陽美、今すぐ帰りなさい。私が蹴飛ばして下まで降ろしてあげるから」
「おぶってあげると言っているのにお姫さま抱っこなんて…!」
だんだんと優華に感化されはじめている仲野であった。
「…わかったよ。この際仕方ない」
「「ハァ!?」」
二度目。
「よっ…と。これでいいんだろ?まったく…」
「えへへ〜…そいう優しいとこ好きッス先輩」
幸せオーラを放ちながら階段を上がっている二人の後ろで、一段一段に殺気でヒビを入れながら上がる優華と仲野。
その板挟みになっている風見。
(誰か…何とかしてくれ!)
「…旅館?」
「…旅館だな」
「…旅館ですね」
「…旅館だったね」
「…旅館なんですか」
「…旅館だったんです」
「ねぇ、階段になってるんだけど。わざとだよね?」
風見の家はまるで旅館のようであった。
「部屋は用意してあるらしい。資料館には後で案内しよう」
「ありがとう…陽美、部屋で休んでなさい」
「うぃーッス」
「じゃあ三野ちゃん、鍵を渡しておこう。この鍵についてるプレートの番号の部屋に行けばいいからな」
(旅館だ…)
(旅館だな…)
(旅館ですね…)
色々あったが、なんとか啓太一行は風見の家に到着することができた。
とにかく部屋で休もうとする啓太達。
「…いい景色だな」
啓太は部屋でさっそくくつろいでいた。
…のだが。
「せぇーんぱいっ」
「兄さん…遊びにきました」
「あ、あの。お邪魔でしたか…?」
どうやら啓太が休まる時間は無いようだ。