その11 私にだって秘密の一つや二つはある。乙女だからな。…なんだその目は。by風見
遅く鉈〜!ごめんなさい。なんというかね〜…あの、アイデアが出なかった。とことん出なかった。つらかったよ〜…。とにかく、だいぶ遅くなりました。その11でござーい!
理由を明かされないままカルマ達はエレメンタラーの捜索に駆り出されていた。
そこで見たものとは…。
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「風見…?」
夜になり暗くなった公園に風見の姿があった。
「知り合いかい?カルマ」
「ああ、俺のクラスメイトだ」
「ふーん…可愛いね」
「手を出したら貴様は俺の標的になるぞ。セイクリット」
風見は目を閉じてうつむいたまま動かない。
カルマ達は物陰に隠れて様子をうかがうことにした。
「…なにをしているんだろうね」
「わからん」
しばらくすると、風が吹きはじめる。
木々が揺れてざわざわと音が鳴る。そして、落ちた木の葉は風見のまわりをまわりはじめる。
「…カルマ」
「まさか…エレメンタラー?風見が…」
風見がため息をつくと、風が止んだ。
そして、何事もなかったかのようにその場を立ち去ろうとした。しかし、セイクリットは風見を呼び止めた。
「ちょっと待って」
「え…!?」
こんな時間には誰も来ない。だからこそ風見はこの時間を選んだ。
誰かがいるとは想定していなかった風見はあわてている。
そして
「恋人になってください」
「ちがぁぁぁう!!」
思わず突っ込んだ。
『世の中には突っ込んだら負けという言葉がある。なんとなく意味は違うが、しかし、間違いなく今カルマは負けた』
「あ…」
「ふ、藤原…?」
「事情は…納得がいかないところもあるが、わかった」
ミカエルの事は明かせないが、カルマはエレメンタラーを追っていることを明かした。
「しかし風見…それは本当に生れ付きなのか…?」
「ああ…そういう家系なんだ」
「風見家に代々伝わる風使いの力…か、興味深いね。どうぞお嬢さん」
「あ…ありがとうございます」
セイクリットは缶ジュースを風見に手渡した。
「あ、あの。あなたは…?」
「牧野京介よろしくねお嬢さん」
「牧野さん…ですか」
「うん。しかし…やはりエレメンタラーのことはご存じ無い…」
「はぁ…すいません」
「いや、謝る事は無いよ。ところで恋人の件は…」
セイクリットの顔は地面深く潜り、その上にはカルマの足が乗っている。
「すまない風見」
「あ、ああ…藤原、すまないがこの事…」
「それはお互いだろ?秘密だ」
「ああ…ありがとう。それじゃ」
「カルマ、まさか僕に恋人とかできるのが嫌で…ぶふぇ!」
「そういうこと喋るのはこの口か。アルミホイルでも噛んでろ」
「ご、ごめんなさいごめんなさい…ぎゃー!」