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その9 魔法使いって憧れるもんだよね。え?俺だけ?by空倉葉

大分書かなかった気がする。ブンカサーイでちょっと忙しかったのだ。というわけで第2章第1話はじまり。(敬語使おうかな…そろそろ)

妖魔の姿がほとんど見なくなり、確実に事態はいい方向へむかっている。

そんな何気ないある日のことだった。



Turn "Narrator"


「魔法使い?」

「ああ」


啓太の前の空いている椅子に居座り、一方的に本を読んでいる啓太に話し掛けている男子生徒がいる。


空倉葉零時あくらばれいじ啓太の学校で作った最初の友達で、親友である。


「白い髪で白いコート着てる魔法使いだよ。噂ぐらい聞くだろ?」

「む…知らんな」

「そういうの興味無いのか?」


啓太は聞いているのかいないのか、ただずっと本を見続けている。

内容はなぜか恋愛小説。実は日向に無理矢理押しつけられたものである。


「ふむ…興味が無いわけではないが…」

「ふ〜ん…そう、その魔法使いは夜に出るらしいんだけど…」

「どうせただの噂でしょ?魔法使いなんて」

いつの間にかその隣の席には女生徒が座っていた。

緑色のセミロングの髪にカチューシャをつけた女生徒。


「姉御、夢の無い事を言うなよ」

「あんたは現実を見なさい」


風見香奈かざみかな。つり目で冷たい雰囲気を持った彼女は以外と面倒見がよく、クラスでは姉御と呼ばれている。


「風…姉御、その噂は本当に有名なのか?」

「無理して言うな。そうでもないみたいよ?知らない人は結構多いし」「そうなのか。空倉葉?というらしいが」

「そこは気にしたら負けだぞ?」


そんな談笑をしていると、そこに日向が入ってきた。


「私の愛しのブラザーはどこに居るのかしらぁ?」


日向の登場により(啓太を除く)男子生徒が騒ぎだした。


「日向さーん!」

「いぇー!」


日向は集まってきた男子生徒の群衆の真ん中でサタデーナイトフィーバーのポーズを披露している。

啓太と優華のファンは比較的静かなのだが、なぜか日向のファンはやたらと熱狂的である。


「空倉葉もか…風見、このノリはどう思う?」

「…はっきり言って苦手ね」

「ウルトラソゥッ!!」

「はぁいっ!!」


日向は見事なウルトラソウルを決めた後に、ありがとうと言いながら群衆の中から出てきた。


「というわけでちょっと来なさい」

「どういうわけだ」


と言いながらも啓太は日向に着いていった。啓太自身、もう慣れてしまっている。






「校長室…」

「…もうわかってるわよね。ここまで来たら」

「ああ…」


校長室に生徒が呼ばれることはほとんど無い。呼ばれるにしても校内放送で呼ばれる。そして、この学校の校長先生はミカエル所属のブレイド。

この三つから考えられるのは、ミカエルから仕事が来たとしか考えられなかった。


「じゃあ入るわね。先生?」

「藤原か。開いているぞ」


日向は扉を開け、

「失礼します」と言って校長室へ入った。


「セイクリット…」

「カルマ…!久しぶり。ずいぶんと大きくなったね…」


No.5セイクリット。

真っ白な髪に赤い目。そして、ミカエルの基本の服装である黒いスーツを着ている。


「頭を撫でるなセイクリット」

「…今のカルマもいいな…鋭い眼光も持つようになって…ハァハァ…」

「離れろセイクリット」「いや、それは無理だ。僕はずっと君に会える日を待ち望んでいたのだ…!再びこの手にカルマを抱くことが…ああ…幸せだ…!」


※セイクリットは男である。


「失礼し…」

「おおフィリア」


日向から来るように言われていたのか、後から優華が入ってきた。


「ました」

「なかなかの放置プレイっぷりだねフィリア」


出ていくよりも早くフィリアの肩に手を置くセイクリット。

カルマはその時のフィリアの顔の引きつり方を忘れはしないだろう。


「う〜ん…やはりフィリアも大きくなったねぇ…」

「触らないでくださいセイクリット」

「一部はまったく変化が無いが…」

「吊し上げるぞオイ」


カルマは思った。

フィリアは学校に来てから感情をよく出すようになったと。(悪い方向に向かっている気がするが)


「お前等、というかセイクリット、話が進まん。そのへんにしてくれ」

「わかったよブレイド」


しかし、一向にフィリアを離す気が無いセイクリットであった。


「離せ」


カルマは無理矢理セイクリットからフィリアをひっぺがし、隣に立たせた。

もちろん、フィリアは

「セイクリットから離れられた+カルマが救ってくれた」という二つの要因のせいで顔が緩みそうになっている。


「セイクリット、今回起こった事を話してやってくれ」

「ん。カルマ、魔法使いの噂は知っているかい?」

「魔法使い…む、聞いたことはある」

「…噂じゃなかったんだよ。何もないところから炎を燃え上がらせ、又は氷を作り出したりね」

「…なんだと?」

「ブレイド、資料を見てくれ。カルマ達も」


セイクリットは近くに置いてあったファイルから紙を取出し、ブレイドの机の上に置いた。


「…これは」

「僕も実際に会ったことは無い。しかし、今までに請け負った事件にあったのだよ」

「プロジェクトElementによる…生体実験から生まれたエレメンタラーという新人種…」



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