その1 過去の傷。
初投稿です〜。わ〜ぱちぱちぱち〜。はい!ではその1です。でも、これは実際飛ばしても大して支障は無いんですよ。
…終わった。
向こうからは勝利した喜びで兵士達が歓喜している。
…戦争が終わったのだ。
「…隊長」
血が止まらない腕を押さえながら俺は倒れている隊長に近づいた。
「カル…マ…か…」
「…」
傷がひどい…
俺からみても隊長が助かる見込みは無かった。
「…隊長。俺が見届けます…だから…」
「…カルマ…すまない…」
震える隊長の手を握った。隊長はいついかなる時も涙を見せたことは無かったが、今は…泣いている。
「カルマ…」
「…はい」
「お前は…生きろ…それが…手向けに…」
「…」
「…いつまで…も…見守…て…る…カ…ルマ…」
「…う…ぅぅ…」
堪えることができない。
涙があふれて頬を伝う。
「…楽し…か…た…あり…が…と…」
「隊長ォォォォ!!」
冷たい…ひどく冷たい。
雨も降ってきた…もうつたう雫は雨なのか、涙なのかわからない。
雨の音と、新たな時代の幕開けを喜ぶ人たちの声。
俺たちは負け、国は倒れた。
そして…
俺たちの銀狼隊の生存者は俺一人。
みんなわかっていた。
だからこそこの戦いの中でみんなは必死になって俺をかばっていた。
結局、俺は何もできなかった。
死んでいった仲間達や…果てには俺の父のような存在だった隊長まで…
この日すべて失った。
そして、月日が流れ…
俺は祖国へと戻ることとなった。