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9 魔力の葉

 森の中でスマホの地図を確認してみる。

 GPS機能がまったく役に立ってないので自信はないのだが、先程までの川の流れの位置から推測すると森はそれなりに深いが、この森を越えれば平原があってふたたび大きな川に行き着くはずである。


「うぉん、うぉん!」

 俺がスマホに注意を逸してると、グレイが吠えかけた。

 敵の出現のようだ。


 ☆★☆

 シロオオカミ:レベル14

 HP:384/384

 状態:平常

 ☆★☆


 同じオオカミ族なんだが仲間ってわけじゃないんだな?

 グレイも向こうも戦う気マンマンのようだ。


「あっちの方がレベルが高いぞ、大丈夫か?」

「うぉん!」

 本当に大丈夫なんだよな? まぁ俺の「魔獣回復」スキルもあるから一匹ならなんとかなるか。


「グレイ、いけ!」

 グレイがシロオオカミに飛びかかっていく。

 しかしグレイの先制攻撃も、シロオオカミに避けられ決まらなかったようだ、逆に体勢が崩れたところをシロオオカミに攻撃されグレイが傷つく。

 まだ大したケガではなさそうだ。

 一進一退の攻防が続くが、ほぼ互角の戦いの感じだ。俺はグレイのステータスを常に気にしながら、時々シロオオカミを「魔獣鑑定」で確認する。

 どうやら互角に戦えているようだ。俺は適宜、グレイのHPを「回復」していく。


 加勢したいんだが、動きが早すぎて俺の出る幕がなさそうだ。

 合計五回の「回復」を使ったがグレイはシロオオカミを無事に倒すことができた。


 今の戦いで俺のレベルが上がった。さすがに格上ばかりと戦ってるからレベルの上がるのは早そうだ。

 グレイの方は現状維持、さっき上がったばかりだからな。


 ☆★☆

 堂島雅史:レベル4

 HP:253/280

 MP:72/180


 種族:人間

 職業:ビーストテイマー

 状態:平常


 スキル

 魔獣使役:レベル1

 魔獣鑑定

 魔獣回復:レベル1

 魔獣強化:レベル1

 キツネの精霊の加護


 使役魔獣

 グレイ:レベル13

 ☆★☆


 増えたスキルは「魔獣強化」だ。スキルの詳細を見てみると、


 ☆★☆

 魔獣強化 レベル1 常時発動


 すべての使役魔獣の能力を20%上げる。

 ☆★☆


 常時発動ってところが凄そうだな、これは使えるスキルだよな。

 すべての使役魔獣って言うことは、このままレベルを上げていけばもっと多くの魔獣を使役テイムできるって考えていいんだよな。


 俺はグレイに指示される前に、シロオオカミの胸を切り裂き、赤い宝石を取り出しておいた。

 さっきのクマよりは大きく、昨日のトラよりははるかに小さい。

 この宝石のようなものは、レベルに応じた大きさだったりするのか?




 今の戦闘で感じたことは「魔獣回復」スキルのMP消費がきつい感じだってこと。

 グレイが同等の敵と戦っただけで、すでに連戦不可な状態になってる。

 「魔獣強化」スキルをGETしたからこれで少しは戦闘も有利になるかもしれないけど、このMPの残りでこのまま連戦するのは心もとない。


「うぉーん」

 俺がそんなことを考えていると、グレイが向こうで呼んでいるようだ。俺はグレイの後をついて歩いていくと、背の低い木の近くでグレイは立ち止まった。

 グレイが葉っぱをムシャムシャ食べ始めている。

 グレイってオオカミだから肉食だよな。昨日も肉をムシャムシャ食べていたし。

 なんで葉っぱをムシャムシャ食べているんだ?

「くぅーん」

 グレイは葉っぱを食べ終わったようだ。俺にもこの葉っぱを食えって言ってる気がする。


 葉っぱを食べ終わったグレイのステータスを確認してみると、


 ☆★☆

 グレイ:レベル13

 HP:368/380

 MP:132/132


 種族:ハイイロオオカミ

 職業:なし

 状態:平常


 スキル

 噛みつく:レベル3

 切り裂く:レベル4

 危険感知:レベル1

 ☆★☆


 あれ? さっきの戦闘でグレイも相当MPを消費したはずなのに、MPがマンタンに回復してるじゃないか。

 もしかして、この葉っぱにMP回復の効果があったりするのか?


 俺は葉っぱを一枚むしって食べてみた。すっごく青臭くて、苦い……

 自分のステータスを確認すると、MPが10ほど回復してるじゃないか!

 この森で暮らしている魔獣たちの知恵なんだろう。


 苦かったけどこれは仕方ない。俺は我慢してMPがマンタンになるまで葉っぱを食べることにした。

 口の中が青臭さと苦味でいっぱいになってとても気持ち悪い……


 そして、何十枚か葉っぱを毟ってリュックに詰めておいた。

 他にもこの木があるかどうかわからないからな。


 俺とグレイは再び、森の中を用心深く進んでいった。

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