表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/16

10 順調にレベルアップ

 グレイが先行し、俺はその後をついていく感じで森を進む。

 俺の意図がわかってるのか、ただの偶然かどうかはわからないが、グレイの進む方向は俺の目的とあっている感じに思える。

 正直言うと森の中で方角がよくわからないので、どちらへ進めばいいのか自信がない。


「ぐるるるる」

 そのまま進んで行くとグレイの足が止まって、唸り声をあげている。


 ☆★☆

 リトルベア:レベル12

 HP:600/600

 状態:平常

 ☆★☆


 先程戦ったクマと同種の敵のようだ。しかしレベルはずいぶん高い、HPはグレイより多いくらいだ。

 見た感じも、リトルって感じはしないな、それなりの大きさのクマである。

 まぁ子熊って感じじゃなく、そういう種類のクマってことだよな。たぶん成獣なんだろう。


「グレイ、いけ!」

 グレイがクマに先制して攻撃を仕掛ける。そのツメでクマの顔面を大きくえぐる。

 しかし、クマもグレイに攻撃を仕掛けてくる。さっきのクマとは段違いのスピードだ。しかしグレイのスピードがそれを遥かに上回っている。

 「魔獣強化」スキルの恩恵だろう、先程までのグレイよりスピードが速くなってるように思われる。

 きっと攻撃力などもすべて増しているんだろうな。


 このままさっきのクマのように押し切るかと思ったが、さすがにレベルの近いクマだけあってそこまで簡単に勝たせてもらえないようだ。

 クマの攻撃がついにグレイに命中してしまった。グレイは大きく吹っ飛ばされた。

「大丈夫か、グレイ」

「うぉーーん!」

 グレイは高らかに吠えるとすぐにクマへ攻撃を再開した。グレイのステータスを確認してみると、一撃でHPが100近く削られている。

 えげつない攻撃だな、でもグレイの防御力も「魔獣強化」で増しているからその程度に抑えられたんだろうな。

 俺は、グレイに「回復」を使っておく。

 結局、クマからの被弾はその一回だけで、グレイの圧勝であった。

 忘れないように俺は、クマの胸から赤い宝石を取っておいた。


 息をつく間もなく、新たな敵がグレイに襲いかかった。

 

 ☆★☆

 リトルベア:レベル11

 HP:582/582

 状態:平常

 ☆★☆


 先程と同じリトルベアだ。こういう時、俺にでなく召喚魔獣の方にターゲットがいくのは「キツネの精霊の加護」のおかげだろうな。

 俺が攻撃されると一気に大ダメージになりそうだ。


 不意打ちを食らったグレイに俺は「回復」を飛ばしておく。

 敵はさっきよりレベルも低いし、きっと問題ないだろう。

 予想通りにそれ以降被弾することなくグレイは勝利を収めた。

 すぐに俺は、クマの胸から赤い宝石を抜き取っておく。


 このあたりはまだ敵が多そうだ。

 二回しか「回復」を使っていないが強敵との遭遇に備えて、俺はさっき毟っておいた葉っぱを食べた。

 おや? さきほどより苦味も青臭さも薄れている気がするぞ。

 毟ってしばらく待ったほうがいいのかな? そう思ったがMPの方も6しか回復してなかった。毟ってしばらく経つと効果が落ちるようだ。

 効果が落ちた分、多くの葉っぱを食べないといけないってことで、結局、苦味や青臭さはその分増えた気がする。まったくありがたくないことがわかった。


 それからも二度ほどリトルベアと遭遇し、俺のレベルが上がった。

 さすが格上と戦ってばかりだと、レベルアップが早いようだ。グレイの方はまだのようだ、やはりレベルが上がってくるとレベルアップもしにくくなってくるのだろう。


 ☆★☆

 堂島雅史:レベル5

 HP:268/290

 MP:156/184


 種族:人間

 職業:ビーストテイマー

 状態:平常


 スキル

 魔獣使役:レベル1

 魔獣鑑定

 魔獣回復:レベル1

 魔獣強化:レベル1

 魔獣治療:レベル1

 キツネの精霊の加護


 使役魔獣

 グレイ:レベル13

 ☆★☆


 増えたスキルは「魔獣治療」だ。スキルの詳細を見てみると、


 ☆★☆

 魔獣治療 レベル1


 本人および使役魔獣の軽度の状態異常を治療することができる。

 本人または使役魔獣を指定して『治療』と念ずることで治療する。

 ☆★☆


 そういえば、このあたりには強い魔獣は多そうだけど、毒とか麻痺とかを使う魔獣はいなかったようだ。

 もし、このスキル習得前にそんな敵と出会っていたらと思うと冷や汗が出るな。


 レベル1で軽度の状態異常しか治せないようだけど、これで少しだけ安心できそうだ。

 まぁきっとこういうスキルを覚えたってことは、そういう敵が出てくるフラグってやつだろう。

 でも、逆のパターンでなくてよかったよ。このスキルがあの時にあったらなんて後悔するようなことだけには合いたくないからな。


 そんなこと考えたてたら大事なことを忘れてた。

 いや、赤い宝石はちゃんと取ってきてる。

 さっきからの連戦で、ちっともグレイをなでてやってないじゃないか。

 俺はさっきまでの分も含めて目一杯グレイをなでてやり、ついでに思いっきりもふもふしておいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ