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3BECAUSE  作者: Guru
92/131

第92話「立ち上がれ!!①」

レトインは急ぎ足で大悟達のもとへと駆けつける。


一人取り残された善は、寝転がりながら真っ暗な夜の空をじっと眺めていた。



(教えてくれ…親父…


俺が生きる理由ってなんだろう…?

“リミテッド”って一体なんなんだろう…?)






BECAUSEスリービコーズ


第92話

 「立ちあがれ!!」






昔から俺は

人に謝ることが大嫌いだった。


やってしまったものは仕方ない


謝ったからって

何か解決するわけじゃない



そう、思っていたからだ。





『こら善!!またおまえケンカか!!』



『なんだよ…悪いかよ…』




俺の悪さのせいで


親父が学校に呼び出される。



幾度とあった光景だ。




『第一、ふっかけてきたのはむこうからなんだよ!


なのに、なんで俺が怒られなきゃなんねぇんだ!

俺は悪くねぇんだ!!』



『バカ野郎が!!

よそ様に手を出して、悪くないわけあるか!!


まったく…

それで俺が呼び出されて、謝らなきゃいけないんだぞ…!!』



今思えば、親父が怒るのは当たり前のこと。


言ってることは、何ひとつ

間違ってなんかなかったんだな。


けれど……




『チッ!!はいはい…


俺が悪かったですよ!


どうもすいませんでした』



『ふざけんな!!善てめぇ!!』




そう俺が、テキトーに謝ると


突然親父は激怒し

俺の顔面を、おもいっきり殴った。




『いっ…いってぇな!!

なんなんだよ!


俺が悪いって、あんたが言うから謝ったんじゃねぇか!!』



『バカ野郎!!


おまえさっき、自分は何も悪くねぇって言ったじゃねぇか!?


なのに、今度はごめんなさいだ…?


そんな簡単に頭なんか下げるんじゃねぇ!!!』



『はぁ…?


(このクソ親父…

言ってることがめちゃくちゃじゃねぇか!!)』



『自分が正しいと思ったらな

周りが何と言おうと貫き通せ!!それが男なんだよ!!』



『なんだよそれ…

俺だって謝るつもりなんかなかったけど、親父が…』



『いいんだよ!善!』



『えっ…?』



『おまえが正しいと思うなら、意地でも突き通せ!

それでも、もし周りが間違ってるって言うのなら…


そん時は、俺が頭下げてやっからよ


おまえは簡単に折れたりなんかするな!

いいな…?』



『お、おう……』





何て教えをする父親だ!!!



って、こん時は思ったけど…



思えばいつもそうだったんだ。



どんなに嫌な顔してても


どんなに理不尽な話でも…



親父はいつでも、俺の味方だった。




そして、もう一人…


そんな親父と、同じことをするやつがいた。



そいつは、決して自分が悪いわけではないのに


すべてを自分のせいにして


ひたすら、俺達に謝った。




『すべて…俺の責任なんだ…

許してくれ…みんな…


今のジョーカーが存在するのは、全部俺のせいなんだ…』





親父……


あんたの教えは正しいのか…?



俺は、俺のやりたいようにやってさ…


俺が悪くても、俺の代わりに

みんなが謝ってくれる…



少し前より大人になった今なら

分かる気がする…


それってさ…



俺はみんなに守ってもらってるだけなんだ。



俺をかばうようにして

俺に責任がないようにしてくれる。



あんたは、めちゃくちゃな親父なんかじゃなかったんだな…


俺を守ろうとしてくれてたんだな。


父親として。

まだまだ子供の俺だから…




何だよ…


親父の次は、“あいつ”に守られんかよ…?



そーやって、また子供扱いか!?


ふざけんな…!!





俺が生きる理由ってなんだろう?


リミテッドって、一体なんなんだろう?




そんな答え、今すぐ出やしない…


簡単に見つかりなんてしない…



けど、もう嫌なんだ…


守られるのはごめんなんだよ!!



今度は俺が“あんた”を守る番なんだよ!!





エレクトの力を使った反動で、動けなかった善が

ゆっくりと立ち上がった。



「今行く…みんな!!

俺がみんなを守るんだ!!



(親父…今なら素直に言えるよ…




“ありがとう”




あんたが教えてくれたこと



『おまえが正しいと思うなら、意地でも貫き通せ!』



これだけは信じていきたい…

戦う理由なんて、生きる意味なんて関係ない!


全員俺が守る!!


俺のすることは、ずっとまえから決まってんだ!!)」




ライジングサン・橘善は

四天王と戦っている仲間達のもとへとむかう。




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