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3BECAUSE  作者: Guru
90/131

第90話「Final Because①」

「頼む!レトイン!!

教えてくれ!!最後の理由を!!


俺がやらなきゃならない3つめの理由を!!!」



善は近づく決戦をまえに、覚悟を決めたかった。


その善の思いを汲み取り、もう一人の男も

自らの覚悟を決めた。



「分かった 話そう


善がやらなければならない、最後の理由…

3つ目の理由を!!」






BECAUSEスリービコーズ


第90話

 「Final Because」






“おまえには やらなければならない理由が3つある”



これは善とレトインが出会ったときに、レトインが善に向かって言った言葉。



善にはジョーカーを倒さなくてはならない理由が3つある



そうレトインは言っていた。

その隠されていた最後の理由を、レトインがついに明かす。



「最後の理由…


これがおまえにとっては、本当にやらなければならない

最大の理由かもしれないな…



いいか?落ち着いて聞けよ…?」



「落ち着いて…?


分かった」



意味深なレトインの発言に、善は息を飲む。


レトインも一度深呼吸し、気持ちを整えてから語り始める。



「善…おまえがリミテッドとなった、あの日…


おまえの家は火事となり、その火事によって善は死んでリミテッドとなった…


そうだったよな…?」



「あぁ…


そこで俺は死んだが、親父の魂が俺に乗り移り

代わりに親父が死んでしまった…


だったな…」



「その火事のときのこと…


覚えているか…?」



「いいや…それが全然…


ほとんど覚えちゃいないんだ、これが…」



それもそのはずである。

本当は死を迎えるはずの人間。


そんな人間に、その時の記憶など残っているはずがない。



「無理もないか…

だったら善、こう言えば少しは思い出すか?


あの“火事”はなぜ起きてしまったのか…?」



「えっ…?原因…?


(だめだ…よく思い出せねぇ…)」



レトインの質問に、善は当時のことを必死に思い出そうとする。

しかし、やはり思い出すことはできない。


そんな頭を抱える善を見かねて、レトインが真相を告げた。



「思い出せないのなら、思い出させてやろう


あの火事は、ある事件により引き起こされてしまったんだ



あの頃、世間を騒がせていた

連続放火魔事件だ!」



(連続放火魔事件…?


そういえば、そんなのがあったような…)



少し当時の記憶が善に甦るが、まだぼんやりとしたまま。

すかさずレトインは話を続けた。



「その善の家も巻き込まれた、連続放火魔事件

重要なのはその事件の犯人だ!


その火事を引き起こした…その犯人は…




現・ジョーカーのリーダー


二階堂 仁だ!!」




「!!!

なんだって!!??」




善にはどうしても思い出せないことがあった。


そもそもなぜあの日、善が死んだのか。

なぜ家が火事になってしまったのか。



単なる不注意により、起きてしまった火事なのか…?

それとも……



その包まれていた謎を、レトインが今、明らかにした。



「俺が、いや…

親父が死んじまった火事…


そいつが放火…?

そして…


その犯人が、ジンだっていうのか…?」



「そうだ


善がジョーカーを倒さなければならない理由を挙げていたが、それ以前に…


善がリミテッドとなる原因を作ったのがジンなんだ!!



あいつも善と同じ…



“ファイヤー・リミテッド”


“火”の力を持っている

その力を使って、火事を起こしたんだ!!」



「う、うそだろ…?」




善はレトインの言うことが信じられなかった。

いや、信じたくなかった。



今まで善はジンを恨み続けてきた。


無関係な人間を巻き込み、無差別にあくどい事件を起こし続ける…



友であったはずのレイ、八光を殺害し

レトインを苦しめた。



今もまだ、以前の志保や大悟のように


リミテッドの力で制圧され、ジョーカーに拘束されている人物がいるはず…



そんな“悪”のジンを、善は許せなかった。


しかし……



それは善の“周り”に影響していた出来事であって

善の身に直接降りかかることはなかった。


だが、今度は違う…

善の心をえぐるように、直接襲いかかる。




自分の父親が亡くなった原因


それまでもか、自分がこの戦いに参加することとなってしまった原因



その原因を作った人物が、ジンだったとは…

善は微塵にも思っていなかった。


善はレトインから、とんでもない真実を突きつけられてしまった。




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