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3BECAUSE  作者: Guru
88/131

第88話「覚醒②」

「いいのか…?善


こうしてる間にも、大悟達は四天王と戦っているんだぞ!!」



レトインの言葉に、疲れ果てうつ向いていた善がピクリと反応する。

そしてレトインは、更に追い討ちをかける。



「早くしないと…早く助け出さないと…



“また”大切な仲間を失うことになるぞ!?」



「!!!」




レトインは、善の逆鱗に触れた。


善を奮い立たせるために、あえて触れたのだ。



(また失う…?



キング・ヤコウみたいにと言いたいのか…?


ふざけるなよ…レトイン…

おまえと“約束”したのに…



このまえも言ったばっかじゃねぇか…

なのに…そんなセリフ…


簡単に言うんじゃねぇよ…)



善の頭の中には、走馬灯のように色々な思いが交差していた。


いくつもの思いが甦り、飛び交う。






『目の前にいるやつが、例えどんなやつでも、どんなに悪いやつであろうとも…


俺はそいつを殺さねぇ』




キング・ヤコウ…


正直おまえは、俺達の敵だった…




『助けられる命は必ず救う 自分の身に危険が及んでもな


俺の目の前で、死人なんてもんは絶対出させねぇ!!』




けど…なくなってもいい命なんて、ひとつもないはずだ…




『人が死んだら誰かが悲しむ…


そいつのことを大切に思ってるやつらが…』




ヤコウは死に際に、一言残した…




“すまない レトイン”



『もっと他に…他に残すことがあっただろう…』





そんなヤコウの死を…


おまえは悲しんだ…




『目の前の人を助けるのは、決して無駄なことなんかじゃない…


だからレトイン…今言ったこと…

それだけは約束してくれないか?』



『………



分かった』




もう…誰も死なせない…


誰の悲しむ顔も、見たくない…




『倒せ…ジンを


ジョーカーを止めるんだ…善』




俺がやってやる…意地でも俺が…


ジンを…

ジョーカーを倒すんだ!!!





善の体を包みこむ炎が、より一層増し

善の右手にあるマークが更に光り輝き始めた。



「そうだ!!!善!!!


来い…!!

怒りでも、憎しみでも、なんでもいい!!



感情を爆発させろ!!


人の感情に左右する…

それが“リミテッド”だ!!!


(目覚めろ!!善!!


今こそ、その眠ってる力を叩き起こすんだ!!)」




善はがむしゃらに、怒りに身を任せ

レトインにむかって、炎の拳を突き出した。



「!!!


こ…これは……!!」




その繰り出された拳は、レトインの体に炸裂し


レトインは転がるようにして吹き飛ばされた。




「どうだ!!レトイン!!!

これでも…俺がまた仲間を失うってか!?


もう負けねぇ!!

ジンにだって…負けやしねぇんだ!!!」



善が雄叫びをあげると、体に負担がかかりすぎたのか…


意識が少し飛び、善は片膝を着いた。



「おっと…


くそっ…やっぱり…

まだ体がついていかねぇ…」



吹き飛ばされたレトインは…


起き上がることができないほどに、“あること”に驚いていた。



(善…今…おまえ…

自分が何をしたか、分かっているのか…?


今おまえがした攻撃は…

恐らくジンがトウマにした時と同じ…


ほぼ0の状態から、一気に爆発させて力を発揮した!!



全エネルギーを、どこにも分散させず

一点にすべてのパワーを注ぎ込んだ攻撃!!


まだ善が力を完全に使いこなせていなく


100%の力を発揮できていないから

よかったものの…



完全に力を身につけていたら…

俺もトウマ同様…




今の攻撃で、死んでいた…)




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