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3BECAUSE  作者: Guru
83/131

第83話「ハズレ①」

レトインも善達のもとへと戻り、エーコも立ち直りを見せる。


ようやくライジングサン

全員の5人がそろった。


善達は今後の作戦会議をたてていた。



「レトイン、これから俺達どうすればいい?」



「そうだな…

ジョーカーに残されたのはジン、黒崎、四天王の2人


恐らく次は、四天王が動き出してくるはずだろう」



ジョーカーの主力も、気づけば残りわずか。


しかし、レトインには不安なことがあった。



「だがジンの考えることだ…

そう簡単にはいかないかもしれん


このふざけた力比べも、一気に終わりにするかも分からんな…」



レトインの意味深な発言に、志保が真意を尋ねる。



「それって…

もうジンが攻めて来るかもってこと?」



「あぁ…

推測にすぎんがな…


なにしろ、あいつの行動は読めん」



「確かに…

何が起きてもおかしくないかも…」



ジョーカー・ジンの行動は誰も予測がつかない。


このまま決戦を迎えるには、まだまだ善の力が足りない。善達には時間がないのだ。


そこで、レトインはひとつの策をとった。






BECAUSEスリービコーズ


第83話

 「ハズレ」






一方その頃、ジョーカーは…


着々と、次なる刺客の準備を進めていた。



「ジンさん

レトインがまた善達と行動を共にすることとなりそうです


どうします?

ここは一気に、私とジンさんで片付けますか?」



ジンの側近、黒崎嵐は微笑みながら、そう自信に満ちた表情で言った。



「まぁ待て 焦るな嵐…


次はおまえの出番だ



来い!!“ゲンジ”!!」



ジンに呼ばれ、一人の男が颯爽とジンのまえに現れる。



「はい…俺ですか…


もう俺の出る幕なんて、無いかと思ってましたよ」



ジンが次にとった行動は、四天王の一人

ゲンジを送り込むことだった。



「バカを言うな…

おまえにもきっちり働いてもらうぞ!!」



「はい お任せください」



順当に四天王を送ったジンのやり方に

もう一人の四天王・東條は疑問を抱いていた。



(黒崎の言ったとおり、さっさと片付けてしまえばいいものの…

どこまで余裕なんだ…?ジンさんは…


さすがに“エレクト”の橘善とレトインが再びそろった今


そんなに余裕などないのでは…?

ジンさんは何を考えているんだ…)




至って冷静な判断の東條。


しかし、そんな定石な発想は、もちろんジンの頭の中にもある。



(嵐もまだまだだ…

誰がそんなつまらない終わらせ方をするか…


善はエレクトとしての力をまだ発揮していないではないか…


善が目覚め、善とレトインのエレクト2人を相手して…


俺が勝つ!!

そうでなくてはつまらん!


まだか善!?

俺はおまえと戦えるのを楽しみに待っているぞ!!)



誰にも思い付かないジンの発想。

ジンにしか分からない、命の駆け引き。


敵、味方さえも、ジンに翻弄され


振り回されていた。



「さぁ、行け!ゲンジ

橘善および、ライジングサン全員をただちに抹殺せよ!」



「はい!仰せのままに」



四天王・ゲンジは、ジンの言われるがままに、善達のもとへと向かった。


ゲンジの姿が見えなくなると、すぐさまジンは東條を呼び出す。



「東條 ちょっと来い」



「はい…どうしました?ジンさん」



ジンが東條に耳打ちする。

そのジンの言葉に、東條は衝撃を受けた。


しかし東條は、何事もなかったかのように、静かに返事をする。



「……はい 分かりました」



東條はどこかぼんやりと遠くを見つめ、立ち尽くしていた。


一体東條はジンに何を言われたのか?

その答えも、近いうちに明かされることとなる。




ジョーカーにそんな動きがあったのを知るよしもなく…


善とレトインは、2人だけで行動していた。



善が不安そうに顔を曇らせる。



「おい…大丈夫なのか…?


大悟達を置いてきて…?」



「こうするしかないんだ

俺達に残された時間はもう少ないんだよ」



レトインは一人焦っていた。

いつジンが攻めてきてもおかしくない、この状況下に…



例え、このまま四天王を相手にしていたとしても


善がエレクトの力を開花させるのは難しいと判断したレトイン。



そこでレトインは考えた。

善は今は何よりも、エレクトの力を引き出せるようにする。


同じエレクトであるレトインが、善を指導、訓練し


いち早く善がエレクトの力を身につけることが

何よりも先決であると。


そのため、善とレトインは大悟達と行動を別にして

レトインが付きっきりで、善を強化することにしたのだった。



「俺は心配だよ…


どうするんだよ?今四天王があいつらんとこに

攻めてきたりでもしたら…」



「いいからおまえは、自分のことに専念しろ!


おまえはエレクトの力を引き出すことだけを考えるんだ!

いいな!!善!!」



「チッ…分かったよ!!」



そうきつく善に言ったものの、レトインも善と同じく不安な気持ちは隠せなかった。



(俺だって心配なんだ…

分かってくれ善…


ジンに立ち向かうには、おまえの力がどうしても必要になるんだ!!



大悟、志保、エーコ…


悪いがおまえらは、善が目覚めるまで

しっかり時間稼ぎをしていてくれ!!


大丈夫…

おまえらなら四天王に勝てる!


いや…勝ってもらわなきゃ困るんだ…

頼んだぞ!!みんな!!)



レトインは不安な気持ちを圧し殺し、大悟達に望みを託した。


それを察してか、大悟はレトインの取った行動に

何一つ反論などしなかった。




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