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3BECAUSE  作者: Guru
79/131

第79話「???VS???①」

普段クールなレトインからは想像もできないような、熱き想いががレトインにはあった。



「俺が生きる理由はただひとつ…


ジンを倒すため、レイの仇をうつため…



そのためだけに生きる、新たな人生の始まりだ」



善達は初めてレトインの覚悟を知った。



「すべて…俺の責任なんだ…

許してくれ…みんな…


今のジョーカーが存在するのは、全部俺のせいなんだ…」



そうレトインは言って、深々と頭を下げて謝った。


そんなレトインの姿勢に、志保は納得がいかなかった。



「なんで謝るのよ…

話を聞いてると、全然レトインは悪くなんかないよ…


あなたが謝ることなんてない

悪いのはすべてジンじゃない!!」



志保の意見に、大悟も賛同した。



「志保の言うとおりだ


レトインがジョーカーを創ったというから、敵視してしまったが…


真相を聞いてみれば、レトインのせいなんかじゃない!

レトインが責任を感じることはないさ!」



レトインは2人の言葉に対し、大きく首を振った。



「いや…俺が許されるわけがない…

俺がネットで呼びかけ、力をジンに教えた…


俺が生み出してしまったんだよ…

あの悪魔のような男を…ジンを!!!


そしてジンはレイを殺した!!


レイまでもか、今度はトウマまでもだ!!!」



レトインは、もう動くことはない

横たわったヤコウ トウマを見つめた。



「トウマも…

そのままじっとしていればよかったんだ…


何事もなかったかのように、隠れ続けていればよかったものを…」



「どういうことだ…?」



「レイが殺され、ジンを共に倒そうと誘った時…

トウマは俺に全てを押し付け、自らは逃げた…


きっと、その時の責任を後に感じたんだろう

だからトウマは“キング”を創り上げた


ジョーカー…ジンを倒すためにな…


“こうなること”は最初から見えていた…


だから俺はなるべくキングには触れず


ジョーカーから遠ざけるようにしていたというのに…



なのにトウマは…

くそっ…!!くそーーっ!!!」



レトインは握りこぶしをぐっと作った。

悔しさからか、体は震えていた。


レトインの目には涙が溢れ、泣くのを必死に堪えているのが善には分かった。



「………」



そのレトインの姿を見て、善には感じるものがあった。

善は険しい表情でレトインを見つめている。




どんなに志保や大悟が、優しい言葉をかけようとも、“真実”は変わることはない。



レトインがジョーカーを創ったことは事実。


ジンにリミテッドの力を教えたことも事実。



レイ…トウマの死…


いくら後悔しようとも、その真実は変わることはない。



どれだけ謝っても、どれだけ償っても


許されることなどないのだ。




そんな時、人は

どうすればいいものなのだろうか…?




志保や大悟がいくら声をかけても

レトインの後悔が消えることはなかった。


自分を、今まで自分の行ってきたことを許せないでいた。



そんなレトインに、善が一言呟いた。




「くだらねぇよ」






3BECAUSE


第79話

 「ライジングサン・善 VS 元ライジングサン・レトイン」






善の一言に、レトインはすぐさま反応した。

レトインが少しカチンと来てるのが分かる。



「なんだと…?


貴様、もう一回言ってみろ」



「くだらねぇって言ったんだ」



臆することなく、再び善は言葉を繰り返す。

善はレトインの逆鱗に触れた。



「どこが……


一体これのどこがくだらないって言うんだ!!!」



レトインが吼えた。

その瞬間。


とてつもなく大きな光が放たれた。

それと同時に、強大なる力が一気に現れる。



大悟が即座に気づいた。



「こ、これは…


“エレクト”の力!!!」



こんな表情のレトイン…

見たことなどない…


レトインは怒りに満ち溢れていた。


しかし、それでも善は怯まない。



「おまえがな…

いくら悩もうが、悔やもうが…


もうレイもいなけりゃ、ヤコウもいやしねぇんだよ!!!」



あまりの善の言いぐさに、志保が慌て呼び止める。



「ちょっと善!!


そんな言い方あんまりよ!!

謝りなさい!今すぐレトインに!!」



「なんで俺が!?

はっ!俺はレトインとは違う!


俺は昔っからな

謝ることが大っ嫌いなんだよ!!!」



レトインが話に割って入る。



「だったら聞かせろ…善

今の話の、一体どこがくだらないんだ!!


俺がどんな気持ちで…

どんな覚悟を持って今まで生きてきたと思ってる!!」



「それは認めてやるよ!

並大抵の覚悟なんかじゃねぇ!!


俺にはとてもじゃないが真似できねぇ!!



けど…いつまで縛られてやがる…


いつまでそこに立ち止まってるつもりだ!!」



善の言い放った言葉も…


今のレトインには通じない。伝わりやしない。



「意味が分からん…

俺はちゃんと前に進んでる…


レイの死も乗り越えた…

すべてを受け入れた!!



だから今の俺がいる…

“レトイン”がいる!!


トウマの死だって…

必ず乗り越えて見せる!!


悲しんでる暇などないんだ!!!」



「それだって言ってんだよ!!


バカ野郎!!!」



レトインまでもか、今度は善の体まで突然光りだした。


善は怒りのままに、全力で右手を前に突き出した。


善の右手は真っ赤に燃え

その握られていた拳はレトインの顔面に当たった。

レトインの体は数メートル先まで吹き飛んだ。




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