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3BECAUSE  作者: Guru
78/131

第78話「新たな人格②」

あれほど善のリミテッドの素質を認めていたレトイン。


しかし、ジンはその善を上回るほどの逸材だった。



「このままでは負けると思った俺は…


トウマを誘った

レイの仇を、いっしょにとろう!!


とな

けれども、トウマは……」




『ジンをあんな姿にさせてしまったのは、全部おまえの責任だ


俺には関係ない

元々ジョカーを創って集めたのもおまえ



レイを殺したのも、おまえのようなもの…


俺はこの先、おまえを恨み続けるぞ!!』





「ひ、ひどい!!

ヤコウはなんてことを言うの!?


自分に非がないように、全部レトインに責任押し付けて…」



志保がレトインに同情するように、気持ちをくもうとするが……



「いや、いいんだ志保」



「えっ…?」



「それは言われた時は相当ショックを受けたさ…

けど、トウマの力は分かっていた


エレクトでないトウマがジンに挑むのは無謀な話だ


先は見えていた…

だからトウマは逃げたんだろう 自分の死を察してな」



「そんなの…

全然よくないじゃない!どこがいいのよ!!」



志保が怒るのも無理ないが、レトインは志保に優しく言った。



「いいんだ

それでトウマが生き残れるなら、俺はそれでいいと思った


ジンと戦っても死を迎えるだけ…

 

それならば、俺がどんな罪をかぶろうとも

トウマが生きていてくれさえいれば、それでいいとな」



「レトイン…」



「だから俺は、ジンに一人で挑んだ

持っている力、すべてを出し切ってな!


けれども結果は…



自分でも分かっていたように、俺の負けだった…」



「!!!


ジン…それほどまでに強いのか…」



「しかも情けないことに、俺はジンを殺す気で挑んだにも関わらず…


ジンはトドメをささず、俺を生かした…



そして、俺は生死を彷徨いながらも、俺はジンから逃げたんだ…


結局俺も逃げた…

はっ…俺も所詮トウマと同じさ!」



誰も何も声をかけられない。

レトインにかける言葉が見つからなかった。


レトインは話を続ける。



「それからだ…


ジンが新たなジョーカーのトップとなり、悪行を働き始めたのは…」



「それが今現在あるジョーカーの姿か!!」



「そうだ…


その後、俺はジンから命を狙われるようになった


俺を生かすも殺すもジンの気分次第なのだろう…

ジンからの逃亡生活が始まった



手始めに、俺の家族や友人…

俺に関わりのある人物が狙われていく…



大切な人を失うことを恐れた俺は、ただひたすらに逃げた…



ジンの目に付かないところへと、必死に逃げた


しかし、それだけではきっと無駄…

ジンの手から逃れることはできない…



そう思った俺は考えた


一度俺はこの世から消えた方がいいと」



『一度この世から消える』


メンバーはレトインの言っている言葉の意味が、理解できなった。



「この世から消えるってのは…


どういう意味だ?」



「俺は世間的に死んでることにした方がいいってことだ


俺が生きていれば、周りに危険が及ぶ…



だから俺は一度死んだことにする

俺という存在は、この世から消えるんだ」



「なるほど…

死んだとなれば、もう追う必要もなくなるな…


一度死ぬって意味は、そういう意味か」



「あぁ


俺はそうすることによって

ジンの魔の手から逃れることができた



数年間息を潜め

時期が来るのを待つ…


ジンが俺の存在を、完全に忘れ去るまでな…



そう計画を立てた時からだ…

その日から、その時から俺は自分の名前を捨てた


いや…

自分そのものを捨てたというべきか



今までとは全く別の人格…

その日から俺は自分のことを



“レトイン”



と名乗り始めた

俺が生きる理由はただひとつ…


ジンを倒すため、レイの仇をうつため…



そのためだけに生きる、新たな人生の始まりだ」




善はレトインの覚悟を初めて知った。


己のプライドも、自分自身の存在すらも、何もかも捨てて仲間のためにジンに挑んでいる。



普段クールで冷たいレトインの心の中に


まさかこんな熱き想いがあることなど、知るよしもなかった。



そして、善が気づかされたことがもう一つあった。




(レトイン…おまえ…


俺がリミテッドだと分かり

ジョーカーに命を狙われる恐怖に怯えていた時…


おまえは俺にこう言ってたよな…?



“今すぐここから、この場所から離れよう


ここには…失いたくないやつらがいるんだろ…?”




俺はこの時、おまえにはとてもじゃねぇがかなわねぇって思った…


人の心の中の気持ち、読めんじゃねぇのかってな…



けど…そうじゃなかったんだな…

おまえも…おまえみたいな心の強いやつでも…


ジンに怯え、大切なものを奪われることが怖かった…



俺と同じような想いをしてたんだな…)




善にはレトインの、その時の気持ちが

手に取るように、痛いように分かった。


善はレトインのことを、今まで勘違いをしていた。



レトインの覚悟は並大抵のものではなく


とても真似できることではなかったが…



レトインは俺らとは違い、特別な人間


常に冷静で、どんな時も強く

弱さなど一切見せない人間…



そう思っていた。


でも本当は違った。



(レトインも…俺と同じ…



普通の人間だったんだ)






第78話 “新たな人格”  完

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