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3BECAUSE  作者: Guru
76/131

第76話「ジョーカー創世記②」

今まで隠され続けてきた、リミテッドの歴史。


何一つ知ることのなかった過去に、大悟も驚きを隠せないでいる。



「まさかリミテッドの名付け親がレトインだったとはな…」



「あぁ だから俺達よりまえに、リミテッドと呼ばれた者はいない…


その意味が分かったろ?」



善達はなるほどとばかりに、こくりと頷いた。


レトインは再度話に戻る。



「それからの俺達4人は、自然と仲良くなっていった


同じような境遇を味わった者達だ

仲良くなるのに、時間はかからなかった」



レトイン、ジン、ヤコウ…

この3人が以前は仲良くやっていた


“友”だった。



今ではとても信じられない話だ。



「俺達は頻繁に会うようになり


“リミテッド”について研究し、力を扱うことの練習をした



この力は確かに恐ろしい力…

簡単に人を殺めることもできるだろう…


しかし、この力も使い方次第で、世の役に立つこともいくらでもあるはず



俺達は協力すれば、何だってできる!


俺はそう思っていた…



それが、そう思った者同士の集まりが


“ジョーカー”だったんだ」



(ジョーカー…!!


てことは、本当にジョーカーを創ったのは、レトインだったってわけか!


けど、今のジョーカーとは思想も何もまるで違う…)



確かにレトインは嘘はついていなかった。

しかし、話を聞けば意味合いも変わってくる…


善はモヤモヤが募るばかりで


『もっと早く打ち明けてくれれば…』


そんな歯がゆさを感じ取っていた。



ジョーカーやリミテッドが誕生した秘話を語るレトインだったが


いっこうに“レイ”は謎のままである。



なかなか話に出てこないレイに、志保が痺れを切らして聞いてみた。



「ねぇ…その“レイ”って人…


どんな人だったの?

さっきから全然出てこなくて…」



「あぁ…レイはとても明るいやつでな


ジョーカーにおける、ムードメーカーみたいな存在だった

4人の中に女が一人ってのもあったからか…


恐らくみんなレイが好きだった」



「えっ…?


レトインも!!??」



「ん…?


まぁな…」



レトインが照れくさそうに、恥ずかしながら答えた。


なんだかこの時初めてレトインの

“人間らしさ”を見た気がする。



そんな照れているレトインに、善が言った。



「なぁレトイン…


もしかしてレイって…

こいつのことか!?」



善はレトインに“あるもの”を投げた。



それは以前善が、四天王・琢磨との戦いの後に見つけた


写真が入ったペンダントだった。



「!!

お、おまえが持ってたのか!?」



「あっ!それって…


確か女の人が写ってて…」



レトインはペンダントを開けた。

そこには笑顔の女性の写真が入っている。



「そうだ…この写真に写っているのが…


レイだ

もう一人の、リミテッドで、ジョーカーの一員だ」



「やっぱりな…


で、その人は今どうしてんの?

その人だけ会ったことがねぇしな」



何気なく聞いた善に、レトインはうつ向き黙った。

そして、レトインはゆっくりと顔をあげて答えた。



「レイは…




死んだ

殺されたんだ ジンにな」




「!!!


なっ、なんで!?

だっておまえら仲良かったんじゃねぇのかよ!?」



レトインの表情は一気に暗くなった。


もしかしたら、その時のことを、思い出していたのかもしれない。



少しの沈黙の後、レトインは言った。



「仲良くやっていた…そう思っていたのは、俺ら…


いや、俺だけだったのかもしれない…



これがすべての始まりだったんだ…

レイの死…


ここからすべては始まり

俺、ジン、トウマ…


すべてはバラバラになっていったんだ!!」






第76話  “ジョーカー創世記” 完

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