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3BECAUSE  作者: Guru
75/131

第75話「ジョーカー創世記①」

9年前。

八光 灯馬はある不思議な力を身につける。


その力は、のちに“リミテッド”と呼ばれるものであった。




『なんなんだこの力…


あきらかにおかしい…

どうなってんだ…俺の体は…』



自分という存在に、疑問を持ち始めたヤコウ。


少しでも何かこの力について、情報が欲しい

本やパソコンを使い、調べる日々が続いた。




そんなある日



『チッ…今日も何も手がかりなしか…


それもそうだよな…

こんな漫画やゲームの世界のような話、現実にあるわけがない…


俺はどうかしちまってる…』



いくら調べても、一向に手がかりはつかめない。


ネットで調べても、どれも冗談交じりのような

漫画やゲームの、非現実的な世界の話しか出てこない。



ヤコウがあきらめかけた、その時…


ある一つのサイトにたどり着いた。



『ん?なんだこのサイト…


サイト名は…“ジョーカー”…?』






ようこそ、ジョーカーへ



ジョーカーはいつも仲間はずれ


周りとは違う


同じカードであるはずなのに


周りとは違う扱い、特別な存在である



ジョーカーにペアはいない


いつも厄介者の一人ぼっちだ


でも、忘れないで欲しい


ジョーカーにもペアはいる


ジョーカーのペアはジョーカーだけだ


俺達は仲間だ 独りではない


この言葉の意味が分かる者が、必ずどこかにいると

俺は信じている…






『な、なんだこのサイト…


ジョーカー?なんだか気持ち悪いな…』



危険な香りのするサイトに訪れてしまったヤコウ

は、即座にこのサイトから抜けようとした。


ヤコウがマウスのボタンをクリックしようとした直前


ヤコウはサイト内のあるものを見つけた。



『ん?これはこいつの日記か…?


世の中頭おかしいやつもいるもんだ…

ちょっとこいつがどんな日記書いてんのか、見てみるか!』



ジョーカーのサイトの制作者による日記。

興味本位でなんとなく覗いてみたヤコウであったが…


その日記を見たヤコウに、衝撃が走った。



『こ、この日記の内容…




まるで俺と同じじゃないか!!!』




その日記に書かれていたこと…



それは著者本人の、奇跡ともいえる生命力。


それとほぼ同時に起こった、父親の不可解な死。


そして……




己に宿る、人間離れした“不思議な力”




いくつもの共通点を見つけ、ヤコウは思った。



『このサイトは…本物だ!!』



ヤコウはサイトの日記を隅々まで読んだ。


すると、最新の日記の最後には、こう書かれていた。






もし俺と同じ仲間、同志がいるのなら


○月×日 深夜0時

△△前にて、俺は待つ


力を見せ合って、確かめよう


俺達は決して一人じゃない






『○月×日って…来週じゃないか!


どうするべきか…』




サイトの内容、かもし出す雰囲気


ヤコウは恐怖を覚え、このサイトの張本人に会うことなど、とてもじゃないが怖かった。



しかし、それでもヤコウは、この力について知りたく

何より……



誰一人この力の存在のことを話せず


独りだった…孤独だった。




『いや!行こう!!

間違いなくこいつは俺と同じ力を持ってる!


俺とこいつは…同じ仲間だ!!』






BECAUSEスリービコーズ


第75話

 「ジョーカー創世記」






話は現在に戻る。

レトインがライジングサンのメンバーに、すべてを話そうとしている。



「俺はネットで呼びかけた

俺のように不思議な力を持つやつがいたら、集まろうと



そこに現れたのが…


“二階堂 仁” “八光 灯馬”


そして…



“レイ”」




知らない名前の人物が、善達の耳に飛び込んできた。

志保がポカンとした表情で聞き直す。



「レイ?聞いたことない名前ね…」



「あぁ、ジンでもトウマでもない


もう一人の女の“リミテッド”だ」



(女…?もしかして…)



善は女性のリミテッドと知り、思い当たる節があった。


しかし、レトインはその“レイ”の説明を詳しくすることはなく、再び話の続きを語り始めた。



「俺達は力を見せ合った


だが、他の3人はまだうまく力を使えず…

一番うまく力を使いこなせているのは俺だった


力を操るコツはこいつらから得ることはできなかったが…


3人の話を聞いてあることが分かった」



善が首を傾げる。



「あること…?」



「それは…



死を迎えているはずの自分が生きていること…


それに伴って、自分の大切な人が死んでいること…



そして、それ以降に“不思議な力”が身についたこと!」



いくら鈍い善でも分かる。



「その条件って…」



「そうだ

そこで俺達は、その力に名前をつけた…



“リミテッド”と!!



その条件こそが、リミテッドの条件だったんだ」




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