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3BECAUSE  作者: Guru
62/131

第62話「2度目の終わり①」

ライジングサンVSジョカー四天王・琢磨


大悟とエーコは倒れ、残すは善と志保の2人。

琢磨はここに来て本気を出そうとしている。


天井にあった、いくつもの電球を自らの手で破壊し、一切の光を封じ込めた。



すべては“闇”に包まれた。






BECAUSEスリービコーズ


第62話

 「2度目の終わり」






忘れかけていた善も思い出したようだ。



「これか…俺達が最も恐れていた、最悪の事態は…」



「完全にこのエリアは俺のものになった


もうどうあがいても俺には勝てねぇ!!」



暗闇に包まれ、琢磨の顔は見えなかったが、琢磨が笑みを溢しているのが想像つく。



「これじゃ…何も見えないじゃない…


しかも相手は“闇”の力…

どうすればいいの…」



志保も困惑している。

足下すらよく見えないほどの暗さだ。



(くそっ…こうなるまえに、やつが余裕こいてる間に倒さなければならなかったのに…

 

何か…何かいい手はないか…

そうだ!!)



善は後悔しながらも、何かを閃いた。



「すべてが闇なら…

俺の“火”の力でなんとかしてやる!!」



善は残された力を振り絞って、火の力を放とうとする。

火の持つ“光”の力で闇を消し去るつもりだ。


しかし……



「メンタル切れだよ…橘善


今のおまえに、この大きすぎる闇を打ち破るほどの力は残っていない!」



今の善には、あまりにもこの闇の存在は強大すぎた。

このテリトリーを脅かすことなどできない。



「さぁ…これで終わりにしよう、橘善!!」



琢磨の与えた猶予もここまで。

ついに善達を仕留めにかかった。


琢磨が闇の中を、自由自在に駆け回る。

闇に包まれ、姿、形は一切見えない。


大悟が闇に包まれれば

『琢磨のフィールドと化す』


そう言っていた意味が、ようやく理解できた。



「どこだ…?どこにいやがる!!

出て来い琢磨!!」



善は琢磨の姿をなんとかして捉えようと必死だ。

琢磨が善に声をかける。



「いいか善?リミテッドの力とはな…

今いるフィールドに大きく影響するものだ」



その話は、以前志保からも聞いたことがある。

志保が有するウォーター・リミテッドならば、水の多い場所…


すなわち海や川などが戦場となると、より強力な力を発揮することができる。



琢磨が有するダーク・リミテッド

まさに闇に包まれた今こそが、より強力な力を発揮できることとなるのだ。



「俺は今、闇の力を徐々に徐々に、体に纏い続けている…


その蓄積された力を、大鎌にのせておまえをぶった斬る!!

それですべてが終わる」



「チッ…


(ただでさえこっちは体もボロボロだっつーのによ…

居場所すらよく分からねぇなんて…


どう防げばいいんだ…?)」



善は少し黙って考えたあと、志保に小さな声で言った。



「志保…


覚えてるか?このまえ話したこと…」



「えっ…?」



志保の居場所すらよく分からないほどの闇。

声だけがすべての頼りである。



「俺がやられても…大悟やエーコが倒れようとも…



命ある限り、すべては終わらないって話だ…」



「…………


覚えてるわよ…」




四天王・琢磨と戦う前夜。

善は志保にこんな言葉をかけていた。



『なぁ…志保…


明日の四天王戦…

もし俺が負けそうになったら…



おまえらだけは逃げてくれ』




これは決してマイナスな考えで出た発言ではなく


例え自分が死んでも、ライジングサンの誰かがジョーカーを倒す。


そんな先を見据えた、善なりの覚悟であった。



「まだ大悟もエーコも生きてる…


死んではいねぇ…

2人をつれて、志保、おまえは今すぐこの場を離れろ」



「!!!


ば…ばか言わないでよ…

それに、私もあんたといっしょに覚悟決めるって、そん時言ったでしょ…?


あんたこそ、そのこと忘れたわけじゃないでしょうね!?」



「うるせぇ!!!

いいから早く言うとおりにしろ!!!」



善は志保の言い分など聞くこともせず、思いきり叫んで自分の意見を無理矢理貫いた。



「時間がねぇんだ…早くしろ…


ヤツの狙いはきっと俺だ!

ここで…ここで全員死ぬわけにはいかねぇんだよ…」



「善……」



すべてが丸聞こえの琢磨。

琢磨が嬉しそうに、声が上ずる。



「なんだ…あきらめたの?


まだまだこれからなんだろ?

まだ俺は“見てない”んだって…」



また意味の分からぬことを言う琢磨。

善がハッタリと共に強がった。



「黙れ!!だからわけ分かんねぇつーの!!


志保達を逃がしてから、てめぇとの勝負を存分に楽しむんだよ!!」



「ふっ…

ホント口だけは達者だな…


もういいだろ…?

死ぬ準備もできたはずだ…



死ね!!!橘善!!!」




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