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3BECAUSE  作者: Guru
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第57話「捨てられぬプライド①」

ジョーカー四天王・琢磨VSライジングサン


ダークリミテッド、闇の力にライジングサンは苦戦していた。



天井にわずかに光る、今にも切れそうな灯り。


そこから放たれる光から、自分達の分身の“影”が産み出されていた。



「あの天井の電球を破壊すれば、恐らく影は消えるだろう…


しかし、あの光がなくなれば…

もはやこの空間はヤツのフィールドと化すだろう」



「マジかよ…


でもそれおかしくないか?

だったらなんで最初から真っ暗にして戦わないで、影なんか作って回りくどい戦い方を…


って…もしかして…



あいつ…

まだまだ本気じゃない…?」






BECAUSEスリービコーズ


第57話

 「捨てられぬプライド」





善は隠された琢磨の真の力の存在に気づき、怯えた。



「なんてことだ…

ただでさえ影のドッペルゲンガーを攻略することに必死だって言うのに…


やつはまだまだ力を隠し持ってるってのか!?」



一同が言葉を失った。


未だドッペルゲンガー攻略の糸口さえ見いだせていない。


絶望感漂う中、それでも志保は負けじと攻める。



「そう考えるとすごい先が思いやられるけど…


まずはこの影…

なんとかするしかない!!」

 


影との戦いで、どんどんメンタルを消費していく。


本体の琢磨と戦う前に、すべてを使いきるわけにはいかない。



しかし、善達の前にはいずれも影が立ちふさがる。



「くそっ!!邪魔すんな!!


俺達はおまえら影を相手にしてる場合じゃねぇんだよ!!

琢磨を伐たなきゃ…じゃなきゃ意味ねぇんだ!!」



ここでエーコの頭の中に、嫌な予感がよぎった。



「あたし…思ったんだけどさ…


この影を倒しても…

また琢磨が新しく影を作り出すだけなんじゃ……」



「!!!」



「せっかく影を倒しても、やつが目を覚ませばまた新しく影を作り出される気がするし…


それに寝てるからメンタルの消費も少ないんだろうし…」



エーコの推測に大悟も納得。

嫌な汗が流れる。



「あり得るな…


例え実体となった影を倒したとしても、きっと影はまた本来あるべきの姿に戻るまでだろう…


そしてまたやつが力を影に注げば、ドッペルゲンガーとして動き出すに違いない…」



これはあくまでエーコと大悟の推測にしかすぎなかったが、今ドッペルゲンガーとして生み出されている影…


この影は善達の地から離れて動き出している。



普段は地から離れずついてくるはずの影が、実体となって意思を持ち動き出しているのだ。


そうなるとドッペルゲンガーを倒したとしても、完全に消滅するわけではなく…


また元あった地に戻ると考えた方が自然であった。



その事実を知って、志保は不安な表情を見せる。



「もしそれが本当だとしたら…


影を倒しても倒してもキリがないじゃない…

この戦い…どうなるの…?」



「確かにキリがねぇな…


もうこうなったらマジであの電球ブチ壊して、本気で勝負するか!?

これじゃいくら戦ったって終わらねぇじゃねぇか…


ん…!?待てよ…」



少しヤケを起こしそうな善であったが、その時あるおかしなことに気づいた。



「何だか俺の影…

こいつだけみんなと比べて何か変じゃねぇか…?」



今戦っているドッペルゲンガーは、メンバー全員分

すなわち4人分存在している。


善、志保、大悟、エーコの分身と呼べる影だ。

しかし、その中でも善の影だけに違和感がある。



「!!!


本当だ…

善の影だけ、他の影と比べると…


一回り小さくなってる…?」



「分身なわけだから、背丈も体格も同じはずなのに…


俺のだけ自分の身長より低くなってる!!

でもなんで俺のだけ…」



志保の指摘に、不思議がる善。

ここで大悟が察した。



「もしや…


善の武器がそうさせたんじゃないか!?」



「俺の武器…?

このイフリートソードが…?


そ、そうか!!

考えてもみろ!あの分身共は、いくら同じ強さを持つと言っても…



所詮は“影”、“闇”だ!!

ってことは、もちろん“光”に弱い!!


俺の火の力による光で、どんどん力が弱まってたのか!!」



火とは光の性質も持ち合わせている。

闇の力には相性がいい。


ドッペルゲンガーをまるで攻略できないでいたが

ここに来てようやく攻略の糸口が見えてきた。



「そうと分かれば楽勝じゃん!!


火の力でやっちゃえし!!」



突破口を見いだし、急に強気になるエーコ。

その勢いに乗るように、善が言った。



「あぁ!!

なんでこの“相性”に気づかなかったんだ!!


くらえ!ファイヤー!!」



善は自分の影に向かって、火の力を放った。


すると、善の影は火を怖がるようにして逃げまとう。



「おっ!効いてるみたいだな!


でもこれじゃかわされちまう…

逃げれねぇくらいの、もっとデカイ力を溜めて一気にブッ放す!!」



「それなら任せろし!

その間、あたし達が時間を稼ぐし!!」



弱点さえ分かってしまえば、もはやライジングサンのペース。


守りに特化したエーコを筆頭とし

力を溜める善を、全員で影の攻撃から守る。



そして、準備は整った。

デカイ火の塊を善は作り上げる。



「おし!こんなもんだろ!

みんなありがとよ!


溜めるに溜めた力、見せてやる!!


“火炎地獄”!!!」




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