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3BECAUSE  作者: Guru
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第39話「ライジングサン・大悟VSキング・英子②」

「!!!


バカ野郎!!てめぇこそ何ふざけてやがる!!

俺が何のためにこうやって一人で……」



「よそ見してるし あんた余裕あんじゃん!」



大悟は善に気を取られ、そこには大きな隙ができていた。

その隙を英子が狙う。



「大悟!!危ない!!」



英子の存在に気づいたレトインが叫ぶ。

大悟は我に帰り、すぐさま英子の方を見た。


すると英子は、大悟が持つ大剣に軽く手を添えていた。



「“絶対零度”」



英子の攻撃にギリギリに気づき、身の危険を感じた大悟は、瞬時に大剣から手を離した。



「へぇ~…さすがじゃん!


こんな状況でも、冷静な判断できてるし」



余裕からか、相手を誉める英子。

大悟は冷や汗たっぷりだ。


なぜなら、大悟が持っていた大剣は完全にカチコチに氷っていたからだ。



「助かったぜ…レトイン…」



「おまえがよそ見なんかしてるからだ!!」



もし大悟があのまま大剣を握っていたら


今頃大悟の体も、いっしょに氷っていたところだろう。



「危なかった…俺の体ごと持ってかれるとこだった…


しかし…貴様…」



実は大悟は、先程からひとつ気になっていることがあった。



「なんなんだ…貴様の戦い方は…?」



険しい顔で英子を睨み付ける。

何のことかさっぱりで英子は知らぬ顔だ。



「どういう意味だし…」



「今の攻撃然り、地を凍らす技も然り…

明らかにメンタルを多く消費する技


それなのにおまえは、まるでもってメンタルの計算をしていないように見える…


一体なんなんだ!貴様の戦い方は…」



大悟の言ってる意味が、ようやく理解できたのか、何の躊躇いもなく英子は答えた。



「そんなの簡単じゃん!

私が誰よりもメンタルを多く持っているからに決まってるじゃん!!」



「なんだと…?誰よりもだって…?」



「そう

メンタルの多さだったら、私は誰にも負けないし


リーダーにだって負けない…

ジョーカーのリーダーにだって負けるわけないし!!」



(こいつ…この自信はいったい…)」



きっと冗談でも、こんな発言はしないだろう。

それほど自信を持っていると思われる。



「だから…またもう一回、絶対零度を放って終わらしてあげる


アイスニードル!!」



英子の手から再び、氷の無数のつららの矢が放たれる。

大悟にはもはや、かわす体力すらない。



「ぐわぁっ!!!」



「これでもう普通に動くことすらできない…


悪あがきもここまでだし」



英子がゆっくりと大悟の目の前まで歩み寄る。


きっと次の攻撃で、大悟は志保のように凍り付けにされる。



(善…まだか…?あいつは一体何やってやがる…


まぁいいか…

俺がここで凍っちまっても、善がなんとかしてくれるだろう…


頼んだぜ…善…)



大悟は自分の終わりを覚悟した。

英子の手が大悟に触れる。



「これで終わり



絶対零度!!!」



英子の手から力は放たれ、大悟が徐々に凍り始めていく。





その時だった




「“火炎地獄”!!!」




「!!!

なっ、なんだし!?この炎と熱気は!?」



突如現れた無数の炎の柱。

その存在に英子は驚いた。



「おいおいおい…

またあきめちゃったのか?大悟くん!!」



善が笑いながら、ゆっくりと大悟の横まで歩み寄る。


先程まで、辺り一面は氷に覆われてたのとは一変。

大悟達をぐるっと囲み、円をつくるようにいくつもの炎が立ち上がっていた。



「!!氷が…溶けていく!?」



その炎の熱気により、みるみるうちに大悟の体の氷は溶けていく。


そして…



「ケホッ!ケホッ!


……?

なんなの…この熱さは…?」



「志保!!!」



今まで凍り付けになっていた志保の氷まで溶け、志保が意識を取り戻した。



ここで大悟がようやく善の行動の意味を理解した。



「善おまえ…志保の氷を溶かすのをさぼってるのかと思いきや…


このバカでかい炎の力を出すために、今までずっと力を溜めていやがったのか!?」



「あったりめーよ!!


ヒーローは、ギリギリの間一髪んとこでやってくる

そいつはお決まりなんだよ!!」



人差し指で鼻をすすり、少し照れ臭そうにしながらも善はカッコつけた。


デカすぎる善の力に、英子は腰を抜かした。



「あ、ありえるわけないじゃん!!こんなの!!


なんでよ!?さっきまで四天王と戦ってて、メンタルは切れてたはずじゃん!!!

それなのに一体こんな力が…どうして……」



戸惑い続ける英子に対し、大悟が得意気になる。



「だから言っただろ?さっきよ


貴様はメンタルの多さなら誰にも負けないって言ったよな…?

ジョーカーやキングのリーダーよりも上だってな!


善はメンタルの多さじゃ勝てねぇかもしれねぇが…


“メンタルの回復の速度”

こいつなら善は誰にも負けねぇ!!


ジョーカー、キングなんて目じゃねぇよ !!!」


「!!!

そんな…ありえないし!!」



英子はそんなものただのハッタリだと思っていた。


しかし、たった今、その善の驚異的な力をまじまじと見せつけられている。



大悟の誉め言葉も満更ではなかったのか、善はニヤニヤとしている。



「なんで大悟がカッコつけてんの知らねぇけどよ…


何はともあれ、志保も大悟も無事みたいだな!

あとは……」



そして、笑っていたかと思われたが突然、善の目の色が変わった。



「おまえだけだな 英子!!

覚悟しろよ…


志保を、大悟をいたぶってくれた分…

いや、利子がつくぐれぇ返してやっからよ!!!」






第39話 “ライジングサン・大悟VSキング・英子” 完

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