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3BECAUSE  作者: Guru
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第37話「傷だらけの戦士②」

「やるじゃん?あんたら?

ホントにすごいし まさか勝っちゃうとは思わないし」



「て、てめぇは……」



メンバーの全員がこう思った…



『なんでこんな時に…』



だが、すぐさま気づく。



『こんな時“だからこそ”現れたのか』と。



“あの日”から何日が過ぎただろう。

ライジングサンとは二度目の接触となる。



ジョーカーと相対する、リミテッドだけで構成された闇の組織




“キング”




キングの一員が、善達の前に姿を現したのだ。

善は警戒し、戦闘体勢をとる。



「おまえ…またずっと隠れて見てたのか…?」



「ずっとじゃないし 途中からだし」



相変わらずの全身真っ黒の衣装で、特徴的な話し方をするこの女。


以前は、善の視察として一度姿を見せた。



その時も現れたのは、戦いを終えた直後…

善達が疲れきっている状況であった。



「あんたら汚いのよ!やり方が!!


私たちがボロボロの状態になってから出てくるなんて!!」



志保が誰よりも先に怒りを爆発させた。



それも無理はない。

志保が死にそうになりながらも奮起し、なんとか四天王を倒したというのに…


すぐさまキングが現れ、弱りきったところを攻められ、命を落としてしまったりでもしたら…



志保が怒るのも当たり前の話であった。



「汚い…?なんの話?


勘違いしてるみたいだけど、あたしはあんたらとやり合うつもりなんてないし」



肩透かしをくらうが、大悟は一切気を緩ませない。



「何…!?

だったら貴様は何しに来やがったんだ!!


また善の偵察か!?」



「違うって…今日は話があってきたんだし」



「話…?

俺達と戦うつもりはないってか…?」



敵対視し続ける善達に、さすがにキングの女も苛立ちを見せる。



「だからないってさっき言ったじゃん!


あんたらに話があるだけ

やり合うつもりなら、さっきのうちにやってたし」



「……?」



キングの刺客の発言に対し、一同は首を傾げた。



「分かんないの?


あんたら全員に話があるから、そこの女の目が覚めるまで、あたしが待ってたんじゃん!!」



(!!!

こいつ…わざわざ志保が目覚ますまで、おとなしく何もせずに待っていたと…?


ヤツの言うとおり、単に話があるだけなのか…?)



妙に納得してしまった。

確かにやるつもりならば、すでにやっていてもおかしくない。


キングの刺客の言うとおり、メンバー全員が、そう素直に受け入れることができた



 

志保を除く、ライジングサンのメンバーは……




今の志保に、冷静さはなかった。

ただでさえ先程目を覚ましたばかり。


ここで志保は、大きく判断を誤った。



「うそよ!!ふざけないで…


またそうやって今回も逃げて、次もまた私達が瀕死になったら出てくるってわけでしょ!?


逃がさない…今回は逃がさないわよ!!!」



「志保!!やめろ!!熱くなるな!!!」



レトインが大きな声で叫び、志保に冷静さを取り戻そうとした。


だが、今の志保には聞こえやしない。



(やめろ…志保…今の状態で戦って、勝てるわけがない!!)



「何たくらんでるか知らないけどね…

あんたらの好きにはさせないわよ!!」



志保は水の力を溜め始めた。

今はまずいと判断し、大悟も慌てて止めに入る。



「やめるんだ志保!!手は出すな!!」



「何言ってんのよ大悟…ここで逃がしたら、またやつらの思うツボ


私達の力を思い知らせてやるのよ!!



くらいなさい、ウォーター!!!」



レトインと大悟が止めるも、志保は制止を振りきり、ついにキングに手を出そうとしている。



「忘れたの…?まえ言ったじゃん…


もう知らないし!!」



志保の水の力を放たる直前。

身の危険を感じたキングの女は、やむ終えず“リミテッドの力”で反撃した。




ライジングサン・志保VSキング



その勝負の結末は、“一瞬”でついた。



「えっ…!?志保…?」



キングから放たれたリミテッドの力

善は志保の方に目をやる


善の目に映ったのは……




“凍りづけになった”志保の姿だった。



「し…志保!!!」



「まえ忠告したじゃん…


あんたの能力は、あたしの能力に“相性”は最悪だって…



“アイス・リミテッド ”


“氷の力!!!」



志保の手から放たれる水の力・ウォーター。


キングの操る氷の力は、そのウォーターから志保の手に伝わる。


そして氷の力は全身に行き渡り、志保は完全に凍りづけになってしまったのだ。



志保は全く動くことはない。

志保の大変危険な状態に、レトインが大声をあげた。



「何やってる善!!早くしろ!!」



「えっ!?俺…?」



「おまえの“火”の力で、志保の氷を溶かすんだよ!!

早くしろ!!!


じゃないと…

今度こそ本当に死ぬぞ!!」



「!!!

あ、あぁ!分かった!!」



善がすぐさま志保にかけより、火の力を使って志保の氷を溶かし始める。



この状況で、“あの男”が唯一取り残されてしまった。



「なぁ…今更、やっぱさっきのはなし…


ってのはだめかな…?」



「なめんな もう遅いし」




土井 大悟




ジョーカー四天王・綾音との戦いで、すでに傷ついてる大悟が


たった一人で“キング”に挑むこととなる。






第37話 “傷だらけの戦士” 完

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