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3BECAUSE  作者: Guru
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第21話「闇の中の訪問者②」

何かに気づいた善は、口を緩ませ、にやついた。


その顔を見て、レトインも察した。



(ようやく気づいたか…善

“力”とは…本当の力とは、こういうことだろ…



かませ!おまえの最強の武器の“拳”をよ!!!)



「観念しろよ大悟!思いっきりぶっ放してやる!!


(今、雨のせいで火の力は使えねぇ…

けど、火を放つんじゃねぇ…火の力を溜める


溜めて…溜めて…そして一気にぶっ放す!!


拳を燃やすんじゃねぇ…



拳を…爆発させるんだ!!)」



火の力を溜め続けた善の片手は、赤く光り輝き出した。



「行くぜ!!


“ブラスト ナックル”!!!」



光に包まれた善の手は、パンチを繰り出すとともに爆発し


身動きのとれない大悟の体に、炸裂した。



「やった!!決まった!!」



「ハァ…ハァ…どうだ!?大悟!?」



「がっ…ぐっ…」



大ダメージを受けた大悟は、もはやまともに声をあげることすらできなかった。


善が大悟の近くにかけより、大悟の体を揺すりながら問う。



「おら!なんとか言え!こら!負けたって言いやがれ!このやろう!!」



レトインが鼻で笑いながら善に言った。



「バカが!!


こういう姿になったやつのことを…

負けって言うんだよ」



「か、勝ったのか…?俺たち!?」



「えぇ 雨が降らなきゃ勝ち目はなかった…


かなりラッキーだったけどね」



「か、勝った…勝った…!!よっしゃーー!!!」




気を失いかけて、ぐったりした大悟を目の前に


大声で歓喜の声をあげる善。それを見て微笑む志保とレトイン。



終わった…長き一夜が。


ジョーカーとの戦いが、夜の世界が終わりを迎えた。


そんな安心感から、3人は気を緩めた






その時だった



パンパンパン!!


どこからか拍手が聞こえる。


その拍手は、実にわざとらしく、不快な音色を奏でていた。



「誰だ!!??」



「すごいじゃん!まさか倒しちゃうなんて!

予想外だし」



木の陰から一人の女が姿を現し、こちらに歩み寄ってくる。



「な、何者だ!!てめぇは!?」



拍手をしていた人物は、まさしくこの女だった。


背は低めで、特徴的な衣装を身にまとっている。

全身真っ黒の衣装に、フリルのスカート。


闇にとけ込むにはちょうどいい。見るからにも怪しげな雰囲気が漂う。



「何者って言われてもねぇ…


別に答える必要ないし」



突然現れた謎の女に、怒りをあらわにする善。



「なんだと!?

てめぇ…いつからそこに隠れていた!?」



「いつからって…だいぶまえ?


だいたいのあんたら“リミテッド”の戦いは見てたし」




“リミテッド”




この一部の者でしか知らない、いや、リミテッドである者しか知らないであろうフレーズ。


その言葉を耳にした志保は、形相を変え、謎の女につっかかっていった。



「今“リミテッド”って言ったわね!?


あんたも、リミテッドなのね!?」



志保も見知らぬ女の存在に、善は戸惑った。



(えっ…?志保もこいつのこと知らない!?

ってことは、こいつ…


ジョーカーではない…?)



「さぁ…?そんなのどうだっていいことじゃん?」



「いいわけないでしょ!あんたそれ以上ふざけてると、容赦しないわよ!!」



志保が謎の女に腹を立て、戦闘体勢に入る。


今の志保にほとんど力の残っていない。


残された僅かの力で、志保は水の力を放とうとするが、謎の女が忠告する。



「やめといた方がいいよ


あんたの能力は、あたしの能力に相性最悪だし」



志保の手が、ピタッと止まった。



「なんですって!?そんなハッタリ誰が…」



それでも力を使おうとした志保に対し、レトインが叫んだ。



「やめろ!!!志保!!!」



「!!!

な、何よ!レトインまで…」



「へぇ~…あんた頭いいじゃん?

そこの女…あんたもちょっとは頭使った方がいいし


あんた怒りに身をまかせて、メンタルの計算できてないんじゃん?

今戦うのは、自殺行為だし」



「………」



そう言われて、ようやく志保は冷静さを取り戻した。


謎の女は話を続ける。



「悪いけどあたし、今日はあんたらとやり合うつもりないし


偵察に来ただけだし」



「偵察…?」



「そう…そこのあんたのね」



謎の女が指を指す。

その指の先には善がいた。



「俺…?」



「まっ、今日はこんぐらいってとこで


じゃぁねぇ~」



勝手に現れ、好きなだけ喋るだけ喋って、謎の女は立ち去ろうとする。



「ちょっ…待ちなさいよ!!」



しかし、志保も、善も誰も女を追うことはしない。


あの女の言うとおり、事実、こちらのメンタルが切れていたからだ。


今、追って戦っても、簡単にやられてしまう。

どうすることもできない。

謎の女は闇の中へと消えていってしまった。




あまりにも突然の出来事だったため、呆気にとられる一同。


特に善は、全く状況を飲み込めていない。



「な、なぁ!あいつもリミテッドか!?

なんだったんだ!?今のやつ…」




「………」



黙る志保とレトイン。


そして、沈黙のあと、志保が言った。



「“あいつら”ね…」



「えっ!?あいつら…?それってどういう…」



「………」



それでもレトインは黙る。何も答えようとはしない。

しつこく善が問いかけた。



「だから!!あいつらってなんなんだよ!!」



「ジョーカーじゃなきゃ、残るはひとつしかないでしょ…



“キング”」



(キング!?それって一体!?)






第21話 ”闇の中の訪問者“ 完

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