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3BECAUSE  作者: Guru
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最終話「4BECAUSE」

長きに渡ったライジングサンとジョーカーの戦い。


善は宿敵・ジンを打ち破り、勝利をおさめた。




「か、勝った……!!」



「善がやったんだ!!」



ライジングサンのメンバーが駆け寄り、善の周りに歓喜の輪ができる。


するとエレクトの力を出しすぎたのか、善にも限界が訪れた。

膝から崩れ落ちる。



「善!!大丈夫!?」



「あぁ…大丈夫だ


本当に危なかった…

ジンが先にぶっ倒れてなかったら、勝つことなんて到底できなかった…」



善が2度目のリミテッドとならなければ、この勝利は得られなかっただろう。


奇跡が奇跡を呼んだ。

すべてが合わさらなければ、成しえなかった勝利だ。



メンバーの一同は、喜びを分かちあったのも束の間


そのままの足で、あの海の見える場所へと向かった。




恐らく今日が、善達の生涯で最も長い夜になったに違いない。


朝日が昇る。夜明けを迎えようとしていた。



全員地べたに座りながら、ゆっくりと昇る太陽を眺める。


そこで善だけが、すっと立ち上がった。



「泣かない…俺、泣かないからな…」



自然と他のメンバーも立ち上がった。



善の目から涙がこぼれ落ちる。


志保が優しく声をかけた。



「そうよね 泣く必要なんてないもの


善自分で言ってたんだから」



志保に続けて、大悟が言った。



「いるんだろ?おまえの心の中に……」



善は目を擦り、涙をぬぐった。



「あぁ いるよレトインは俺の中に


だから寂しくなんかねぇ



俺といっしょに生き続けて行くんだ」



エーコが大きく背伸びをする。



「夜が明ける…


新しい一日の始まりじゃん!」




例えどんなことが起きようとも、今日もまた陽は昇り、新しい一日が始まる。




善はこの朝日が昇る瞬間が、たまらなく好きだった。



今日を生きる、今を生きている



不思議と、そう実感できる気がするからだ。



善にとって、昇りつめる太陽の光は


まさに生きる希望そのものだ。



(俺も新しい自分にならなきゃ…


一歩一歩前に進まなきゃな…)



善は更なる進化を遂げるため、前に進むことを決めた。





“リミテッド”





こいつは俺に命の大切さを教えてくれた。


愛がこもっていたという証でもある。



俺はこいつを胸に刻み


親父とレトインと共に、前へと進むんだ



共に生きていくんだ!!




親父 レトイン



ありがとう!!





善は心の底から感謝した。


そしてこれを最後に、善は泣くことをやめた。





善は前を向き、再び歩き始める。


善が決意新たに、次の一歩を踏み出そうとした、その時



大悟が善にあるものをそっと差し出した。


それはひとつの封筒だった。



「なんだこの封筒?手紙…?」



「東條からだ 開けてみろ」



大悟は東條との別れ際、ひとつの封筒をもらっていたのだ。




『おまえもいっしょに善とレトインのとこに行くか?東條』



『いえ 私が行っても邪魔になるだけですので…



それよりも、もし善が勝つことができたら…


これを善に渡してください』




善は封筒の中身を開けた。


その中に入っていたのは、手紙ではなく、ある場所が示された地図だった。



善達は躊躇なく、地図の示す場所へと向かう。




その場所にあったものは………







「レイ………」







レイのお墓だった。



「どうして東條がこの場所を……」



「よく行ってたんじゃないか? ジンが」



「!!!


やっぱり…あいつ……」




善達はレイに手を合わせ拝んだ。


昔の写真を見ただけで、全員面識はない。



しかし、善だけは長い時間、静かに目を瞑り、手を合わせ続けた。





レトインがレイと話したそうな…そんな気がしたんだ



レトインとヤコウ



二人のお墓はここに建てることに決めた。




こうして、長かった善の戦いは幕を閉じた。













BECAUSEスリービコーズ


最終話

 「4BECAUSEフォービコーズ






それから3年後……






(はぁ…はぁ…まずい…


これじゃ今日も学校に遅刻しちゃう!!)




私の名前は



“奥居 杏奈”



ただいまピンチです。焦ってます。





ドン!!!





「きゃぁっ!ごめんなさい!!」



急ぐアンナは、時計を見ながら走っていた。


よそ見をした瞬間、男の人とぶつかってアンナは尻餅を着いた。



その男はフードを頭から被っており、顔を隠している。

いかにも怪しい格好だ。



(やばっ!変な人とぶつかっちゃった……)



その男は手を差しのべる。



「大丈夫か?アンナ」



(!!!


なんでこの人、私の名前知ってるの…?怖っ!!)


「だ、大丈夫です」



アンナは男の手は借りず、自分の力で起き上がり、その場を立ち去ろうとした。


すると去り際に、男はアンナの背中越しから語りかけた。



「気を付けるんだ……」



「気を付けます!もうよそ見しませんから!」



「違う……そうじゃない…!!




誘いは決して受けるな 断るものなら、おまえは命を狙われる!!」



アンナの足取りがピタッと止まった。



(!!


な、なによそれ……)



「俺の名は“レトイン”



安心してくれ 君の味方だ」



(何がレトインよ!どう見ても偽名じゃない…)



レトインと名乗るその男は、背を向けたままのアンナに向かって、勝手に話を続けた。



「君にはやらなければならない理由が“4つ”ある



まず1つ目



1つ目の理由は…


君が“リミテッド”だからだ



かなりの素質の持ち主だ」



(リミテッド…?

何その言葉…聞いたこともない…)



「2つ目は……



更に君が選び抜かれた“エレクト”の力を持っているからだ」




アンナは訳の分からない会話が飛び交うこの男を、完全に変人だと決めつけ


逃げるように、今度こそ立ち去ろうとした。



「あの、私 急いでるんで!」



「じゃあこの理由ならどうだ?



3つ目…



先月起きた、飛行機墜落事故



その犯人が君の敵となる“ジョーカー”の中にいる



そうだとしたら?」



「!!!」



アンナの背筋が凍った。再び足が止まる。



(私が乗っていた飛行機で起きた事故……


この人なんでそんなこと知ってるの…?)



アンナは沈黙を貫いたまま、足を止めるどころか、とうとう振り返る。


アンナは段々、このレトインという男の言うことを信じるようになってきていた。



「あなた……何者なのよ…?」



「言ったはずだ

俺は君の味方 レトインだ




そして、最後の理由…


これが一番重要な理由かもしれない…




4つ目の理由……それは……」




アンナはその最もと言われる理由


その理由が気になって気になって、仕方なくなってしまっていた。


アンナは息を飲む。








「君が  可愛いから」





「はっ!!??」




「君やっぱり可愛いからね


狙われるよね!そりゃ!



ジョーカーはだめだ!“ライジングサン”


こっちに来るしかないよ!」



(アホらし…新手のナンパ…?時間の無駄したわ…


最悪…これじゃ完全に学校に遅刻……)



アンナが拍子抜けした その時




ゴン!!!




と、鈍い音が聞こえた。



「痛ってーー!なんで殴るんだよ!!





志保!!!」



その鈍い音は、志保が男の頭におもいっきりゲンコツをかました音だった。



「当たり前でしょ!何バカやってんのよ………」




志保はその男のフードをめくる。そしてこう言葉を続けた。





「善!!!」





「や、やめろ!俺は善じゃねぇ!



レトインだ!


“二代目”レトインだ!そう呼べ!!」



レトインと名乗っていた男、善があたふたしていると


また別の方角から、男の声が聞こえた。


 

「やっぱりおまえにレトインの役目は無理がある!!」



「大悟!!」



更に、もう一人志保とは異なる女の声が…



「はいはーい!ごめんなさいね うちのバカが


でもあたし達ほんとにアンナちゃんの味方だし!それだけは信じて」



「エーコまで!!


なんでみんなして来てんだよ!

ここは俺に任せてくれよ!!」



ライジングサンのメンバー全員、揃い踏み


大悟が呆れた様子で、ため息をつく。



「おまえ一人じゃ任せられないから来たんだ


遊んでる暇はないぞ、善

またジョーカーの危機は迫りつつあるんだからな」



機嫌悪そうに、エーコが苛立ちながら声を張り上げた。



「そうだし!嵐のやつ!!


あの状況からどうやって助かったか知らないけど、今度は嵐がジョーカーのリーダーだなんて!!」




以前、“本物の”レトインが危惧していたことが、現実となり起きてしまっていた。



黒崎嵐が率いる、第二のジョーカーが誕生してしまっていたのだ。




アンナは何がなんだかさっぱり理解できず、呆気にとられている。


話に置いてけぼりにされていたアンナを、志保が気遣った。



「アンナちゃん


ちゃんと順序よく説明するからこっち来て!!」



志保はアンナの手を無理矢理引っ張る。



「えっ!?ちょっと………」






また新たな戦いが始まったのだ。



善は空を見上げ、照りつける太陽を見つめた。




(親父 レトイン



また俺に力を貸してくれ!!俺がやらなきゃならないときが、また来たんだ!!)





本日は雲ひとつない快晴。



何だか善には、やけに太陽の光がいつもより眩しく感じていた。



善達の進む未来は、希望の光で満ちあふれている。






最終話 “4BECAUSEフォービコーズ” 完

これにて完結です。

一年以上に渡る長期連載でした。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


活動報告に3Bの設定秘話等載せてるので、興味ある方は読んでみてください。

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