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3BECAUSE  作者: Guru
126/131

第126話「レトイン①」

熱い……体が熱い……




(そうか…俺は死ぬんだ…)




どこからか声が聞こえてくる。




『死ぬな…善…まだ死んじゃだめだ…善…』




(誰だ…?いいよ もういいよ…)




『諦めるな 善 まだ生きるんだ…!!』




(もういいんだ もう俺は疲れたよ…)




『そんなこと言ってるけど…でも…



おまえが死んだら…


どれだけの人が悲しむと思ってるんだ…?』




(悲しむ……?

そんなやつ…いてくれるのか?)




『あぁ 志保 大悟 エーコ

他にもいっぱいいる!


善しかいないんだよ ジンを倒せるのは善しかいないんだ!!』




(ジン……!!


もしかして…この声は……





レトイン!?)






BECAUSEスリービコーズ


第126話

 「レトイン」






ジンは見覚えのある光の輝きに、目を疑った。



「ありえるはずがない!!


リミテッドの…更にリミテッドだと!?」



善とレトインから放たれる2つの光は合わさって1つの光となり

善とレトインは大きな光に包みこまれた。



レトインは合わさった光を見て察した。



「どうやら始まったようだな


ジン おまえもよく知ってるはずだ

始まってしまえば、リミテッドはもう誰にも止められない!」



「だったら…善が生き返るまでにレトイン

貴様を殺すだけ!!」



「さすがの俺も悪あがきくらいはできるさ


そんな簡単にやられやしない」



戦況を見届ける大悟達にも衝撃が走っていた。


“リミテッド”の瞬間を目の当たりにし、志保は目を丸くしている。


志保の目には涙が溢れてきた。



「このまばゆい光…これがリミテッドなの!?


死んだはずの善が蘇る!?



でも…その代わりレトインは……」






レトインが最期の言葉をみんなに送った。



「志保 大悟 エーコ


善が目覚めたら、こう伝えてくれないか?



俺はこいつを惑わせてばかりで、俺との思い出なんて、いいものはないだろう…


もしかしたら嫌われてるかもしれない…



だから図々しく、俺のことをいつまでも覚えておいてくれとは言わない…



でも…でも…






俺のことは忘れないでくれ



みんなありがとう」



レトインはみんなに向かって、満面の笑みを見せた。


すると、包み込まれていた光はさらに激しく輝いて






レトインは倒れた。




「レトインーー!!!」





そして、レトインが倒れたとほぼ同時に…


炎と雷を纏いながら





橘善が立ち上がった。



善の右手の甲と、右の肩にはエレクトのマークが印され、まばゆい光を放ち続けている。


善の右肩にあるマークの存在に気づき、ジンは動揺した。



「ば、ばかな…リミテッドだけでも“奇跡”なんだぞ…?


それなのに、そのまた奇跡の2つの“エレクト”だと!?」



善は火の力と雷の力


両方のエレクトの力を手にして蘇った。



善は動かなくなったレトインを抱えあげ、ゆっくりと大悟達のもとへと運んでいった。


ジンは呆気にとられた様子で、棒立ちで立ち尽くし

漠然と善の姿を見ている。



「大悟 レトインを頼む」



善はレトインをそっと地面へと降ろし、大悟に引き渡した。



「分かった…それにしても善…

おまえはなんともないのか…?」



「あぁ まったくだ

今や痛みも何も残ってない」



ジンはこの奇跡の連続を受け入れることができず、未だに戸惑い続けていた。



(本来リミテッドとなれば、三日三晩は昏睡状態に陥り意識はないはず…


こいつは前例のない2度目のリミテッド…耐性ができているというのか?


普通のリミテッドとはまた違う…)



ジンは長年リミテッドを研究し続けてきた。


だからこそ、ありえないこの状況を、誰よりも飲み込めていなかったのだ。



善は安らかに眠るレトインに向かって、目をつむりながら語りかけた。



(レトイン…なぜだろうな


おまえの声 全部聞こえてたよ…



俺死んでたはずなのに おかしな話だけどな

全部聞いてたよ





俺がおまえを忘れるわけねぇだろ……



一生おまえのことは覚えてるよ!!)




※レトインの最期の言葉について

詳細を活動報告に書いておきますので、気になった方は読んでください。


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