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3BECAUSE  作者: Guru
104/131

第104話「ライジングサンVSジョーカー②」

善・レトインVSジン



まずはお互い挑発の応酬で始まる。



「橘善…俺に勝てると思ってるとはな…


一度ブチのめされたおまえなら分かるだろ?

俺の強さがな!


なぁ!!レトイン!! 


そんなの…

夢のまた夢って話だってのがなぁ!!」



レトインは白を切った。



「フン…!!


そんな昔の話、覚えちゃいない

余裕こいていられるのも、今のうちだ!!」



「忘れちまったのなら、また思い出させてやろうか?

あの時の恐怖をよう…


くっくっく…」



お互いが敵意むき出しで、ピリピリした状況が続く。


その緊張感が嘘のように、ジンは善に向けてぽろっと言った。



「なぁ…橘善

そんな弱い男とつるむのはやめて…


どうだ?俺といっしょに来ないか?」



思わぬジンの発言に、善は耳を疑った。



「!!!


なっ、なんだと…!!」



「そんな男といても、未来はないぜ?


リミテッドの力…そして、エレクトの力…

この力さえあれば、世界を支配することなど、いとも簡単…


そうだろう?

すべてが自由だ 楽しい世界だとは思わないか?」



善は険しい顔をして、即座に拒んだ。



「ここに来て、そんなくそみてぇな冗談言われるとは夢にも思わなかったぜ!!


誰がおまえなんかと…

やなこった!!!」



「だろうな…


言ってみただけだ

くっくっく…」



すかさずレトインが善に忠告する。



「気をつけろよ善!

これがジン特有の“ゆさぶり”だ!!


変わってないな…


相手を逆なでするために

思いもよらぬことを平気で言うとは…」



ジンは、にやつきながら答えた。



「大好物なんだよ…


相手が嫌がる顔、怒りの表情…

その嘆きに悲痛がな!!」



ジンの尋常じゃない性格に、善は鳥肌が立つほどの寒気を覚えた。



「けっ!思ってた通りのイカレっぷりで安心したぜ!!


なるほどな…

そうやって、ありとあらゆるやつを支配してきたってわけか!


ジョーカーには、誰一人

おまえを慕うやつなんて、いやしなかったぜ!!」



「そんなもの、別にかまいやしねぇ!


まるでおもしろみがねぇのさ…

唯一、嵐ぐらいか…?


俺を楽しませてくれるやつは…」



意味深な発言するジンに、善が聞き返す。



「唯一?どういうことだ…?」



「全員俺の力に敵わないと知り、あきらめてやがるのさ…


だが、嵐は違う…


あいつだけは俺の首を常に狙い

俺を出し抜こうとする…


おもしろいやつだ…

それが、あいつと東條の差だ


だから俺が認めてやっていいのは、嵐ぐらいなもんだ

あとは全員、話にもならんクズばっかだ」



詳細を知っても、共感できないジンの思考に

レトインも呆れる。



「自分の命を狙う手下が、唯一いいと…?


到底、理解しがたい考えだな…」



「分かるわけないさ…


俺の域に達することなどできないおまえ達に

俺の考えが理解できるはずがない!!」



「そうやって、一向に理解できないおまえの考えだが……」



レトインは言い返そうとしたが、言葉を詰まらせた。



ジョーカー・ジンにまつわる多くの謎…


そのひとつにレトインを長年悩ませてきた、大きな謎がある。


その疑問を明らかにする時が、とうとう訪れたのだ。


レトインは一度呼吸を整え、もう一度ジンに尋ねた。

レトインがジョーカーの確信に迫る。



「ジン……

一体何なんだ?おまえのやりたいことは…?


ジョーカーの存在意義…

おまえが作るジョーカーの真の目的は!!



もういいだろう…?

恐らく、“これ”が最後の戦いだ…


今度こそ、次なんてない…」



レトインの問いに、ジンは黙った。


ジンはレトインの目をそっと見た。

レトインは一時も離さず、ずっとジンを睨み続けている。


根気負けしたのか、ジンは笑いを溢しながら答えた。 



「フン…いいだろう!!教えてやる!!


ここまで来ただけでも、おまえらを褒めてやろう!!



ジョーカーの存在意義…?

ジョーカーの目的…?


そんなもの決まってる…



復讐だよ…!!」






第104話 “ライジングサンVSジョーカー” 完

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