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プロローグ
自身の体が影で覆われる。この暑い季節、そんな中自分の体が影で覆われたとあれば神が自分の味方をしたのではないかと思ってしまう。
ーーーーーー否、訂正しよう。今、俺の体を覆っているのは神と言うよりかは悪魔に近いだろうか。俺の頭上には今、モンスターがいる...。
しかし、俺にとってこの状況は不味いものではない。とても嬉しい状況と言っていいだろう。何故なら俺はこのモンスターに会うためにわざわざこんな汚い路地裏に来たんだ。
「はぁ、めんどくせぇなぁ...お前を倒すためにわざわざ俺はこんな所まで来たんだぞ?」
ブツブツと文句を口にしながらモンスターの方を向く。そして...
「異能力.........異星人。」
つぶやくような小さな声だ。しかしその瞬間、機械音のような音をたてて俺の腕の周りには輪のようなものが光を放ちながら複数発生する。そして、その腕を大きく振りかぶりモンスターの顔面に撃ち込む。たった一発、それだけでかたづいた。
「なんだよやっぱりめっちゃくちゃ早く終わったな〜...」
そう、俺はこの世に数百人しかいないという異能力者なのだ。