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伝助の不幸。おれの憂鬱

バッティングセンターでの勝負はものの見事に負けました。20球のうちにどれだけ打てるかを競った結果は、先輩が19球、おれが10球。

「ストレス発散できたね〜」

というのは19球のうち、18球ホームランを出した先輩。

「そうですね。あの〜、あれやらなきゃいけないですか?」

「もちろん」

やりたくねぇー!

「やりたくなくてもやるんだよ?」

「顔にでてました?」

「すごくでてるよ」

そりゃそうでしょ!あれをやりたいと思うのがどこにいるっていうんだよ?!・・・・・、いたな。変態という名のクラスメートが。

あれを変態がやった時点で先輩に三途の川送りになると思うが。

「それじゃおなかも空いたし、ご飯を食べに行こうか」

「・・・・・そうですね」

「ふて腐れない、ふて腐れない。明日の学校で楽しみにしとくから」

「楽しみにしないでください」

真剣にお願いします。全校生徒を、学校を敵にまわしたくないんで。

「じゃあご飯は近場にあるファミレスでいいかな?」

「はい・・・」

本当に憂鬱だ。明日、学校休校にならないかな?なるわけないよな。




「いらっしゃいませ。何名様ですか?」

「・・・・2人です」

バッティングセンターから15分ほど歩いたところにあるファミレスに来たそうそう厄介事が増えた。

なんで?なんで変態が店員なんだよ?!

「昂よ、赤い糸ってあるもんだな」

「もし!お前との間にそんなものがあるというなら即刻、断ち切ってやる」

「照れるなよ」

嫌がっているのが本当にわからないのか?変態は変態KYに進化してやがる。

「先輩、この店はやめませんか?」

「昂!なんで生徒会長と一緒にいるんだ?!」

「別にいいんじゃない」

「先輩が言うなら別にいいですが」

「おい!無視か?!無視するのか?!!」

うるさい変態だな。

「おい変態。これから語尾にドMですからってつけて話したら会話してやろう」

「なんでそんな上から目線?!」

「今日から1週間ずっとしてろよ?」

「拒否権なし?!そんなむちゃくちゃな!」

「それができたらお前の好きなアレをやろう」

「やらせていただきます。ドMですから」

「アレってなんなの?」

「秘密です」

アレがからむと扱いやすいんだから。単純でバカで変態なんだから扱いやすいの当たり前か。

「じゃあ席に案内してくれないかな?」

ちょっと先輩が不機嫌なんですけど。今まで会話に入れてなかったからか?

「わかりました。ドMですから」

気持ち悪いやつだな。

「先輩、こんな店員じゃなく違う店員に対応してもらいたいんですね」

「そうだね」

「ちょっと待て!僕は無視か!無視がいいと思っているのか?!・・・・ドMですから」



と、騒いでるうちに変態は店長らしき人物に奥に連れて行かれた。たまに、奥の方から「ドMですから!」と聞こえるのは完全に無視にしよう。

「先輩、なんにします?」

「わたしはハンバーグとパスタとこれとこれetc・・・・・にするよ」

「食べれるんですか?」

先輩が常人じゃ考えれない量を、吐き気がするぐらいの量だぞ。軽く8人前くらいは間違いなく頼もうとしてる。

「これくらいは普通に食べられるよ。お金なら心配ないから。だって、あの変態君にお金は払わすつもりだから」

食べる量と、お金の面で。言葉が出ないな・・・。伝助、いや変態よ。お前のバイト代はすぐになくなる。財布はもう時期冬を迎えるだろうよ。

「じゃあ頼みましょうか?」

「そうだね」

「ドMですからーーーー!!!!」

なんか聞こえたな。気にしないでいよう。




「今日は付き合ってくれてありがとう」

「いえ、おれも楽しかったですから。こちらこそありがとうございます。東先輩」

「下の名前で今日くらいは呼んで欲しかったな」

先輩の名前ってなんだっけ?たしか、陽菜だったかな?

「先輩の名前って陽菜であってましたか?」

「そうだよ」

「じゃあ陽菜先輩。今日はありがとうございました」

「それでよしとするか」

「?なにがですか?」

「こっちの話だから気にしないで」

よくわからんな。

「じゃあ南くん、また明日学校でね」

「はい。陽菜先輩」

先輩は駅に向かって歩いて行きながらこっちを振り向き、何度も手を振ってた。



余談だが、先輩が食べた金額はちゃんと伝助に払わせた。諭吉さんが2人ほど飛んでった金額はおれが払うことにならなくて良かった。

さらに余談だが、帰ってみると恋がニヤケながらおれのベットでゴロゴロ転がっていた。

何をニヤケているのか知りたくない。絶対に!・・・聞いたら最後だと思うからな。

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