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デートに行くのも一苦労をわかってくれますか?

長い間ほったらかしにしてしまいました。


1週間に1話は更新していくつもりなんでよろしくお願いします。

外に出てみると、雲ひとつ見当たらない晴れだ。周りを見るとにこやかな家族連れなどがたくさんいる。

だけど、おれの心は曇り、大雨だな。原因なんてわかりきってるじゃないか・・・。

両隣にいる美少女だよ。なんで付いて来るんだか。

「恋、いい加減離れてくれないか?あと、桜。怖い視線でおれを見るな」

「いやだよ〜」

「怖いって誰のこと?」

恋は腕にまとわり付いて歩くことを困難にさせるし、桜は鋭い視線でいじめるんだからちぢこまって動けないんです。

「・・・もういい。だけど、東先輩には迷惑かけるなよ」

とぼけた顔を2人ともしてやがる。わかってるのかよ。

「2人とも、今日何をするのかわかってるのか?」

「「デートでしょ?私との」」

勘違いしてやがる。

「違う!今日は、先輩に助けてもらったお礼だ!わかったか?!」

「昂ちゃん、私がいながら浮気をもうするのね?!」

ちょっと待て。言いながら電柱をミシミシ音をさせながら潰していくな!!

だけど言わなきゃ。・・・怖くないぞ、怖くない。

「誰がだ!浮気の前に付き合っても婚約も何にもしてないだろうが!!」

「そうですよ。私と付き合うんだから」

「桜、流れでむちゃくちゃ言わないでください」

「・・・昂君は私がイヤなんだ・・・。嫌いなんだ。」

あの・・・、桜さん、泣きながらその服のそでから光っているナイフを隠していただけないでしょうか?

「2人とも!今日だけは勘弁してくれ!!」

土下座しながら頼んだけど、回りの目が痛い。

奥さん、そんな甲斐性なしのヘタレがいるわ、みたいな目を向けないで。

「いつか何でも言うこと聞くからさ」

「「本当?!」」

勢いがすごいな。

「本当だから今日は大人しくしといてくれ」

「桜ちゃん、これは引き下がるしかないよ♪」

「そうですね♪」

2人とも怖いくらいの笑顔だな。しかし、ドス黒い笑顔だけど。

「じゃ、じゃあ行ってくるから」

「「いってらっしゃい」」




ようやく待ち合わせの駅前に行ける。やっぱり休日なだけあって、人が多いな。

駅前でよく待ち合わせをするカップルがよく利用する噴水前は非常に多い。

この中心に天使の翼のようなものがある噴水は、おれの親父が10年前にこの市に寄贈したらしいけど、いらないだろ。

親父の考えはよくわからん。だけど、こうやって利用されているんだからいいんだろうな。

「南くん、おはよう」

「あっ、先輩。おはようございます」

後ろから声をかけられたから一瞬驚いたけど、まだ驚きが足らなかったみたいだな。

いつも制服しか見たことないけど、今日の先輩は綺麗・・・?

「って、これカエルくんじゃないか!!」

「ナイスなツッコミだね」

カエルからひょこっと顔を出すのは我が高校の無敵の生徒会長だ。

「先輩、驚きましたよ。いきなり先輩の顔がカエルくんになったと思いましたから」

「それが狙いだったのだよ。ところであの2人はいないのかい?」

「2人とも大人しくさせましたよ。先輩が一応デートだって言うもんですから」

「君にしてはいい判断だったね」

と他愛無い会話をしながら駅前の噴水を歩いて、先輩が行きたがっていたバッティングセンター前に来た。

「今日は日ごろのストレスを解消しようじゃないか」

と先輩は黒く長い髪を翻しながらこちらに振り向いた。

「そうですね」

「負けたほうは、罰ゲームだからね」

「罰ゲームの内容は?」

「わたしが勝ったら、今日の昼ご飯を奢るよ。だけど、南くんが負けたら、・・・・・」

「・・・・マジですか?」

「大マジだよ」

あまり気が向かないけど、そんなことは気にしないでいよう。

これは負けられない戦いになってしまった。




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