恋愛になるの?否!婚約です!!
お父さんって、何で元気なんだろう・・・。
「う・・ん・」
体が痛い。もう朝か。
しかし、何でおれは玄関で寝ているんだ?しかも床とキスしながら。
「もう、昂ちゃんったら」
昨日の記憶までフェードバックしてきやがった。幸せそうに寝ている奴に初めて殺意が芽生えたぞ。
「恋!起きろ!」
おれを玄関で寝かせたくせに、こいつはソファーで寝てやがる。
「うんにゃ?」
寝ぼけた顔でこっち向くんじゃねぇよ。・・・かわいいじゃねぇか。
それより、
「お前は何でここで寝ている?おれは玄関でお前に殴られて気絶していたのにだ!」
「昂ちゃんを起こすのが疲れたから〜。あと30分は寝かせてぇ〜」
こいつが寝始めたらマジめんどくさくなる。早く起こして、追い出して、学校に行かなきゃ。
「恋、起きてくれたらハグしていいぞ。だから起きてくれないか?」
「起きる!」
これは全然変わってないな。昔、おれが使ってた常套手段はいまだ健在だったようだ。よく起こしに行ってやったなぁ。・・・懐かしい。
「昂ちゃ〜ん、ハグしてくれるんでしょ?」
そんな目をキラキラさせて言うなよ。
「わかった、わかった」
こいつって、こんなにいい香りしていたっけ?マジいいにおいだ。
「昂さん、どうかふつつかものですがよろしくお願いします」
「・・・は?」
抱きしめられんがら何を言ってんだ?!
「私、やっぱり昂ちゃんと結婚する!」
何ぬかしとんじゃーーー!!話しが急過ぎる!
「それは許さんぞ!!!」
もう、考えたくありません。なんで、恋の父さんが居るんだよ?!声だけがするんだけど。
「おじさん、何でそんなとこに・・・」
「お父さん?!見たくない!!」
おれの部屋の窓にベッタリくっついている中年男、久しぶりに見たな・・・。見たくはなかったんだが。
ちなみにおれの部屋はマンションの6階なんだけどな。・・・さすがおじさんだ。娘のためならこんな変態行動も取れるんだから。
「ちょ、ちょっと?!やめてよ!恋ちゃん!!落ちたら痛いから」
「うん、そうだよね♪だからもう堕ちて」
ハートが出そうなくらいの声だったな。しかも、社会的にも{おちろ}って言ってやがる。しかも必殺の鉄拳を窓に向かって殴ろうとしてるよ。ハハハ。・・・って!
「恋!!窓は割るな!」
バリン!
あぁ〜、おじさんもろとも殴っちゃった。
「これで邪魔者は居なくなったね♪」
おれにはお前が邪魔だよ・・・。
「大丈夫ですか?」
「ふん!大丈夫に決まってるじゃないか!!恋ちゃんを残して死ねるもんか!」
1時間もしないうちに生きて返ってきたよ。すげぇよな?!でも、でも!さすがの親バカです。おれは感無量ですよ。
「パパには許してもらったのに、なのに!なんで?!お父さんが来るの?!?!」
恋っていつからおれの親父を「パパ」って呼ぶようになったんだろう。ってか!
本当なのかよ・・・親父。おれに安らぎをくれないのか?許しなんか本人の許可なく出すなよ!
「バカ親父がーーー!!」
思わず叫びたくなるだろうが!
―ピンポーン、ピン、ピン、ピンポ〜ン
何だ、この呼び鈴は。壊れたのか?
「はいはい。今行きます」
開けるのは間違った選択肢だったのかもしれない。あとで、おれは思ってしまう。
「やっほー」
開けて出てきたのは、もちろん、
「あ、パパ♪」
「親父・・・。」
「き、貴様!」
おれの親父だった。間違えました。・・・どっかのおじさんのライバルのキモイ男だった。
「何で親父がここに来たんだ?」
「それはね、恋ちゃんと昂の婚約発表のためだよ」
「はぁ?!何でそんなことになったんだよ?!」
おれは全く知らんぞ!誰が決めたんだ!!
「もちろん、僕だよ」
そりゃわかってる・・・。
「いいから俺の質問に答えろ!」
「怖いな〜。わかりましたよ〜だ」
「パパ、かわいいね」
「ありがとう恋ちゃん」
おじさん、あなたのこと、誰も無関心ですよ・・・哀れ!
「さぁ、話せ!」
「それはね、僕がここの変態君に賭けで勝ったからなんですよ♪」
「話しがわからん」
「だからね、僕と変態くんが酒飲み対決で勝ったの。それで、やっぱり勝者には何かないといけないでしょ?だから僕は会社を。この変態君は恋ちゃんを。お互いが一番欲しいものを賭けに賭けたんだよ」
ふむふむ。
「だが、何でおれと恋が結婚しなきゃいけないんだ?」
「恋ちゃんのお願いだったから。恋ちゃんが昂と結婚したいんだって」
元凶は恋だったのか。
「なぁ、おれしたk「したくないなんて言ったら、あそこに連れて帰るよ?」・・・」
だけど、
「結婚って好きなもの同士がするんだろ?だからおれが、恋を好きにならなきゃ意味ないんじゃないか?」
「確かにねぇ〜」
「そういうわけで、猶予がほしい!」
「それじゃあ3年生になるまでね。それで好きにならなきゃ結婚しなくていいよ。初めから恋ちゃんと話してるし〜〜」
ムカつくしゃべり方だな。だけど、好きにならなきゃいいんだ。それで、結婚はまぬがれる!
「だけど、住む場所は恋ちゃんもここだからね」
「「はいぃ?!」」
おじさん、まだ居たんですね。しかもハモっちゃいましたよ。
「「それはダメだ!」」
またハモっちゃいましたよ。おじさん。
「君の恋ちゃんがしたいって言ってるんだよ〜?断ったら即結婚!」
「昂ちゃん、お父さん、お願い!」
「はぁ〜、わかったよ」
「恋ちゃんの頼みならしょうがないよね。うんうん♪」
おじさんの性格って恋絡みだとかわいいよな。
「じゃあ僕等は帰るから。あとは2人でごゆっくり〜」
「恋ちゃんに何かしたら殺しにくるからな!」
おじさんには逆らいたくないですよ。
「じゃあ昂ちゃん、よろしくね」
「あ、あぁ・・」
こうして、婚約未満の生活?がはじまった。
続く・・・
次は学校に行こうよ。
恋ちゃんの暴走は止まりません!