第七十八章:お布団の上で
「裕海ぃ……♡」
目を覚ますと、身体が重く感じた。――あと何か、少し温かいような…
…
「り……梨花!?」
目を開けると、私の身体に綺麗に覆いかぶさるように――完璧に覆いか
ぶさり、身体同士を幸せそうにすり寄せている梨花の姿があった。
「裕海の身体……温か~い♡」
嬉しそうに私の顔を見た。――梨花の身体も凄く温かいよ……♡
梨花はそのままの格好で少しずつ顔を近づけ――
「んぅ……♡」
最初は優しくキス。少しずつ唇が受け入れる準備が出来ていき――
「はっ……♡ んんっ……んんんっ……♡」
舌を絡めた濃厚なキスへとつないでいく――ここ一番好き、何だか梨花
と愛を確かめ合っているような感じがして心地良い。
「んんっ……♡」
梨花の舌が口の中でほどよく暴れる。温かい吐息が口の中で混ざり合い
――何とも言えない心地よさが全身を襲う。私のキス欲が刺激され、心か
ら梨花を求めてしまう。
「ぷはぁっ……♡ 梨花ぁ……」
「裕海ぃ……♡」
ねっとりした感覚が無くなるとともに、舌同士をつないだ愛らしい糸が
切れ――私たちはお互いを強く抱きしめた。
「梨花……好き」
「私もよ、裕海」
抱き合った私たちは顔を見合わせ、もう一度深くトロ甘なキスをした。
梨花の両親がいるので流石に一緒にお風呂に入るとかはできず、先にお
湯をいただいた私は髪を乾かしながらベッドのわきで百合漫画を読んでい
た。――お風呂上がりにちょっと寒いお部屋で熱を冷ますのも、なかなか
気持ちがいい――これでまた梨花と一緒に寝て、心も身体もポカポカにな
ると思うと……
「梨花早く来ないかなぁ……♡」
髪が乾き、私はベッドの上に寝転がり梨花を迎え入れるシュチュエーショ
ンをちょっと試してみた。
「梨花……今夜は寝かさないよ?」
ん~……悪く無いけど、何か違う。
「梨花……好きにして……♡」
――言ったあとで顔が沸騰しそうになった。何だこれ、破壊力がヤバい
――顔が熱くてもう、一人でもポカポカになってしまった。
ガチャリ……
「裕海~、お待たせ――ってどうしたのよその顔」
触っただけで熱いのが解る。そこから見ても分かるくらい顔が真っ赤っ
て事!?
梨花は心配そうに私に駆け寄り、
「大丈夫? 熱でも出ちゃった? 湯冷めとかかな……?」
梨花熱です。――心配してくれるのは凄く嬉しいんだけど、そんなにく
っつかれたら……ちょっと照れちゃうよ――って!
「熱は大丈夫かな……?」
梨花の額が私の前頭部に触れた。――どうやらおでこ同士をくっつけ合
って熱を測るという禁断のあれを――!
「り……りりり、梨花ぁ!?」
梨花は真剣な表情で、
「動かないで」
ヤバい、ヤバいヤバいヤバいって! 目の前に大好きな恋人さんの顔が
あって、キスしてるわけじゃ無いから目もつぶらないし――キス以外でこ
んなに顔近づくことあったっけ……?
「梨花……」
「何? 裕海」
私は梨花の顔を目の前に感じながら、
「好きぃ……♡」
真剣な表情だった梨花の顔が緩み、みるみるうちに真っ赤になった。
「こ……このタイミングとか、反則……」
額をくっつけ合ったまましばらくお互いを見つめ合い――
「ちゅぅっ……んー……♡」
顔を少しだけ斜めにずらし、目いっぱい愛を込めて私たちはキスをした。




