表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/26

桜川先輩 3

 

 淳也にとって、理恵は妹と言う存在でしかなかった。彼女が好意を寄せているのは十分知っているがどうしてもそれ以上に思えないそれが本音だった。


 俺の話を聞いた理恵は、思った通りの反応だった。あの表情からして怒っているんだろう。確かに、理恵は可愛くて常に好意を寄せてくれているのは分かる、けど、俺にとって理恵はどうしても妹にしか思えない。だから、最近、理恵の態度が俺にとって重くのしかかっているそんな気がしてならなかった。

 しかし、香は俺のことを先輩として同じ楽器を演奏する仲間として接してくれた。だから、香にイケメンの彼氏が出来たと言う噂を聞いた時は驚いた。けど、実際は違った。そして、香の話を聞いた時、自然とあの言葉が漏れた。


「だったら・・俺が、やってやろうか?」


 あの時の香の顔は本当に面白かった。驚きと恐縮が入り混じったなんとも言えない表情、しかし、あんなに必死に断るとは思わなかった。あれは、本当に俺のことを気にしているのだろうか、それとも、俺は、麟太郎に聞いてみた。


「淳也さん、どうしたんですか?こんな時間に?」


「あ・・悪ぃ・・麟太郎、ちょっと聞きたいことがあるんだけど・・・香についてなんだけど。」


「えっ?何?」


俺が香の彼氏役をするといった途端、麟太郎の顔色が変わってしばらく黙り込んでいた。


「おーい」


俺の声に気付いた麟太郎は、何時になく声を荒げていた。


「ほ・・本気ですか?」


「まぁ・・」


「やめといたほうがいいですよ。」


「なぜ?」


「なぜって・・・それって香と付き合ってますって、学校中に噂が・・・」


「それが?どうしたんだ?」


俺の台詞に麟太郎は切れた。


「だったら好きにすればいいじゃん!!」


 そう言い残して麟太郎は、家の中に入って行ってしまった。何故だ?ま・・・いいか・・俺は一人家路についた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ