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どうしよう  2

そして、今に至る




 私は、机の上で頭を抱えているとクラスの雰囲気が変わったのに気付いた。それは、さっきまで私に話しかけていた和美の声が途切れたからだった。顔をあげると和美はよそ見していて、その視線の先には、超イケメン男子が教室に入ってくる瞬間だった。

 彼の名は、桜川麟太郎、ガリベンばかり集まる無双高校特進科にはもったいないくらい超イケメン男子、彼の名は普通科にまで轟いていた。そんな彼が教室に入って来たのだった。

 そして、彼が気兼ねなく話しかける女子がこのクラスに二人いる。一人は今話をしている清楚な感じの彼女、麟太郎の幼馴染でこのクラスのアイドル的な存在の山内理恵、そんな絵に描いたようなお似合いカップル、だから、彼らには誰も手を出さないでいた。やがて、話を終えた彼は、自分の席のほうへ歩いて行った。そして、もう一人の横を通った瞬間だった。


「よっ・・・香・・・彼氏できたんだってなぁ~・・・しかも・・・チョーイケメンの」


 最悪の切り出しに面を食らった私に周りの女子達は、麟太郎の言葉を聞いてクスクスと笑っていた。しかし、何も言い返すことが出来ない・・・そんな私の表情を見た麟太郎はクスリと微笑んで、私の頭をくしゃりと撫でたかと思うと自分の席に向かって行った。






 麟太郎は知っていた理恵が好きな相手をずっと前から・・・だから告白することも出来ない。ただ、今の状態を壊したくない。その思いが彼の心を支配していた。


 いつもと代わり映えしない日常、教室に入ると頭を抱えている香の姿が目に入って来た。しかし、いつものように理恵の所に行って、しばらく話をしていると、香の話題になった。


「で?聞いた?」


「何を?」


「香に彼氏が出来たんだって・・・しかも・・超イケメンの」


そう言うと理恵は香を指差した。俺は香の方を見たが、そんなことどうでも良かった。


「ああ・・聞いたよ。」


俺のそんな態度が理恵にとっては何か癇に障ったのだろうか。


「ひょっとして・・あなたじゃないの?」


その言葉に俺もムッとした。


「バーカ・・」


 そして、振り返えって理恵を見ると少しむくれているようなそんな気がした。話にでものってほしかったんだろうか?それとも香の彼氏が気になるんだろうか?しばらく、見ていると理恵はするとプイッと顔を背けてしまった。


「じゃぁ・・」


「うん・・」


 理恵のそっけない返事を聞いた俺は自分の席に向かった。しかし、理恵の冗談とはいえ、腹の立つ・・・だから俺は、ちょっと悪戯をしたくなった。そう香に・・・


「よっ・・・香・・・彼氏できたんあだってなぁ~・・・しかも・・・チョーイケメンの」


 俺の切り出した言葉にあの顔、やっぱり思った通りの行動をしてくれる。俺は、香の頭を撫でて、自分の席に向かった。






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