01 俺の試練!←そんなに難しくもない(後)
こんにちはぁ♪( ´▽`)マウミです。
初めましての方は初めまして!文章力がないけど良ければ読んでくださいなー( ´ ▽ ` )ノ
評価・感想をお待ちしておりますっ(((o(*゜▽゜*)o)))
「・・・それこそが今回の視察の内容よ、アイン卿。前回の視察と今回の視察では隊長能力の有無について、この基地の皆さんと話合って見極めたの。あなたにはやはり才能がないみたいね、降級かしら?」
何を言っているんだこの人は、とそう思った。何のために?頭の中が混乱してうまくまとまらない、
「視察の内容ってどういうことですか!?」
声を荒げて言うと、
「言ったとおりよ。普段勤務、警報発令、隊員への指示、これ全部が今回の内容。そして貴方にはその資格が残念ながらないとしかいいようがないみたい。」
陛下の言葉一つ一つが胸に刺さった。確かに俺は命令が下った時、取り乱し状況把握ができていなかったかもしれない。
「よって、第一特務部隊はCに降級。隊員は減給のち左遷、アイン一等空将は空将剥奪の上別部隊に配属。いい?」
いきなりだった。 今日の朝、妹に起こされた時からこうなる運命は決まっていたのかもしれない。
「級位Cがどうして解散になるんですか?」
もう反論することも出来ずに、グダグダと話を伸ばすことしかできなかった。だが、隊員のことは絶対に守りたかった。ようやく一ヶ月にして気兼ねなく家族のように親しみ合う事ができたのだ。
「解散とは言ってないわよ?ただ第一特務部隊はこの私直属部隊にしようと思って。」
「じゃあ、こいつらを使ってやってください。一ヶ月してようやく家族のようになれたんです。お願いします、俺は別部隊でもどこへでも左遷してくれて構いません。どうかこいつらだけは・・・」
頭を下げた。素直に頭を下げた。思えば、一等空将という高官職についてから頭を下げたことなど一度もなかった。良い機会かもしれない。
「あなたは今何のために頭を下げているのかしら?」
「私の後ろで敬礼をしている者たち、私の家族です」
陛下は皆の顔を見回し笑顔で一言告げた。
「合格!」
後ろから、やったぁぁとか今宵は宴会でごじゃるなやら歓声が聞こえる。
「よくやったわ、アイン」
陛下が改めてこちらを見ていた。
「どういうことですか!?左遷は?こいつらは?減給は?どうなったんですか!?」
混乱して何を言ってるのかわからなかった。
「ごめんなさいね、色々騙して。でも、左遷という話は本当だったのよ?あなたの返答如何では。みんなあなたを信じたわ、アイン。」
どういうことですか?と幾分か正気を取り戻した声で聞いた。
「我がヴァルキュリア軍ではあなたを含め将官位を獲得しているものは4人居るけれど、あなたは最年少かつ日本人だから。」
「その真意を確かめたかった、と?」
「そうよ」と女王陛下は続けて、
「それにあなたか一等空将及び第一特務部隊隊長についてちょうど一ヶ月。あなたも慣れてきたところだったでしょう?気が緩みがちになっていたのはそのせいね。」
かくして俺の試練(?)は無事クリアとなった。今思えば何ともない普通の試練だった気がする。だが、その普通をこなすのが一番難しいと思う。そもそも、普通の定義は個々人がそれぞれ定義するひどく曖昧なものだ。今俺が普通と感じたのは、昔からの経験だろう。つまり、まだ俺は自分の『普通』というものを『普通』にこなすことができないということだ。
「女王陛下、色々とありがとうございました」
隊長室で女王陛下と二人きりになり一応お礼を述べる。
「いいえ、結構ですよ。アイン卿」
むー、まだ続けるのだろうか?
「こほん。ひとつ忠告ですが、3分前より公務時間は終わっております。如何でしょう女王陛下。口調を戻されては?」
最後の方はにやけてしまって言葉が出てこなかったように思う。しかしそれを聞いた女王陛下は、時計を確認して、
「えっ!?うそ!?わっ、本当だ!ひどい、もっと早く言ってよ!あの口調疲れるんだから!」
まだ、慎ましい方が良いような気がするが、こっちが地の女王陛下である。
昔、俺が小さい頃から遊んでいたのがこいつだった。表沙汰はなるべく避けたい、双方の合意のもと公務ではただの兵士と女王陛下である。妹もほんの小さい頃だけ一緒に遊んでいた気がするが覚えていまい。
「口調が変わりすぎやしませんかねぇ?女王陛下殿?」
若干敬称が重なってるが、そんなの無視だ。
「それが女王に対する口調?私は女王よ!もっと崇めなさいよ。だいたい今さっきまで半べそかいてたじゃない!笑いを堪えるの苦労したわよ。なんでコロッコロ変わるのよ!」
「いや、仕方なくね?今更。」と言うとやっぱり左遷しとけば良かったぁと地団駄を踏む女王陛下の姿があった。
ハンガーに戻ると、隊員達が「隊長ぉ、今夜はぱーてぃー、俺たちのぱーてぃーだ!」などとすでに相当量飲んでいる発言をしていたが、
「悪い、俺パスな。」の一言で黙らせた。
「そんなぁ、そんなこと言ってないで俺たちと飲みましょうよ!うえへへ」
隊員の一人、ヴァラム・シュペーマン一等空尉が気持ち悪い声で話しかけてくる。こいつ、普段はクールで戦闘中は『狂気の戦闘奇』と呼ばれ、そして酔うとここまで気持ち悪くなるのか。一体どれが本当なんだ?的なことを頭の一部で考えながら、
「調子に乗るな」と一蹴した。なんか悪いので「また今度気が向いたらパーティーでも何でも開いてやるよ」と言い残しハンガーを出た。
今日は女王陛下と食事に行く約束をしているのだが、約束の時間になってもまだ来ていない。一緒に行かないのか?と聞いたところ、「女の子にはやることがいっぱいあるのよ!」と言われたが無理にでも一緒に行こうというべきだった、なぁ。この場所だってあいつが指定してきたのに。
「お待たせ」
やっとか。後ろから声がしたので振り返ると、見たことのない少女がいた。
「?、誰ですか?」
情けない声が出た。すると、その少女はぷっと吹き出して、続き声を出して笑った。
「あははっ。君のその顔が見れるなら時間をかけて変装するのもありだねっ」
なっ。こいつ、ヒルダか?面影が全くないぞ・・・。
「そんなことするために遅れてきたのかよ。」
待ち合わせの場所は俺の家の近所にある巨大な木の下だった。後ろから声をかけるためには後ろに何もないところを選んだのだろう。
「まぁいいでしょっ。それより早く行きましょ。」
ちなみに、いくらこいつが女王陛下に見えなくたって、れっきとした女王陛下であることに変わりなく、普段は二人の護衛がついている。しかし、今は護衛官が一人もついて居ない。はて?
「そういえば女王陛下は護衛をいつも連れてるはずだろ?どうしていないんだ?」
女王陛下は少し顔を赤らめて(周りの光でそうみえたのだろう)、
「いつもはいない『一等空将』が護衛につくから連れてかないって言ったら渋々認めてくれたの」
なるほど、一理あるな。俺があんまり護身術に長けていないのを除けばな。
「ただいまー」
家に帰ってきて、ダイニングにいるであろう唯紗にそういうと、奥の方からスリッパの足音が聞こえた。
「おかえり~兄さ・・・!?」
正に『驚愕』の二文字がピッタリといった顔をした唯紗に、「高校の友達。朝言ったろ?」といい、ヒルダにも話させる。
「えーと、こんにちは?私はヒル・・・」
偽名を考えていなかったらしいヒルダを慌ててフォローする。
「こ、こいつは、ぇー、た、タピオカ・ピスタチオっていうんだっ」
とっさに見えたタピオカとピスタチオを名前にしてしまった。ヒルダが、ちょっとぉ、と肘でつついてくるがこればっかりは仕方ない。しかし、まずい。いくら妹でもさすがに偽名だとわかるひどさだ。
「タピオカ・ピスタチオさんっ!?・・・すごい美味しそうな名前だねぇー、いいなまえだよぉー」
・・・・バカだった。目がハートだ。妹はタピオカとピスタチオが大好きで、家にストックが1年分ある。ピスタチオさんも若干顔が引きつっている。(笑)
「え、えぇ、ありがとう。お邪魔します」
「「「ごちそうさまでした」」」
三人揃って手を合わせる。ちなみに今日のご飯はカレーだった。カレー粉からつくる唯紗オリジナルカレーだけは絶品だと宣言して良い、うむ。
「それにしても、兄さんに彼女がいたなんて初耳だよー。いつできたの?」
唯紗がニヤニヤしながら聞いてきた。そんなんじゃねーっ!
「違う違う。こいつは彼女なんかじゃねーよ」
ヒルダと彼女とかヴァルキリー帝国がクーデターを起こしちまうし。
「本当かなー?ん、でもタピオカさんどっかで見たことあるかも。」
変装を見破るのか!?内心ヒヤヒヤしていると、そこでヒルダが声を出す。
「むかし、一緒に遊んだことが何度かあるし。まぁ、面影を感じてもおかしくないね」
おいぃぃぃっ!何言ってくれちゃってんの!?
「少なくとも、私はあなたの事を覚えてる。あなたも覚えてくれてるんでしょう?ならいい。」
何が!?通じんの、それで?頭の中がパニック状態の俺が慌てて妹をみると、何と妹も同じ状態だった!
「昔から?え、え?家族公認?そうなんですね!?」
別の意味でやばかった。いかん、これはダメだ。おい、どうすんだよ的な視線をヒルダに送るが、全然気にしていなかった。まぁ、任せなさいということらしい。
「そういうことになるねー。あなたのお父様達とも色々話したし。」
・・・。もうどうにでもなれ・・・。妹はしかし本気なようの見える。
「そうですか。タピオカさん、いえお義姉ちゃん!兄さんのことよろしくお願いします、お義姉ちゃんみたいな人なら任せても安心ですね」
ニッコニコしてた。本気ですか、唯紗さんっ!
食卓が俄かに静寂に包まれる。最初に行動を起こしたやつがまるでトラにでも食われてしまう、そんな静寂だ。
「うん、わかってるよ。唯紗ちゃん」
静寂を破ったのはヒルダの言葉だった。同じくニッコニコで言う。俺はというとこの二人についていけず、机に突っ伏している。
「さて、帰りますか。カレー美味しかったよー。ありがとね」
「とんでもないよー、また来てねー。お義姉ちゃん!」
ヒルダのやつあとで覚えとけよ。
「「兄さん(君)は、お義姉ちゃん(わたし)を送りなさいよ!」」
どーすんのこれ?しかも息ピッタリだし。
外は幾分か暖かくなってきたがまだ肌寒い。春と言っても、まだ4月だ。
「お前どうすんだよ、妹死んんきてるようだぜ?」
俺の横を歩くヒルダは上機嫌にブーツのかかとを鳴らしている。
「さぁ?なるようになるよ。心配するなー」
にへらにへらしながら顔をこちらに向ける。と、そこへ、
「女王陛下、お疲れ様でした。アイン卿もお疲れ様です!」
護衛官が小声で話しかけてきた。いつのまにかついてしまったようだ。
「どうもありがとう。もう少し離れていてくださいます?」
ヒルダが護衛官に話す。護衛官は了解致しましたと言って車の所へ。
「さて、今日はありがとう。とても楽しかった。また呼んでね?」
もちろんだ、と言いたいが家はあんまり呼びたくないな。唯紗がわめくだろうし。
「ああ、またどっかで食事に行こうな」
「うん。楽しみにしてるから」
そう言って俺たちは別れた。今日は随分長かったように思う。それだけ濃かったということだろうか。そんなことを思いながら俺は帰路に立った。
どうもこんにちは、歌です♪( ´▽`)
話が薄くて満足いただけないかもしれませんが、時間がなかったもので(^_^;)
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