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第五話 全国剣道大会・準決勝戦
手のひらに熱と痺れの余韻を感じながら、僕は準決勝のコートを見る。
たった今交わしたハイタッチの感触と、遠いあの日の約束が混ざり合う。
間もなく、全国剣道大会の中学生の部・準決勝戦。挫折しかけた僕には、まさに夢の大舞台だ。
ここまで来られたのは、兄や、隣にいる司のおかげだ。
司は僕を支えてくれた親友で、ライバル。
「いつか、俺も全国の舞台に立ちたいなぁ」
「そん時はここで、勝負しよう」
「はは、負けんで。なんてったって、俺は晃の弱点知っとるしな」
からりと笑う司は、いつだって太陽のようだ。
兄の大きな手、母の温かい手、司のいつだって励ましてくれた熱い手。そのすべてが、今の僕を作り上げる。
……絶対に、勝つ。
「……!」
会場の向こう側に、応援に来てくれた兄が見えた気がした。
僕は綺麗にテーピングをした手のひらをぐっと握りしめ、準決勝のコートへの一歩を踏み出すのだった。
了




