表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/19

最初の部活動

顧問のついて、アイヌ文化研究会は部として認められた。

今日は、記念すべき最初の部活動の日である。

部室であるアイヌ文化資料室に部員全員が集合していた。

エカテリーナ「まず、部長を決めたいと思います。」

澪「エカテリーナしかいないじゃん。」

エカテリーナ以外の部員が頷く。

エカテリーナ「みんながいいというなら、私がやるわ。じゃ副部長は?」

澪が続ける。「入った順番でいいんじゃん。連でいいよ。」

連以外の部員が頷く。

連「俺?」

澪「男は連しかいないし、男女平等でいいんじゃない。」

連「男女平等の使い方、間違っているよ。でも、まあ、仕方ないか。」

こうして部長と副部長が簡単に決まった。

顧問の田中さんが聞く。「部活動は具体的に何をするか決まっているの?」

一同が言葉に詰まる。

澪「とりあえず刺繍かな?」

ゆり「踊りの演出効果を研究するとか」

詩織「やはり踊りじゃないかな。」

田中さん「みんな違うことをしていたら、部の意味はないと思うの。みんなで協力して出来ることはないかな。」

皆「うーん」と考え込む。

田中さん「過去の部活動がどんなことをしていたか、参考にしたらどうかな」

エカテリーナは「あ、それいいですね。活動記録ならありますし。」

そして活動記録を読み返してみた。

エカテリーナ「ここ見て。トンコリを自分たちで作って、演奏している。」

連「トンコリって楽器屋で買うものかと思っていた。」

詩織「自分で作るなんてすごいわ。」

エカテリーナ「決まりね。最初の活動は、トンコリを作って演奏出来るようになって、秋の文化祭でみんなで発表しよう。」

連「ハードル高いな・・・でも、面白そうだな。」

澪「トンコリには自分の好きな模様を入れていいんだよね。」

ゆり「映像的に映えるトンコリを作ってみたい。」

詩織「いいね。車椅子での舞も好きだけど、私にはトンコリを演奏する方が向いているみたい。」

こうして部員全員がそれぞれトンコリを作って、演奏することを目標とした。

澪「でも、トンコリってどうやって作るんだろう?」

エカテリーナ「活動記録には、木彫りの職人から教えてもらったと記録しているわ。」

連「俺、叔父さんに聞いて見るよ。アイヌ記念館にもトンコリがあったし、館長の叔父さんなら職人を知っているかも。早速明日の土曜日に行ってくる。」

エカテリーナ「私も行くわ。」

そうして連とエカテリーナは2人でアイヌ記念館に行くことになった。

連は部活動でトンコリを作って、文化祭で演奏する計画を叔父に伝えた。

叔父は「ほう、いい計画だな。しかし、トンコリを作れる職人は、今は少なくなってな。俺の知っている限りでは1人だけだ。」

連「その人を教えて。」

叔父「教えるけどな、トンコリ作りまで教えてくれるかはわからないぞ。ちょっと変わり者なんだ。」

連「誰なの?」

叔父「ほら、連の家の近くに木彫りの工房があるだろう。そこの職人だ。」

連「ああ、いつも学校に行く途中にある、あの工房ね。そこならわかるよ。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ