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最後のインターバル

「大丈夫か」


 佐竹先生が開口一番にそう訊いた。


「大丈夫です。意識ははっきりしています」


 あたしは冷静に答える。指導者としては、さっきの倒れ方は肝を冷やしたに違いない。


 それでも、最後ではあたしが逆転した。


「スタミナは?」

「問題ないです」

「よし。ラウンド終盤の戦法は良かった。分かってはいると思うが、同じ場所に留まり続けるな。あのパンチ力はゴリラか何かの生まれ変わりだ」


 佐竹先生が真面目な顔をして言う。きっと本当にそう思っているんだろう。なかなかいいところは突いているけど。


「いいか、志崎。泣いても笑っても次のラウンドで最後だ。月並みだが、最後は結局のところ根性がモノを言う。全力で倒して来い」

「はい」


 両コーナーの付近から由奈ちゃんコールと楓花ちゃんコールが起っている。短時間の間に、ドルオタが体育会系の応援団みたいになっていた。


「セコンドアウト」


 笛とともに、会場に最終回のアナウンスが流れる。


 反対側の天城は、すごい顔でこちらを睨みつけていた。昨日の夜に健闘を誓い合ったJKとは別人のようだ。格闘家とはみなそのような一面があるのかもしれない。


 次のラウンドで決まる。


 最終回のゴングが打ち鳴らされた。

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